ベースアップ

サイトマップ
大分類

ベースアップ


ベースアップと定期昇給は違う

給料のベースアップを行うか否か、ベースアップをするとして、いつを基準に実施するかは、すべて当事者の決めるべきところです。

これと異なり、定期昇給制のように、あらかじめ賃金表が決められていて、昇給は年1回行うといった定めがされている場合は、昇給停止事由に該当しない限り昇給することがあらかじめ約束されていると考えられます。

不況によってベースアップはもとより、定期昇給も凍結される場合があるようですが、給与規程等を事前に確認しておく必要があるといえるでしょう。


遡及したベアと割増賃金

ベースアップを4月に遡及して実施した場合、実施時期までの賃金差額は当然として、これに伴う割増賃金の支払い義務が生ずるかどうかも問題となります。

ベースアップを何月から行うかが当事者間に委ねられているのと同じく、割増賃金の取扱いも、要は当事者でどう取り決めているかによります。

ただし、妥結時にそういうことが明確にされておらず、単に「4月に遡及して実施する」とだけ決められた場合は、一般的にはその期間中の時間外労働等に対しても新ベースによる割増賃金が支払われることも含めて妥結したと解釈されます。


遡及したベアと退職者の扱い

前2項と同様、退職者の扱いについても、当事者による取り決めで左右されると考えられます。

行政解釈においても、次のような見解が示されています。

新給与決定後過去に遡及して賃金を支払うことを取決める場合に、その支払対象を在職者のみとするかもしくは退職者をも含めるかは当事者の自由である。

(昭和23.12.4 基収第4092号)

裁判例でも、退職者が遡及ベースアップ分の支払いを求めた事案について、請求する根拠がないと判断したものがあります(東大阪市環境保全公社事件 大阪地裁 昭和57.1.29)。

ただし、ベースアップと定期昇給が混然一体で決められる会社の場合、問題は微妙になります。

このケースでも、特別な定めがない限り、支払請求権は生じないとした判例があります。

淀川プレス製作所事件 大阪高裁 昭和50.4.22

組合員らの相手方(※会社)に対する賃金昇給分とこれに伴う退職金増額分の具体的な支払請求権は労働協約第64条の規定によって当然に発生しているものとは認め難く、更に、各年度毎に結ばれる賃金に関する協定において具体化されることによって、はじめて発生するものと解するのが相当である。

そして、昭和49年度の賃金に関する協定の効力を受けるためには、右協定の成立した昭和49年8月13日当時において、相手方の従業員としての地位を有する組合員か、或いは、少なくとも解雇後その効力を争っている者であることを前提とするといわざるを得ない。

そうだとすれば、昭和49年度の賃金昇給分とこれに伴う退職金増加分の抗告人らの受給権について、前記協定中に特別の定めのない本件においては、右協定の成立以前に任意に退職した抗告人らには、昭和49年度の賃金昇給分とこれに伴う退職金増加分の支払請求権を有しないものというほかはない。


遡及したベアと退職金

これも、ベア実施時期と同様に、当事者の決定次第となります(上記判例参照)。

NTT、定昇廃止へ 労組は難色

NTTグループは28日、06年度にも勤続年数に応じて増える一般社員の年齢給をやめて定期昇給を全廃することを、NTT労働組合(組合員約18万5,000人)に提示したことを明らかにした。

配偶者や子供を持つ社員に支給する扶養手当をなくす案も提示したという。

固定電話の基本料の値下げ競争を乗り切るために成果主義を強化する考えだ。NTT労組は「評価制度の見直しが先」として、今のところ交渉を受け入れていない。

NTTの基本給は年齢給や等級別の資格給、成果給から成る。会社案では年齢給をなくし、資格給から年功的要素を排除するとしている。管理職については年齢給などを98年度にすでに廃止している。

労組側は今春闘で経営環境の悪化を見越し、5年連続で賃金のベースアップ(ベア)要求を見送る方針。

それだけに今回の会社案を簡単に受け入れられない状況だ。

(asahi.com 2005.1.28)


大工や電気工の日給、13年ぶり1日1万3,000円台に下落

大工や電気工など建設業関連の技能職の04年の1日平均賃金は1万3,790円で、13年ぶりに1万3,000円台に落ち込んだことが、厚生労働省の調査でわかった。

公共工事の減少などで、賃金の抑制傾向が強まり3年連続の下落となった。

調査は昨年8月分の賃金について、技能職がいる従業員5人以上の6,914事業所を対象に実施、約5万8,000人から回答を得た。

税や保険料などを含む1日当たりの平均賃金は、前年の1万4,060円より1.9%減り、91年の1万3,590円の水準に戻った。

電気工1万5,300円が最も高く、溶接工1万2,960円が前年比7.7%減と下落幅が大きかった。

(asahi.com 2005.2.4)


このページのトップへ