賞与の制度がある場合


賞与等の制度がある場合は、就業規則(社員規程などと呼ぶ会社もある)で規定(支給条件含め)することが労働基準法で義務付けられています。

労働協約就業規則で賞与を支給する旨の抽象的規定があっても、支給率や額について使用者の決定あるいは労使間の合意がなければ具体的な請求権は発生しないとされています。

また、賞与のうち成績査定分に関して、査定が労働基準法3条等に違反しあるいは裁量権を逸脱したような場合を除けば、原則として使用者の裁量に委ねられているとされています。

このような賞与等の規定がある場合はもちろん、労働契約で支給が定められていたり、定着した支給慣行があれば、法律上も支給が義務付けられ、賞与、退職金も賃金の後払いとして、その規定等にしたがって支払われなければなりません。

当然、労働者の同意を得ないで、合理的な理由もなく、使用者(会社)が一方的に就業規則を変更するなど、従来の規定などに定められた支給額を減らしたり、支給時期を遅らせることもできません。

しかし、使用者が一方的に減額した場合、同意できないことをただちに主張しなければ、暗黙の了解をしたものとみなされてしまいます。

また、労働基準法では、法律的に請求する権利がなくなる「時効」期間を、支給されるはずの日から賃金は2年間、退職金は5年間と定めているので注意してください。

ただし、この期間を過ぎていても使用者が時効を主張せずに支払いに応じる場合もあります。


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