外国人の国民健康保険への加入

原則的には可能だが、不法残留には認められない

国民健康保険についても、外国人登録をしており、在留期間が1年以上の場合は、原則としては加入可能です。

厚生省は、86年、被保険者の国籍要件を撤廃し、外国人であっても市区町村内に住所を有する者については、国民健康保険に加入できるようにしました。

資格要件は、原則として外国人登録を行っていること、日本の滞在期間が1年以上であるか、1年を超えることが明らかである場合、となっています。

不法就労者のうち、オーバースティ(不法残留)の場合は、ほとんどが外国人登録をしていないので、現実には国民健康保険への加入が難しい人が多いようです。

このことは、大きな社会的問題となっています。

不法滞在者への国保不適用明記 厚労省が規則改正

厚生労働省は8日、国民健康保険法の施行規則を改正し、在留資格のない外国人には国民健康保険の適用を認めないことを明記した。

現行法令には不法滞在者を適用除外とする規定がなく、台湾籍の男性をめぐる今年1月の最高裁判決で、「日本で長期間、安定した生活を営む」など一定の要件を満たせば、加入資格を認めるとする初の判断が示された。

厚労省は対応を検討したが、国保制度の安定性確保の観点などから従来通り適用除外の原則を維持し、明文化することとした。8日から施行する。

国保の事務手続きを担う市町村に意見聴取した結果、

1) 窓口では一定の加入要件の確認が難しい

(2) 保険料の徴収も困難で国保財政がもたなくなる

(3) 他の被保険者の賛同を得にくい

――など反対の意見が大勢を占めた。欧米諸国でも不法滞在者は医療保障制度の適用除外が一般的である点も踏まえ、厚労省は従来通り、

(1) 入国管理法上の在留資格がない

(2) 在留期間が1年未満

(3) 外国人登録を受けていない

――のいずれかに該当する場合は国保の加入を認めない。

(.asahi.com 2004.6.8)


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