技能の場合の在留資格

コックなどに適用

コックや外国に特有な製品の製造・修理の熟練した技能者等に与えられる在留資格です。


認定基準

申請人が次のいずれかに該当し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要です。

どの職務も原則として10年以上の実務経験を求められています。

(1) 料理の調理、食品の製造 料理の調理または食品の製造に係る技能で外国において考案されたわが国において特殊なものについて10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理または食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
(2) 建築、土木 外国に特有の建築または土木に係る技能について10年(当該技能を要する業務に10年以上の実務経験を有する外国人の指揮監督を受けて従事する者の場合にあっては、5年)以上の実務経験(外国の教育機関において当該建築または土木に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
(3) 外国に特有の製品の製造 外国に特有の製品の製造または修理に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該製品の製造または修理に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
(4) 宝石・貴金属・毛皮加工 宝石・貴金属または毛皮の加工に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該加工に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
(5) 動物の調教 動物の調教に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において動物の調教に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの
(6) 海底堀削、海底地質調査 石油探査のための海底掘削または海底鉱物探査のための海底地質調査に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において石油探査のための海底堀削または海底鉱物探査のための海底地誌区調査に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

「あらゆる職種に外国人労働者を」 経団連会長

日本経団連の奥田碩会長は13日の記者会見で外国人労働者の受け入れについて、「あらゆる職種で受け入れるのが望ましい」と語った。

その理由として、今後の労働力人口減少に向けて高齢者や女性、情報技術(IT)の活用だけでは対応できないことを挙げ、「4番目として外国人の活用が必要だ」と語った。

大詰めを迎えている春闘について、奥田会長は「賃上げとか、賃金水準の改善とかはできそうな雰囲気だ」と語り、賃上げ容認の姿勢を示した。

(asahi.com 2006.3.13)

「興行ビザ」発給基準厳格化 人身取引対策計画で骨子案

外国人女性の人身売買を防止するため、政府が今月中の策定を目指してきた「人身取引対策行動計画」の骨子案が5日、明らかになった。

隠れみのに使われることが増えている偽装結婚対策や被害者の帰国支援などが盛りこまれた。しかし、防止のカギといわれる被害者保護の受け皿づくりについては、婦人相談所の利用や民間シェルターとの連携など既存施設や制度の利用にとどまった。

日本は今年6月、米国務省の人身売買に関する年次報告書で今後の取り組みが必要な「監視対象国」に指定された。また、国際組織犯罪防止条約の批准に必要な法整備にも迫られ、対策を急いできた。

これらの要請を踏まえ、骨子案はすでに法制審議会に諮問されている刑法改正のほか、「人身売買の隠れみの」といわれてきた偽装結婚対策や外国人歌手やダンサー向けの「興行ビザ」の発給基準の厳格化など、処罰と出入国管理の強化を目指す対策が並んだ。

同時に、犯罪組織の摘発に不可欠な被害者の協力を取り付けるために、ノウハウのある国際機関に委託するなどの「被害者の帰国支援」も盛りこまれた。

だが、保護の柱となるシェルターについては、支援にあたる非政府組織(NGO)などが求めてきた専門スタッフによる「支援センター」は見送られた。ドメスティックバイオレンス(DV=配偶者からの暴力)の被害者を保護するための婦人相談所で対応したり、民間シェルターに委託費を出して連携したりといった既存施設の利用にとどまった。

シェルター職員には「DVの被害者が増え手いっぱい。対象を広げるなら通訳も含めた人員の強化が必要」との声が強いが、来年度のシェルター予算は「ほぼ横ばい」(厚労省)だ。

11月に来日したジョン・ミラー米国務省人身売買監視対策室長は、「ほとんどの先進国では保護法を制定しており、日本でも立法措置をとると期待している」と話している。

NGOの間でも「処罰強化の一方で保護が手薄だと、被害者は地下にもぐるだけ」との声がでており、行動計画による対応ではなく包括的な保護新法を求める動きもある。

(asahi.com 2004.12.05)

■人身取引対策行動計画(抜粋)■

●人身取引の実態把握の徹底

▽被害者の実態把握
▽ブローカーの実態把握

●総合的・包括的な人身取引対策

▽人身取引議定書の締結
▽人身取引を防止するための諸対策の推進

(1) 出入国管理の強化 (4) 偽装結婚対策
(2) 旅行関係文書のセキュリティー確保 (5) 不法就労防止の取組み
(3) 「興行」の在留資格・査証の見直し (6) 買売春防止対策の推進

▽人身取引を撲滅するための対策の推進

(1) 刑事法制の整備 (3) 旅行文書等に関する情報交換の推進
(2) 取締りの徹底 (4) 諸外国の捜査機関等との連携強化及び情報交換の推進

▽人身取引被害者の保護

(1) 被害者の認知 (5) 被害者の在留資格の取扱い
(2) シェルターの提供 (6) 被害者の安全の確保
(3) カウンセリング・相談活動等の実施 (7) 被害者の帰国支援
(4) 交番等に駆け込んだ被害者の取扱い    

▽人身取引対策推進に際しての留意事項

(1) 内外の関係機関等との連携 (3) 人身取引対策に関係する職員に対する研修・訓練
(2) 社会啓発・広報の実施 (4) 行動計画の検証・見直し

国籍法規定は違憲 比女性と日本男性の子の国籍認める

フィリピン人女性と日本人男性の間に生まれ、両親が法律上結婚していないことを理由に日本国籍取得を拒まれた男児(7)が国籍確認を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。

鶴岡稔彦裁判長は、3人が家族として共同生活をしている実態を重視。「父母が婚姻関係にあるかどうかで国籍取得の可否について不合理な区別を設けた国籍法の規定は、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する」と述べ、男児に日本国籍を認めた。国籍法の規定を違憲とした判決は初めて。

判決などによると、原告は関東地方で生まれ育った男児。既にフィリピン国籍は持っている。母親は40歳代のフィリピン人女性。父親は妻子がいる40歳代の日本人男性。男児は出生後、父親に認知された。

問題となったのは、未婚の男女の間に生まれた子(非嫡出子)の国籍取得をめぐり、「父母の婚姻と認知」を条件とした国籍法3条。

同法では、婚姻関係がない日本人男性と外国人女性との間に生まれた子供の場合、出生前に認知するか、出生後に結婚しなければ、日本国籍を取得できない。男児は認知はされているものの父母が婚姻関係にないため、法務局に国籍取得届を受理されず、提訴した。

鶴岡裁判長は、父親の渡す生活費で母親と男児が扶養されている、父親が週末などに定期的に母親の家に泊まったり、男児の幼稚園などの行事にも積極的に参加したりしている――などの点を挙げ、「男児と父母の3人は完全同居ではないものの、内縁関係にあり、家族としての共同生活と評価できる」と認定。「価値観が多様化している今、『父母が婚姻関係にある家族こそが正常で、内縁関係は正常ではない』などと言うことはできない」と指摘した。

そのうえで、内縁関係にある男女の間の子について「日本国民を親の一人とする家族の一員として、(父母が婚姻関係にある子と比べて)我が国との結びつきの点で違いはないのに、国籍取得が認められないのは何ら合理性がない」と判断。同法が、非嫡出子と、父母が婚姻している子(嫡出子)との間で国籍取得について区別している点を違憲と結論づけた。

一方で判決は、男児のように父母と非嫡出子が共同生活をしているケースではなく、共同生活が成立していない非嫡出子について国籍取得を認めないことは「違憲と断じるだけの証拠はない」と付け加えた。

(asahi.com 2005.4.13)


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