教育訓練・福利厚生での差別

教育訓練・福利厚生での男女差別

教育訓練や福利厚生についても、男女差別の問題が発生する可能性があります。

教育訓練

特定の性を教育訓練の対象外とすること、逆に特定の性のみを教育訓練の対象とすること、研修の内容や期間を、男女で異なるものとするような取り扱いは違法となります。

また、結婚したこと、一定年齢に達したこと、子供がいること等を理由として、特定の性のみを教育訓練の対象としたり対象外とすることも違法となります。

教育訓練の実施にあたって、出勤率や勤続年数等を条件とする場合に、性別によって異なる条件をつけることや、教育訓練の実施について、性別間で異なる取り扱いをすることも違法となります。

福利厚生

貸付けや給付、住宅貸与等の要件を男性よりも不利なものとするのは違法です。

たとえば、「世帯主(ただし女性は配偶者より収入の多い者に限る)」、「女性のみ配偶者の所得証明の提出を求める」などです。

独身寮の入居対象が特定の性のみであることなども違法であり、特定の性の寮や新設のアパートの借上げなど、差別解消の措置が求められます。

女性用の独身寮がないことを理由として、女性を採用しないとか、女性のみ自宅通勤を採用条件とすることもできません。

住宅ローンの返済の利子補給等を男女で異なる扱いにしているような場合も、男女同一の扱いが必要です。

住友化学工業事件 大阪地裁 平成13.3.28

福利厚生給付のうち、家族の状況や住宅事情に応じて支給額が異なる手当は、労働の対価というよう生活補助費的性格が強く、共稼ぎ夫婦の場合には二重払いになってしまい、社員間の公平を欠くので、便宜上、住民票上の世帯主に対してこれらを支給することは違法な男女差別に該当しない、とされた。

均等法の禁止する差別(募集及び採用を除く)について、労働者から申出があったときは、使用者は労使で構成する苦情処理機関に対してその解決をゆだねるなどして、自主的な解決を図るように努めなければならないとされています。(均等法第15条)


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