労使委員会

企画業務型裁量労働制に必須

労使委員会は、平成10年の労基法改正により設けられた新たな企画業務型裁量労働制に関する組織で、時短促進法の労働時間短縮推進委員会に類似したものです。

労使委員会の満たすべき条件

(1) 事業場の労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対して当該事項について意見を述べることを目的とする委員会であること。
(2) 構成は、使用者及び当該事業場の労働者を代表する者とする(※第三者は構成員となれない)。
(3) 委員の半数以上については、過半数労働組合または労働者の過半数を代表する者に任期を定めて指名されていること。
(4) 委員会の議事録の作成、保存、労働者への周知が図られていること。
(5) 有効期間の定め(1年以内)、各記録の保存(期間満了後3年)が行われていること。
(6) その他、厚生労働省令で定める要件に適合していること。

労使委員会を設置するに当たり、対象事業場の使用者及び労働組合の過半数を代表する者は、労使委員会の設置に係る日程、手順、使用者による一定の便宜供与がなされる場合にあっては、そのあり方等について十分に話し合い、定めておくことが望ましいでしょう。

労使委員会の構成要素

労使委員会は、労働者を代表する委員と使用者を代表する委員で構成されています。

人数については、特に規定はありませんが、労働側委員は半数を占めていなければなりません。

ただし、労使各1名の2名からなるものは「労使委員会」として認められません。

使用者代表委員は、使用者側の指名により選出されますが、労働者代表委員は、対象事業場の過半数労働組合または過半数労働組合がない事業場においては過半数代表者から、任期を定めて指名を受けなければなりません。

指名

過半数労働組合が存在しない事業場においては、まず、労使委員会の委員を指名する過半数代表者を36協定の過半数代表者等の選出方法と同様に投票、挙手等の方法により選出してください。

なお、過半数労働組合、過半数代表者は、管理監督者以外の者の中から労働者を代表する委員を任期を定めて指名します。

届出義務・定期報告等

労使委員会の設置届(労基署提出)については、平成16年の法改正により廃止されました。

使用者は、対象労働者の労働時間の状況及びその労働者の健康・福祉措置の実施状況について、労使委員会の「決議の日から6ヶ月以内ごと1回」、行政官庁へ定期報告しなければなりません。


全員合意の決議は、労使協定と同じ

労使委員会において、委員全員の合意による決議がなされた場合は、その決議をもって労使協定に代えることができるとされています。(労働基準法第38条の4、5)

労使協定に代えられる制度

制度(根拠) 決議等の提出
(1) 1ヶ月単位の変形労働時間制労働基準法32条
(2) フレックスタイム制労働基準法32条
(3) 1年単位の変形労働時間制労働基準法32条
(4) 1週間単位の非定形的変形労働時間制労働基準法32条
(5) 一斉休憩の適用除外労働基準法34条
(6) 時間外・休日労働制労働基準法36条 様式第9条の3で労働基準監督署長へ届出が必要。ただし、事業場外労働に関する協定が締結されている場合には、時間外・休日労働については様式第9号の3、事業場外労働については様式第12号でそれぞれ届出が必要
(7) 事業場外労働の労働時間の算定労働基準法38条
(8) 専門業務型裁量労働のみなし労働時間制労働基準法38条
(9) 年次有給休暇の計画年休制労働基準法39条
(10) 年次有給休暇の賃金支払方法(労働基準法39条

※(6)の「36協定」以外は届出免除になります。


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