車の所有者の責任

無断使用であっても責任を問われる

従業員が無断で運転中に事故を起こした場合でも、会社側はその責任を免れないと考えられます。

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損害賠償請求事件 最高裁 昭和39.2.11

就業時間外に上司に無断で自動車を使用することは禁止されていたが、自動車及び鍵の管理は従来から厳格ではなく、実際、就業時間外に上司に無断で運転することも稀ではなく、無断使用を封ずるため管理上特段の措置も講じていなかった。

裁判所は、事故を生じた運行行為が、具体的には第三者の無断運転による場合であっても、自動車の所有者と第三者との間に雇用関係等密接な関係が存し、かつ日常の自動車の運転及び管理状況からして、客観的外形的には自動車所有者等のためにする運行と認められるときは、自動車の所有者は、損害賠償責任を免れない、とした。

民法第715条(使用者等の責任)

ある事業のために他人を使用するものは、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

自動車損害賠償保障法第3条(自動車損害賠償責任)

自己のために自動車の運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。

ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。


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