解雇理由の証明について

労働者の請求により、交付が義務付けられている

平成15年の労基法改正において、労働基準法第22条が改正され、労働者が請求した場合に「解雇」理由についての証明書を出すことが、明記されました。

それまでも、離職理由についての証明書について義務付けられていたのですが、その後も解雇理由をめぐる紛争が多かったため、あらためて解雇証明書の交付が明記されたのです。

証明書は、解雇予告のあった日から退職の日までの間に請求があった場合に遅延なく交付されなければなりません。

また、使用者は、労働者の請求しない事項を記入してはならないとされています。

例えば、解雇された労働者が「解雇された事実」のみの証明を請求した場合は、使用者は解雇理由を記入してはならないと解されています。

また、「あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として・・・証明書に秘密の記入をしてはならない」とされているのは、いわゆるブラックリストの禁止ですが、事前の申込みに基づかない具体的照会に対して回答することは、本条の禁止するところではないとされています。

ただし、積極的な就職妨害の意図はなくても、その通信が就業妨害になることを認識してなされた場合には、妨害意図を目的として有すると解されます(とはいっても、労働者がその意図の存在を証明することは、きわめて困難です)。


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