派遣期間

派遣期間の一覧

No. 派遣業務の種類 派遣受入期間 (従前) 詳細
(1) 通常派遣業務((2)~(8)以外のもの) 最長3年(1年を超える場合は労働者意見聴取)
更新不可(3ヶ月のクーリング期間を最低保障する必要がある)
1年 港湾運送・建設・警備・医療は禁止
(2) 旧26業務(特殊な業務として政令で定めるもの) 制限無し 1年(同一の派遣労働者について最長3年) 事務用機器操作・財務処理・ファイリング・案内受付・テレマーケティング等、従来対象の26業務
(3) 有期プロジェクト(いわゆる3年以内の期間限定プロジェクト) プロジェクト期間内は制限なし(ということは3年限度) (現行法に同じ) 港湾運送・建設・警備・医療は禁止
(4) 日数限定業務(派遣先事業所の通常の労働者の所定労働日数の半分以下でかつ1月に10日以下) 制限なし 1年  
(5) 産前産後休業・育児休業者の代替 制限なし(休業者の復職まで) 2年 港湾運送・建設・警備・医療は禁止
(6) 介護休業者の代替 制限なし(同上) 1年
(7) 中高年者(45歳以上)の派遣労働者のみ従事させる業務 3年 (現行法に同じ)  
(8) 製造業務(のうち、(2)~(6)に該当しない通常の派遣) 原則1年(過半数労働組合等の意見聴取のうえ最長3年) 派遣禁止 直接製造工程に係る業務

通常(臨時的・一時的な業務)派遣業務

平成11年の法律改正により、一般事務や営業職などこれまで派遣労働が認められなかった業務についても「臨時的・一時的な業務」として派遣労働者を受け入れることが可能になりました。

「臨時的・一時的な業務」への派遣は、安易に常用労働者が派遣労働者に置き換えられることのないように、同一の就業場所、同一の業務における派遣労働者の受け入れ期間は最長3年とし ています。

原則は以前と変わらず1年であって、1年を超える場合にあらかじめ期間を定めれば3年までが可能という決まりになっています。1年の雇用を更新して最高3年まで、という意味ではありません。

したがって、「2年」とか「2年6ヶ月」とかいった具体的な期間を定めない場合は、派遣可能期間は今までどおり1年が限度です。

なお、契約締結後1年を経過すれば、労働者側が自由に退職できることが認められています(当面の暫定措置です)。

26業務の派遣

26業務については、派遣期間の上限が撤廃されました。

有期プロジェクト型業務への派遣

事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のために必要な業務で、一定期間内で完了することが予定されている業務への派遣です。契約期間は、その業務が完了するまでの期間で、最長3年です。

出産・育児・介護休業取得者の代替労働者の派遣

従業員が産前産後休業や育児・介護休業を取得するときに、代わりの従業員を補充するための派遣です。

業務内容は休業する従業員の業務となります。

契約期間の制限は撤廃されました。

医療関係業務への紹介予定派遣

病院等における医師、歯科医師、看護師などの医療関係業務は、派遣労働者の受け入れが禁止されていますが、「紹介予定派遣」の場合に限り、派遣労働者の受け入れが可能です。

なお、診療所は原則として派遣が禁止されている施設ですが、身体障害者療養施設の中に設けられた診療所については派遣の対象とすることが認められています。

製造業の経過措置

物の製造業務とは、物の溶融、鋳造、加工、組立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に係る業務を指します。

なお、物の製造業務の場合は、派遣先の責任者は、安全衛生統括管理者と派遣元との綿密な連絡調整を行う必要があります。(派遣労働法41条4項)

派遣契約の期間の割合

派遣
種類
1日以下 1日超7日以下 7日超1月以下 1月超2月以下 2月超3月以下 3月超6月以下 6月超12月以下 1年超3年以下 その他
労働者派遣事業 27.7 6.1 10.5 19.9 25.0 8.2 2.1 0.5 0.1
(旧)特定労働者派遣事業 4.3 3.9 12.1 9.4 39.9 15.9 9.0 4.5 0.9
合計 25.6 5.9 10.6 18.9 26.4 8.9 2.7 0.8 0.2

平成27年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(厚生労働省)(単位:%)

派遣労働にかかわる個人・組合によって設立されたNPO「派遣労働ネットワーク」(事務局・東京都新宿区)は、1994、98、2001、04年に派遣社員の労働実態についてアンケート調査を行っている。

04年調査では、1回当たりの契約期間で最も多いのが「3ヶ月」で49.42%と約半数を占めた。

ちなみに、01年調査も、1位は「3ヶ月」だったが29.55%。契約期間の平均は、この3年を見ても、01年の5.34ヶ月から04年は4.17ヶ月へと短期化している。

(エコノミスト 2005.5.31)


派遣期間の制裁措置等

3年の期間制限に違反した派遣先に対して労働大臣は勧告を出し、勧告に従わなかった派遣先を公表します。

派遣期間が原則3年だけで更新が許されない業務(新たに自由化された業務で派遣就業の場所ごとの同一業務)については、これに違反して3年を超して派遣した場合、派遣元は30万円以下の罰金に処せられます 。


派遣期間延長にあたっての派遣先労働者の意見聴取義務

通常派遣業務について、1年を超えて3年以内で派遣期間を定める場合、派遣先の常用労働者の代替とならないように、「派遣先は、あらかじめ、派遣先の事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合に対し、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に対し、当該機関を通知し、その意見を聴くものとする」という規定が設けられました。

ただし、あくまでも派遣先の社内対応義務であるので、この手続きをとらないで、1年を超える派遣契約を締結することは可能であるし、また意見を聴いてそれが反対であっても契約は無効になりません。


派遣労働の労働基準法の適用

派遣元 派遣先
均等待遇 均等待遇
男女同一賃金の原則  
強制労働の禁止
  公民権行使の保障
労働契約  
賃金  
1ヶ月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制の協定の締結・届出、時間外・休日労働の協定の締結・届出、事業場外労働に関する協定の締結・届出、専門業務型裁量労働制に関する協定の締結・届出 労働時間、休憩、休日
時間外・休日、深夜の割増賃金  
年次有給休暇  
最低年齢  
年少者の証明書  
  年少者の労働時間及び休日
  年少者の深夜労働
  危険有害業務の就業制限(年少者及び妊産婦等)
  坑内労働の禁止(年少者及び女性)
帰省旅費(年少者)  
産前産後の休業  
  産前産後の時間外、休日、深夜業
  育児時間
  生理日の就業外著しく困難な女性に対する措置
徒弟の弊害の排除 徒弟の弊害の排除
職業訓練に関する特例  
災害補償  
就業規則  
寄宿舎  
申告を理由とする不利益取扱禁止 申告を理由とする不利益取扱禁止
国の援助義務 国の援助義務
法令規則の周知義務 法令規則の周知義務(就業規則を除く)
労働者名簿  
賃金台帳  
記録の保存、報告の義務 記録の保存、報告の義務

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