非正社員利用の課題

非正社員の方が逆にコストがかさむことがある

(1) 人件費の項目に見える経費は削減されたかに見えるが、派遣やアウトソーシング、業務委託などの人件費に計上されない経費が増加しており、必ずしも削減効果があったのかどうか明確でない。
(2) 社員が引き続き担当すべき業務は何か、ということを明確にしないまま、非正社員化、外部化したために、同じ仕事を正社員が行っているケースと非正社員が行っているケースが混在している。
(3) これまで職能資格制度のもとで正社員に対して行っていたマネジメントをそのまま非正社員に適用しているケースが多く、モチベーションの向上が進まないばかりか、生産性を落とすことにもなっている。
(4) 雇用保険や業務委託契約などの契約および更新、情報管理や情報共有、セクシュアル・ハラスメントや雇用形態差別の問題など、さまざまな領域でノウハウが欠如しているため、適切なリスクマネジメントができていない。

出所:「正社員時代の終焉」リクルート(2004)

非正社員が4割弱に、派遣労働者が急増 厚労省の就業調査

厚生労働省が7日発表した就業形態についての実態調査によると、労働者に占める非正社員の割合は37.8%となり、前回調査(2003年)から3.2ポイント上昇した。企業が柔軟な雇用を目指した結果だが、働く意欲を高めるための賃金制度見直しなど課題も多い。

非正社員とは契約社員や派遣労働者、パートタイム労働者など正社員以外の労働者を指す。03年との比較では、派遣労働者の比率が4.7%と2倍超に増えた。製造業や金融・保険業で活用が目立つ。

非正社員を活用する理由を事業主に複数回答で聞いたところ、「賃金の節約」が40.8%でトップ。続いて「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」31.8%、「即戦力・能力のある人材を確保するため」25.9%の順となった。

(NIKKEI NET 2008.11.8)

内閣府「国民生活白書」によると、1991年に182万人だったフリーター(パート・アルバイト、派遣社員や契約社員など)は、2001年には417万人に増加した。

そのうち、91年に96万人だったパート・アルバイトが01年には244万人に増加した。

つまり、91年から01年までの10年間にフリーターは235万人増加したのだが、そのうち148万人はパート・アルバイトなど非正社員の増加によるものなのである。

(エコノミスト 2005.5.31)


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