集会

勤務時間外・企業施設外なら正当

集会が「正当」な組合活動として認められるかどうかは、諸般の状況を総合的に勘案して判断されることになります。

使用者の許可を受けない限り、勤務時間内・企業施設内で集会を開くことは、施設管理権、職務専念義務に抵触することになります。

逆に、当然に認めるような労使慣行が成立している場合に、突然拒否することは施設管理権の濫用と判断されることになります。

集会の正当性に関する最高裁の判断事例

(1) 所定の勤務時間の開始後約30分位が出勤簿整理時間と称され、この時間内に出勤すれば遅刻とならない扱いがなされていたとしても、右時間帯に開催された職場大会は正当な組合活動とはいえない(昭和60.11.8)
(2) 組合から申出があれば特段の理由がない限り施設利用を許可する旨の労使慣行が成立していた場合は、利用申出の拒否は施設管理権の濫用となる(昭和60.5.23)
(3) 組合が従来は許可願を出し許可を得たうえで職場集会を行っていたのに、その後許可願を出さず無許可のままで職場集会を行ったのは、使用者の施設管理権を侵害し、正当な組合活動とはいえない。その中止を命ずることは不当労働行為とはならない(全逓新宿郵便局事件 最高裁 昭和58.12.20)
(4) 許可を受けて利用したという前例がないため、組合が会社の許諾がなくても事由に会社施設を利用できるという不当な見解に固執し、会社と真摯にその利用について協議を尽くそうとせず、許可願を出したが会社から拒否されたことを契機に、会社の阻止を実力で排除して会社施設を利用したのは、正当な組合活動とはいえない( 池上通信機事件 最高裁 昭和63.7.19)
(5) 休憩時間中であっても、自由に集会を行い得るわけではない(昭和49.11.29)
(6) 会社は午後6時から食堂を貸与すると回答したのに午後5時から無断で職場集会を開いたことに対し、会社が中止を命じたのは、不当労働行為ではない(日本チバガイギー事件 最高裁 平成1.1.19)
(7) 食堂の使用について使用条件の合意がないまま無断で使用する組合に対し、一切この使用を不許可とする行為は不当労働行為ではない(オリエンタルモーター事件 最高裁 平成7.9.8)
(8) 休養のため自由使用を許されている休憩室であっても、自由に集会を行い得るわけではない(昭和58.12.20)
(9) 勤務時間中に会社の構内にある空き地等を利用して組合が臨時大会を行ったことは、組合に所属しない会社従業員の就労が妨げられたり、会社の業務が阻害されたとはいえないので、違法な組合活動とはいえない(平成6.8.7)。

港合同南労会支部(業務妨害禁止等仮処分)事件 大阪地裁 平成15.6.6

診療時間中の音声による表現行為の差し止めを求める必要性が認められた。

金融経済新聞社(賃金減額)事件 東京地裁 平成15.5.9

休憩時間を利用して行われた従業員の配転問題についての集会は、就業規則上使用者の許可なく行われることが禁止される「職務上関係のない集会」に該当するとされた。


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