労組法上の労働者とは

失業者も労組法上は労働者

労基法上の労働者とは、特定の事業場で使用されていることが要件のひとつであり、労基法上の労働者である者は、労組法上も労働者といえます。

反面、労組法上の労働者については上記のような要件はありませんので、例えば失業者などは、労基法上の労働者ではありませんが、労組法上は労働者となります。


労組法上の労働者かどうかの判断

以下のような場合も、労働者として判断されることになります。

一人親方

常時相当の希望を以て請負をなす請負業者は労働者ではないが、日傭を兼ねるが如き大工は請負を行う場合といえども、実施上賃金に準じる収入を以て生活する者と認められるから、かかる者が労働組合を結成することは差し支えない。

(労発325 昭和21.6.1、労発153 昭和25.5.8)

賃加工者・家内労働者

ヘップサンダルの賃加工を自宅で行う職人が主たる構成員である労働組合の資格審査事件で、中労委は、材料も自己負担し、加工賃料も出来高に応じて支払われる者について「職人は毎日業者のところへ出頭し、その指示による仕事を受け、その事業計画のままに労働力を提供して対価として工賃収入を得ているもので」あるから、労組法3条の労働者にあたるとした。(中労委 昭和35.8.17、型紙加工者について、美栄地労委 昭和31.8.20)

楽団員

中部日本放送事件 最高裁 昭和51.5.6

放送局と自由出演契約関係下にある楽団員について、この自由出演契約は、楽団員をあらかじめ会社の事業組織の中へ組み入れることにより、放送事業の遂行上不可欠な演奏労働力を恒常的に確保しようとしたこと、会社が必要とするときは、その一方的指示により楽団員に演奏を求めることができ、楽団員は原則としてこの指示に従う義務があったこと、出演報酬は芸術的価値を評価したものというよりは、演奏という労務の提供それ自体の対価と認められる。

このため、労組法上の労働者に該当する。

プロ野球選手

日本プロ野球選手会について、東京都労委は昭和61年11月14日に労働組合として資格認定しました。

つまり、都労委はプロ野球選手を労組法上の労働者に該当すると判断したことになります。


ページの先頭へ