労働組合法(全文)


昭和二十四年六月一日法律第百七十四号
最終改正:平成二十六年六月十三日法律第六十九号

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
2 刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十五条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。

(労働組合)
第二条 この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
 一 役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
 二 団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
 三 共済事業その他福利事業のみを目的とするもの
 四 主として政治運動又は社会運動を目的とするもの

(労働者)
第三条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。

第四条 削除


第二章 労働組合

(労働組合として設立されたものの取扱)
第五条 労働組合は、労働委員会に証拠を提出して第二条及び第二項の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。但し、第七条第一号の規定に基く個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない。
2 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。
 一 名称
 二 主たる事務所の所在地
 三 連合団体である労働組合以外の労働組合(以下「単位労働組合」という。)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。
 四 何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと。
 五 単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。
 六 総会は、少くとも毎年一回開催すること。
 七 すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によつて委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少くとも毎年一回組合員に公表されること。
 八 同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。
 九 単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。

(交渉権限)
第六条 労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。

(不当労働行為)
第七条 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
 一 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。
 二 使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
 三 労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
 四 労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第二十七条の十二第一項の規定による命令に対する再審査の申立をしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。

(損害賠償)
第八条 使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。

(基金の流用)
第九条 労働組合は、共済事業その他福利事業のために特設した基金を他の目的のために流用しようとするときは、総会の決議を経なければならない。

(解散)
第十条 労働組合は、左の事由によつて解散する。
 一 規約で定めた解散事由の発生
 二 組合員又は構成団体の四分の三以上の多数による総会の決議

(法人である労働組合)
第十一条 この法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は、その主たる事務所の所在地において登記することによつて法人となる。
2 この法律に規定するものの外、労働組合の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
3 労働組合に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ第三者に対抗することができない。

(準用規定)
第十二条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十三条、第四十四条(この法律の第八条に規定する場合を除く。)、第五十条、第五十二条から第五十五条まで、第五十七条及び第七十二条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条から第四十条までの規定は、法人である労働組合について準用する。


第十三条 削除

第三章 労働協約

(労働協約の効力の発生)
第十四条 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。

(労働協約の期間)
第十五条 労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。
2 三年をこえる有効期間の定をした労働協約は、三年の有効期間の定をした労働協約とみなす。
3 有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
4 前項の予告は、解約しようとする日の少くとも九十日前にしなければならない。

(基準の効力)
第十六条 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。

(一般的拘束力)
第十七条 一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。

(地域的の一般的拘束力)
第十八条 一の地域において従事する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従事する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第二項の規定により修正があつたものを含む。)の適用を受けるべきことの決定をすることができる。
2 労働委員会は、前項の決議をする場合において、当該労働協約に不適当な部分があると認めたときは、これを修正することができる。
3 第一項の決定は、公告によつてする。
4 第一項の申立てに係る労働協約が最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第十一条に規定する労働協約に該当するものであると認めるときは、厚生労働大臣又は都道府県知事は、同項の決定をするについては、賃金に関する部分に関し、あらかじめ、中央最低賃金審議会又は都道府県労働局長の意見を聴かなければならない。この場合において、都道府県労働局長が意見を提出するについては、あらかじめ、地方最低賃金審議会の意見を聴かなければならない。


第四章 労働委員会
第一節 設置、任務及び所掌事務並びに組織等

(労働委員会)
第十九条 労働委員会は、使用者を代表する者(以下「使用者委員」という。)、労働者を代表する者(以下「労働者委員」という。)及び公益を代表する者(以下「公益委員」という。)各同数をもつて組織する。
2 労働委員会は、中央労働委員会及び都道府県労働委員会とする。
3 労働委員会に関する事項は、この法律に定めるもののほか、政令で定める。

(中央労働委員会)
第十九条の二 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く。
2 中央労働委員会は、労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務とする。
3 中央労働委員会は、前項の任務を達成するため、第五条、第十一条、第十八条及び第二十六条の規定による事務、不当労働行為事件の審査等(第七条、次節及び第三節の規定による事件の処理をいう。以下同じ。)に関する事務、労働争議のあつせん、調停及び仲裁に関する事務並びに労働関係調整法第三十五条の二及び第三十五条の三の規定による事務その他法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき中央労働委員会に属させられた事務をつかさどる。

(中央労働委員会の委員の任命等)
第十九条の三 中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十五人をもつて組織する。
2 使用者委員は使用者団体の推薦(使用者委員のうち四人については、行政執行法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第四項 に規定する行政執行法人をいう。以下この項、次条第二項第二号及び第十九条の十第一項において同じ。)の推薦)に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦(労働者委員のうち四人については、行政執行法人の労働関係に関する法律 (昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第二号 に規定する職員(以下この章において「行政執行法人職員」という。)が結成し、又は加入する労働組合の推薦)に基づいて、公益委員は厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3 公益委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから、公益委員を任命することができる。
4 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその公益委員を罷免しなければならない。
5 公益委員の任命については、そのうち七人以上が同一の政党に属することとなつてはならない。
6 中央労働委員会の委員(次条から第十九条の九までにおいて単に「委員」という。)は、非常勤とする。ただし、公益委員のうち二人以内は、常勤とすることができる。

(委員の欠格条項)
第十九条の四 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者は、委員となることができない。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、公益委員となることができない。
 一 国会又は地方公共団体の議会の議員
 二 行政執行法人の役員、行政執行法人職員又は行政執行法人職員が結成し、若しくは加入する労働組合の組合員若しくは役員

(委員の任期等)
第十九条の五 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続き在任するものとする。

(公益委員の服務)
第十九条の六 常勤の公益委員は、在任中、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
 一 政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
 二 内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
2 非常勤の公益委員は、在任中、前項第一号に該当する行為をしてはならない。

(委員の失職及び罷免)
第十九条の七 委員は、第十九条の四第一項に規定する者に該当するに至つた場合には、その職を失う。公益委員が同条第二項各号のいずれかに該当するに至つた場合も、同様とする。
2 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
3 前項の規定により、内閣総理大臣が中央労働委員会に対して、使用者委員又は労働者委員の罷免の同意を求めた場合には、当該委員は、その議事に参与することができない。
4 内閣総理大臣は、公益委員のうち六人が既に属している政党に新たに属するに至つた公益委員を直ちに罷免するものとする。
5 内閣総理大臣は、公益委員のうち七人以上が同一の政党に属することとなつた場合(前項の規定に該当する場合を除く。)には、同一の政党に属する者が六人になるように、両議院の同意を得て、公益委員を罷免するものとする。ただし、政党所属関係に異動のなかつた委員を罷免することはできないものとする。

(委員の給与等)
第十九条の八 委員は、別に法律の定めるところにより俸給、手当その他の給与を受け、及び政令の定めるところによりその職務を行うために要する費用の弁償を受けるものとする。

(中央労働委員会の会長)
第十九条の九 中央労働委員会に会長を置く。
2 会長は、委員が公益委員のうちから選挙する。
3 会長は、中央労働委員会の会務を総理し、中央労働委員会を代表する。
4 中央労働委員会は、あらかじめ公益委員のうちから委員の選挙により、会長に故障がある場合において会長を代理する委員を定めておかなければならない。

(地方調整委員)
第十九条の十 中央労働委員会に、行政執行法人とその行政執行法人職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつせん若しくは調停又は第二十四条の二第五項の規定による手続に参与させるため、使用者、労働者及び公益をそれぞれ代表する地方調整委員を置く。
2 地方調整委員は、中央労働委員会の同意を得て、政令で定める区域ごとに厚生労働大臣が任命する。
3 第十九条の五第一項本文及び第二項、第十九条の七第二項並びに第十九条の八の規定は、地方調整委員について準用する。この場合において、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「厚生労働大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「中央労働委員会」と読み替えるものとする。

(中央労働委員会の事務局)
第十九条の十一 中央労働委員会にその事務を整理させるために事務局を置き、事務局に会長の同意を得て厚生労働大臣が任命する事務局長及び必要な職員を置く。
2 事務局に、地方における事務を分掌させるため、地方事務所を置く。
3 地方事務所の位置、名称及び管轄区域は、政令で定める。

(都道府県労働委員会)
第十九条の十二 都道府県知事の所轄の下に、都道府県労働委員会を置く。
2 都道府県労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十三人、各十一人、各九人、各七人又は各五人のうち政令で定める数のものをもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、当該政令で定める数に使用者委員、労働者委員及び公益委員各二人を加えた数のものをもつて組織することができる。
3 使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する。
4 公益委員の任命については、都道府県労働委員会における別表の上欄に掲げる公益委員の数(第二項ただし書の規定により公益委員の数を同項の政令で定める数に二人を加えた数とする都道府県労働委員会にあつては当該二人を加えた数)に応じ、それぞれ同表の下欄に定める数以上の公益委員が同一の政党に属することとなつてはならない。
5 公益委員は、自己の行為によつて前項の規定に抵触するに至つたときは、当然退職するものとする。
6 第十九条の三第六項、第十九条の四第一項、第十九条の五、第十九条の七第一項前段、第二項及び第三項、第十九条の八、第十九条の九並びに前条第一項の規定は、都道府県労働委員会について準用する。この場合において、第十九条の三第六項ただし書中「、常勤」とあるのは「、条例で定めるところにより、常勤」と、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「都道府県労働委員会」と、同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員又は労働者委員」とあるのは「都道府県労働委員会の委員」と、前条第一項中「厚生労働大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。

(船員労働委員会)
第十九条の十三 船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員(特定独立行政法人職員、国有林野事業職員及び日本郵政公社職員を除く。以下この項において同じ。)に関しては、この法律に規定する中央労働委員会、都道府県労働委員会並びに厚生労働大臣及び都道府県知事の行う権限は、それぞれ船員中央労働委員会、船員地方労働委員会及び国土交通大臣が行うものとする。この場合において、第十八条第四項の規定は、船員については、適用しない。
2 船員中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各七人をもつて組織し、船員地方労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各五人をもつて組織する。
3 使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、国土交通大臣が任命する。
4 中央労働委員会及び都道府県労働委員会に関する規定(第十九条の二、第十九条の三第一項から第四項まで及び第六項ただし書、第十九条の四第二項、第十九条の六、第十九条の七第一項後段、第四項及び第五項、第十九条の十、第十九条の十一第二項及び第三項、前条第二項、第三項及び第六項(第十九条の三第六項ただし書を準用する部分に限る。)、第二十四条第二項、第二十四条の二第一項、第二項、第四項ただし書及び第六項、第二十六条第二項並びに第二十七条の二十三の規定を除く。)は、船員中央労働委員会及び船員地方労働委員会について準用する。この場合において、第十九条の三第五項中「七人以上」とあるのは「三人以上」と、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「船員中央労働委員会」と、同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、「使用者委員又は労働者委員」とあるのは「船員中央労働委員会の委員」と、第十九条の十一第一項中「厚生労働大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、前条第一項中「都道府県知事の所轄の下に」とあるのは「各地方運輸局の管轄区域(政令で定める地方運輸局にあつては、政令で定める区域を除く。)及び当該政令で定める区域を管轄区域として並びに当分の間沖縄県の区域を管轄区域として」と、同条第六項中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣」と、第二十五条第一項中「特定独立行政法人職員、国有林野事業職員及び日本郵政公社職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(特定独立行政法人職員、国有林野事業職員又は日本郵政公社職員が結成し、又は加入する労働組合に関する第五条第一項及び第十一条第一項の規定による処分については、政令で定めるものに限る。)について、専属的に管轄するほか、二以上の都道府県」とあるのは「二以上の船員地方労働委員会の管轄区域」と読み替えるものとする。
5 前条第五項の規定は、船員中央労働委員会の公益委員について準用する。

(労働委員会の権限)
第二十条 労働委員会は、第五条、第十一条及び第十八条の規定によるもののほか、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあつせん、調停及び仲裁をする権限を有する。

(会議)
第二十一条 労働委員会は、公益上必要があると認めたときは、その会議を公開することができる。
2 労働委員会の会議は、会長が招集する。
3 労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各一人以上が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。
4 議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(強制権限)
第二十二条 労働委員会は、その事務を行うために必要があると認めたときは、使用者又はその団体、労働組合その他の関係者に対して、出頭、報告の提出若しくは必要な帳簿書類の提出を求め、又は委員若しくは労働委員会の職員(以下単に「職員」という。)に関係工場事業場に臨検し、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 労働委員会は、前項の臨検又は検査をさせる場合においては、委員又は職員にその身分を証明する証票を携帯させ、関係人にこれを呈示させなければならない。

(秘密を守る義務)
第二十三条 労働委員会の委員若しくは委員であつた者又は職員若しくは職員であつた者は、その職務に関して知得した秘密を漏らしてはならない。中央労働委員会の地方調整委員又は地方調整委員であつた者も、同様とする。

(公益委員のみで行う権限)
第二十四条 第五条及び第十一条の規定による事件の処理並びに不当労働行為事件の審査等(次条において「審査等」という。)並びに労働関係調整法第四十二条 の規定による事件の処理には、労働委員会の公益委員のみが参与する。ただし、使用者委員及び労働者委員は、第二十七条第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により調査(公益委員の求めがあつた場合に限る。)及び審問を行う手続並びに第二十七条の十四第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により和解を勧める手続に参与し、又は第二十七条の七第四項及び第二十七条の十二第二項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による行為をすることができる。
2 中央労働委員会は、常勤の公益委員に、中央労働委員会に係属している事件に関するもののほか、行政執行法人職員の労働関係の状況その他中央労働委員会の事務を処理するために必要と認める事項の調査を行わせることができる。

(合議体等)
第二十四条の二 中央労働委員会は、会長が指名する公益委員五人をもつて構成する合議体で、審査等を行う。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合においては、公益委員の全員をもつて構成する合議体で、審査等を行う。
 一 前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に中央労働委員会のした第五条第一項若しくは第十一条第一項又は第二十七条の十二第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に反すると認めた場合
 二 前項の合議体を構成する者の意見が分かれたため、その合議体としての意見が定まらない場合
 三 前項の合議体が、公益委員の全員をもつて構成する合議体で審査等を行うことを相当と認めた場合
 四 第二十七条の十第三項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による異議の申立てを審理する場合
3 都道府県労働委員会は、公益委員の全員をもつて構成する合議体で、審査等を行う。ただし、条例で定めるところにより、会長が指名する公益委員五人又は七人をもつて構成する合議体で、審査等を行うことができる。この場合において、前項(第一号及び第四号を除く。)の規定は、都道府県労働委員会について準用する。
4 労働委員会は、前三項の規定により審査等を行うときは、一人又は数人の公益委員に審査等の手続(第五条第一項、第十一条第一項、第二十七条の四第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)、第二十七条の七第一項(当事者若しくは証人に陳述させ、又は提出された物件を留め置く部分を除き、第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)、第二十七条の十第二項並びに同条第四項及び第二十七条の十二第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分並びに第二十七条の二十の申立てを除く。次項において同じ。)の全部又は一部を行わせることができる。
5 中央労働委員会は、公益を代表する地方調整委員に、中央労働委員会が行う審査等の手続のうち、第二十七条第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により調査及び審問を行う手続並びに第二十七条の十四第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により和解を勧める手続の全部又は一部を行わせることができる。この場合において、使用者を代表する地方調整委員及び労働者を代表する地方調整委員は、これらの手続(調査を行う手続にあつては公益を代表する地方調整委員の求めがあつた場合に限る。)に参与することができる。

(中央労働委員会の管轄等)
第二十五条 中央労働委員会は、行政執行法人職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(行政執行法人職員が結成し、又は加入する労働組合に関する第五条第一項及び第十一条第一項の規定による処分については、政令で定めるものに限る。)について、専属的に管轄するほか、二以上の都道府県にわたり、又は全国的に重要な問題に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分について、優先して管轄する。
2 中央労働委員会は、第五条第一項、第十一条第一項及び第二十七条の十二第一項の規定による都道府県労働委員会の処分を取り消し、承認し、若しくは変更する完全な権限をもつて再審査し、又はその処分に対する再審査の申立てを却下することができる。この再審査は、都道府県労働委員会の処分の当事者のいずれか一方の申立てに基づいて、又は職権で、行うものとする。

(規則制定権)
第二十六条 中央労働委員会は、その行う手続及び都道府県労働委員会が行う手続に関する規則を定めることができる。
2 都道府県労働委員会は、前項の規則に違反しない限りにおいて、その会議の招集に関する事項その他の政令で定める事項に関する規則を定めることができる。


第二節 不当労働行為事件の審査の手続

(不当労働行為事件の審査の開始)
第二十七条 労働委員会は、使用者が第七条の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。この場合において、審問の手続においては、当該使用者及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない。
2 労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。

(公益委員の除斥)
第二十七条の二 公益委員は、次の各号のいずれかに該当するときは、審査に係る職務の執行から除斥される。
 一 公益委員又はその配偶者若しくは配偶者であつた者が事件の当事者又は法人である当事者の代表者であり、又はあつたとき。
 二 公益委員が事件の当事者の四親等以内の血族、三親等以内の姻族又は同居の親族であり、又はあつたとき。
 三 公益委員が事件の当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
 四 公益委員が事件について証人となつたとき。
 五 公益委員が事件について当事者の代理人であり、又はあつたとき。
2 前項に規定する除斥の原因があるときは、当事者は、除斥の申立てをすることができる。

(公益委員の忌避)
第二十七条の三 公益委員について審査の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、これを忌避することができる。
2 当事者は、事件について労働委員会に対し書面又は口頭をもつて陳述した後は、公益委員を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

(除斥又は忌避の申立てについての決定)
第二十七条の四 除斥又は忌避の申立てについては、労働委員会が決定する。
2 除斥又は忌避の申立てに係る公益委員は、前項の規定による決定に関与することができない。ただし、意見を述べることができる。
3 第一項の規定による決定は、書面によるものとし、かつ、理由を付さなければならない。

(審査の手続の中止)
第二十七条の五 労働委員会は、除斥又は忌避の申立てがあつたときは、その申立てについての決定があるまで審査の手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為についてはこの限りでない。

(審査の計画)
第二十七条の六 労働委員会は、審問開始前に、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を定めなければならない。
2 前項の審査の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
 一 調査を行う手続において整理された争点及び証拠(その後の審査の手続における取調べが必要な証拠として整理されたものを含む。)
 二 審問を行う期間及び回数並びに尋問する証人の数
 三 第二十七条の十二第一項の命令の交付の予定時期
3 労働委員会は、審査の現状その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を変更することができる。
4 労働委員会及び当事者は、適正かつ迅速な審査の実現のため、審査の計画に基づいて審査が行われるよう努めなければならない。

(証拠調べ)
第二十七条の七 労働委員会は、当事者の申立てにより又は職権で、調査を行う手続においては第二号に掲げる方法により、審問を行う手続においては次の各号に掲げる方法により証拠調べをすることができる。
 一 事実の認定に必要な限度において、当事者又は証人に出頭を命じて陳述させること。
 二 事件に関係のある帳簿書類その他の物件であつて、当該物件によらなければ当該物件により認定すべき事実を認定することが困難となるおそれがあると認めるもの(以下「物件」という。)の所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出された物件を留め置くこと。
2 労働委員会は、前項第二号の規定により物件の提出を命ずる処分(以下「物件提出命令」という。)をするかどうかを決定するに当たつては、個人の秘密及び事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない。
3 労働委員会は、物件提出命令をする場合において、物件に提出を命ずる必要がないと認める部分又は前項の規定により配慮した結果提出を命ずることが適当でないと認める部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。
4 調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が第一項第一号の規定により当事者若しくは証人に出頭を命ずる処分(以下「証人等出頭命令」という。)又は物件提出命令をしようとする場合には、意見を述べることができる。
5 労働委員会は、職権で証拠調べをしたときは、その結果について、当事者の意見を聴かなければならない。
6 物件提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
 一 物件の表示
 二 物件の趣旨
 三 物件の所持者
 四 証明すべき事実
7 労働委員会は、物件提出命令をしようとする場合には、物件の所持者を審尋しなければならない。
8 労働委員会は、物件提出命令をする場合には、第六項各号(第三号を除く。)に掲げる事項を明らかにしなければならない。

第二十七条の八 労働委員会が証人に陳述させるときは、その証人に宣誓をさせなければならない。
2 労働委員会が当事者に陳述させるときは、その当事者に宣誓をさせることができる。

第二十七条の九 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百九十六条、第百九十七条及び第二百一条第二項から第四項までの規定は、労働委員会が証人に陳述させる手続に、同法第二百十条の規定において準用する同法第二百一条第二項の規定は、労働委員会が当事者に陳述させる手続について準用する。

(不服の申立て)
第二十七条の十 都道府県労働委員会の証人等出頭命令又は物件提出命令(以下この条において「証人等出頭命令等」という。)を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から一週間以内(天災その他この期間内に審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に審査を申し立てることができる。
2 中央労働委員会は、前項の規定による審査の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部又は一部を取り消す。
3 中央労働委員会の証人等出頭命令等を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から一週間以内(天災その他この期間内に異議の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に異議を申し立てることができる。
4 中央労働委員会は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
5 審査の申立て又は異議の申立ての審理は、書面による。
6 中央労働委員会は、職権で審査申立人又は異議申立人を審尋することができる。

(審問廷の秩序維持)
第二十七条の十一 労働委員会は、審問を妨げる者に対し退廷を命じ、その他審問廷の秩序を維持するために必要な措置を執ることができる。

(救済命令等)
第二十七条の十二 労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(以下「救済命令等」という。)を発しなければならない。
2 調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が救済命令等を発しようとする場合は、意見を述べることができる。
3 第一項の事実の認定及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを使用者及び申立人に交付しなければならない。
4 救済命令等は、交付の日から効力を生ずる。

(救済命令等の確定)
第二十七条の十三 使用者が救済命令等について第二十七条の十九第一項の期間内に同項の取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は、確定する。
2 使用者が確定した救済命令等に従わないときは、労働委員会は、使用者の住所地の地方裁判所にその旨を通知しなければならない。この通知は、労働組合及び労働者もすることができる。

(和解)
第二十七条の十四 労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。
2 救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあつた場合において、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ、又は確立させるため適当と認めるときは、審査の手続は終了する。
3 前項に規定する場合において、和解(前項の規定により労働委員会が適当と認めたものに限る。次項において同じ。)に係る事件について既に発せられている救済命令等は、その効力を失う。
4 労働委員会は、和解に金銭の一定額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を内容とする合意が含まれる場合は、当事者双方の申立てにより、当該合意について和解調書を作成することができる。
5 前項の和解調書は、強制執行に関しては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。
6 前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、労働委員会の会長が行う。民事執行法第二十九条後段の執行文及び文書の謄本の送達も、同様とする。
7 前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。
8 第四項の和解調書並びに第六項後段の執行文及び文書の謄本の送達に関して必要な事項は、政令で定める。

(再審査の申立て)
第二十七条の十五 使用者は、都道府県労働委員会の救済命令等の交付を受けたときは、十五日以内(天災その他この期間内に再審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる。ただし、この申立ては、救済命令等の効力を停止せず、救済命令等は、中央労働委員会が第二十五条第二項の規定による再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときは、その効力を失う。
2 前項の規定は、労働組合又は労働者が中央労働委員会に対して行う再審査の申立てについて準用する。

(再審査と訴訟との関係)
第二十七条の十六 中央労働委員会は、第二十七条の十九第一項の訴えに基づく確定判決によつて都道府県労働委員会の救済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再審査することができない。

(再審査の手続への準用)
第二十七条の十七 第二十七条第一項、第二十七条の二から第二十七条の九まで、第二十七条の十第三項から第六項まで及び第二十七条の十一から第二十七条の十四までの規定は、中央労働委員会の再審査の手続について準用する。この場合において、第二十七条の二第一項第四号中「とき」とあるのは「とき又は事件について既に発せられている都道府県労働委員会の救済命令等に関与したとき」と読み替えるものとする。

(審査の期間)
第二十七条の十八 労働委員会は、迅速な審査を行うため、審査の期間の目標を定めるとともに、目標の達成状況その他の審査の実施状況を公表するものとする。


第三節 訴訟

(取消しの訴え)
第二十七条の十九 使用者が都道府県労働委員会の救済命令等について中央労働委員会に再審査の申立てをしないとき、又は中央労働委員会が救済命令等を発したときは、使用者は、救済命令等の交付の日から三十日以内に、救済命令等の取消しの訴えを提起することができる。この期間は、不変期間とする。
2 使用者は、第二十七条の十五第一項の規定により中央労働委員会に再審査の申立てをしたときは、その申立てに対する中央労働委員会の救済命令等に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。この訴えについては、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第十二条第三項から第五項までの規定は、適用しない。
3 前項の規定は、労働組合又は労働者が行政事件訴訟法の定めるところにより提起する取消しの訴えについて準用する。

(緊急命令)
第二十七条の二十 前条第一項の規定により使用者が裁判所に訴えを提起した場合において、受訴裁判所は、救済命令等を発した労働委員会の申立てにより、決定をもつて、使用者に対し判決の確定に至るまで救済命令等の全部又は一部に従うべき旨を命じ、又は当事者の申立てにより、若しくは職権でこの決定を取り消し、若しくは変更することができる。

(証拠の申出の制限)
第二十七条の二十一 労働委員会が物件提出命令をしたにもかかわらず物件を提出しなかつた者(審査の手続において当事者でなかつた者を除く。)は、裁判所に対し、当該物件提出命令に係る物件により認定すべき事実を証明するためには、当該物件に係る証拠の申出をすることができない。ただし、物件を提出しなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。


第四節 雑則

(中央労働委員会の勧告等)
第二十七条の二十二 中央労働委員会は、都道府県労働委員会に対し、この法律の規定により都道府県労働委員会が処理する事務について、報告を求め、又は法令の適用その他当該事務の処理に関して必要な勧告、助言若しくはその委員若しくは事務局職員の研修その他の援助を行うことができる。

(抗告訴訟の取扱い等)
第二十七条の二十三 都道府県労働委員会は、その処分(行政事件訴訟法第三条第二項に規定する処分をいい、第二十四条の二第五項の規定により公益委員がした処分及び同条第六項の規定により公益を代表する地方調整委員がした処分を含む。次項において同じ。)に係る行政事件訴訟法第十一条第一項(同法第三十八条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による都道府県を被告とする訴訟について、当該都道府県を代表する。
2 都道府県労働委員会は、公益委員、事務局長又は事務局の職員でその指定するものに都道府県労働委員会の処分に係る行政事件訴訟法第十一条第一項の規定による都道府県を被告とする訴訟又は都道府県労働委員会を当事者とする訴訟を行わせることができる。

(費用弁償)
第二十七条の二十四 第二十二条第一項の規定により出頭を求められた者又は第二十七条の七第一項第一号(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の証人は、政令の定めるところにより、費用の弁償を受けることができる。

(行政手続法の適用除外)
第二十七条の二十五 労働委員会がする処分(第二十四条の二第五項の規定により公益委員がする処分及び同条第六項の規定により公益を代表する地方調整委員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。

(不服申立ての制限)
第二十七条の二十六 労働委員会がした処分(第二十四条の二第五項の規定により公益委員がした処分及び同条第六項の規定により公益を代表する地方調整委員がした処分を含む。)については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。


第五章 罰則

第二十八条 救済命令等の全部又は一部が確定判決によつて支持された場合において、その違反があつたときは、その行為をした者は、一年以下の禁錮若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれに併科する。

第二十八条の二 第二十七条の八第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。

第二十九条 第二十三条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第三十条 第二十二条の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは帳簿書類の提出をせず、又は同条の規定に違反して出頭をせず、若しくは同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。

第三十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。

第三十二条 使用者が第二十七条の二十の規定による裁判所の命令に違反したときは、五十万円(当該命令が作為を命ずるものであるときは、その命令の日の翌日から起算して不履行の日数が五日を超える場合にはその超える日数一日につき十万円の割合で算定した金額を加えた金額)以下の過料に処する。第二十七条の十三第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により確定した救済命令等に違反した場合も、同様とする。

第三十二条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
 一 正当な理由がないのに、第二十七条の七第一項第一号(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して出頭せず、又は陳述をしない者
 二 正当な理由がないのに、第二十七条の七第一項第二号(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して物件を提出しない者
 三 正当な理由がないのに、第二十七条の八(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して宣誓をしない者

第三十二条の三 第二十七条の八第二項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、三十万円以下の過料に処する。

第三十二条の四 第二十七条の十一(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して審問を妨げた者は、十万円以下の過料に処する。

第三十三条 法人である労働組合の清算人が第十二条で準用された民法の規定に違反して同法第八十四条の三第一項の規定によつて罰せられるべき行為をしたときは、その清算人は、同項に規定する過料と同一の範囲の額の過料に処する。
2 前項の規定は、法人である労働組合の代表者が第十一条第二項の規定に基いて発する政令で定められた登記事項の変更の登記をすることを怠つた場合において、その代表者につき準用する。


附 則 [抄]

1 この法律施行の期日は、公布の日から起算して三十日を越えない期間内において、政令で定める。
2 この法律施行の際現に法人である労働組合は、この法律の規定による法人である労働組合とみなす。但し、この法律施行の日から六十日以内にこの法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けなければならない。
3 この法律施行の際現に労働委員会の委員である者は、この法律の規定によつて罷免される場合を除く外、その任期満了の日まで在任するものとし、労働委員会の事務局長及びその他の職員は、法令に従つて別に辞令を発せられないときは、この法律の規定によつて任命されたものとみなされ、同級に止まり、同俸給を受けるものとする。
4 この法律施行の際現に労働委員会に係属中の事件の処理については、なお改正前の労働組合法(昭和二十年法律第五十一号)の規定による。
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9 他の法律中「労働組合法(昭和二十年法律第五十一号)」を「労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)」に改める。

附 則 [昭和25年3月31日法律第79号] [抄]
1 この法律は、昭和二十五年四月一日から施行する。

附 則 [昭和25年4月1日法律第84号] [抄]
1 この法律は、公布の日から施行する。

附 則 [昭和25年5月4日法律第139号] [抄]
1 この法律は、公布の日から施行する。

附 則 [昭和26年6月7日法律第203号] [抄]
1 この法律は、公布の日から施行する。

附 則 [昭和27年7月31日法律第288号] [抄]
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一箇月をこえない期間内において、政令で定める日から施行する。

附 則 [昭和29年12月8日法律第212号] [抄]
1 この法律の施行の期日は、公布の日から起算して九十日をこえない期間内において、政令で定める。

附 則 [昭和34年4月15日法律第137号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律の施行期間は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内において、各規定につき、政令で定める。

附 則 [昭和37年5月16日法律第140号] [抄]
1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。
6 この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。
7 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。
8 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。

附 則 [昭和37年9月15日法律第161号] [抄]
1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9 第八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
10 この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十号)に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によつてまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によつて改正されるものとする。

附 則 [昭和41年4月30日法律第64号] [抄]
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。

附 則 [昭和46年5月25日法律第67号] [抄]
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。

附 則 [昭和46年12月31日法律第130号] [抄]
(施行期日)
1 この法律は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の日から施行する。

附 則 [昭和53年5月2日法律第39号]
この法律は、公布の日から施行する。

附 則 [昭和55年11月19日法律第85号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十六年四月一日から施行する。

附 則 [昭和58年12月2日法律第78号]
1 この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。

附 則 [昭和59年5月8日法律第25号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十九年七月一日から施行する。

附 則 [昭和63年6月14日法律第82号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十三年十月一日から施行する。ただし、次条第二項及び附則第七条の規定は、公布の日から施行する。

(委員に関する経過措置等)
第二条 この法律の施行の際現に中央労働委員会の委員(第一条の規定による改正前の労働組合法第十九条第十三項の規定により委員の職務を行う者を含む。)である者は、同条第十一項及び第十三項の規定にかかわらず、この法律の施行と同時にその地位を失うものとする。
2 第一条の規定による改正後の労働組合法第十九条の三第二項による中央労働委員会の委員の任命のために必要な行為は、同条の規定の例により、この法律の施行前においても行うことができる。
3 第一条の規定による改正後の労働組合法第十九条の三第三項及び第四項の規定は、この法律の施行後最初に公益委員が任命される場合について準用する。
4 この法律の施行の際現に国営企業労働委員会事務局の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもつて、中央労働委員会事務局の職員となるものとする。

(手続規則に関する経過措置等)
第三条 この法律の施行の際現に効力を有する第一条の規定による改正前の労働組合法第二十六条の規定に基づき中央労働委員会が定めた手続規則(以下この項において「旧手続規則」という。)は、この法律の施行の日から第一条の規定による改正後の労働組合法第二十六条の規定に基づき中央労働委員会の定める手続規則(以下この項において「新手続規則」という。)が公布される日の前日までの間、新手続規則としての効力を有するものとする。この場合において、第三条の規定による改正後の国営企業労働関係法第二条第二号に規定する職員の労働関係に関し中央労働委員会が行う手続について新手続規則としての効力を有するものとされた旧手続規則によることができないときは、この法律の施行の際現に効力を有する第三条の規定による改正前の国営企業労働関係法第二十五条の四の規定に基づき国営企業労働委員会が定めた国営企業労働委員会規則の例によるものとする。
2 中央労働委員会が行う手続について前項の規定によることが適当でないと認められる場合には、その手続は、中央労働委員会の会長が定めるところによるものとする。

(中央労働委員会がした処分等に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にこの法律による改正前の労働組合法、労働関係調整法又は国営企業労働関係法の規定により中央労働委員会又は国営企業労働委員会がした処分その他の行為は、政令で別段の定めをするものを除き、この法律による改正後のこれらの法律の相当規定により中央労働委員会がした処分その他の行為とみなす。
2 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の労働組合法、労働関係調整法又は国営企業労働関係法の規定により中央労働委員会又は国営企業労働委員会に対してされている申請その他の手続は、政令で別段の定めをするものを除き、この法律による改正後のこれらの法律の相当規定により中央労働委員会に対してされた手続とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。国営企業労働委員会の委員又は職員であつた者がこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用についても、同様とする。

(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 [平成5年11月12日法律第89号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 [平成11年7月16日法律第87号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(新地方自治法第百五十六条第四項の適用の特例)
第百二十二条 第三百七十五条の規定による改正後の労働省設置法の規定による都道府県労働局(以下「都道府県労働局」という。)であって、この法律の施行の際第三百七十五条の規定による改正前の労働省設置法の規定による都道府県労働基準局の位置と同一の位置に設けられているものについては、新地方自治法第百五十六条第四項の規定は、適用しない。

(職業安定関係地方事務官に関する経過措置)
第百二十三条 この法律の施行の際現に旧地方自治法附則第八条に規定する職員(労働大臣又はその委任を受けた者により任命された者に限る。附則第百五十八条において「職業安定関係地方事務官」という。)である者は、別に辞令が発せられない限り、相当の都道府県労働局の職員となるものとする。

(地方労働基準審議会等に関する経過措置)
第百二十四条 この法律による改正前のそれぞれの法律の規定による地方労働基準審議会、地方職業安定審議会、地区職業安定審議会、地方最低賃金審議会、地方家内労働審議会及び機会均等調停委員会並びにその会長、委員その他の職員は、相当の都道府県労働局の相当の機関及び職員となり、同一性をもって存続するものとする。

(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

附 則 [平成11年7月16日法律第102号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 二 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(職員の身分引継ぎ)
第三条 この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。

(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

附 則 [平成11年7月16日法律第104号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、第二十三条中労働関係調整法第八条の二第四項の改正規定(「国営企業労働関係法」を「国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律」に改める部分を除く。)及び第八条の三の改正規定、第二十四条中国営企業労働関係法第三条第二項、第二十五条、第二十六条第二項、第二十九条第二項及び第三十四条第二項の改正規定、第二十五条中労働組合法第十九条の三、第十九条の七及び第十九条の十二第四項の改正規定並びに第十九条の十三第四項の改正規定(「六人」を「七人」に改める部分に限る。)並びに次条第一項、第二項、第四項及び第五項の規定は、別に法律で定める日から施行する。

(労働組合法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第二十四条の規定による改正後の国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(以下「新国労法」という。)第三条第二項の規定の適用については、中央労働委員会の委員の数が第二十五条の規定による改正後の労働組合法第十九条の三第一項に規定する数に達する日(以下この条において「任命日」という。)の前日までは、新国労法第三条第二項中「六人」とあるのは、「四人」とする。
2 新国労法第二十五条の規定の適用については、任命日の前日までは、同条中「六人」とあるのは、「四人」とする。
3 中央労働委員会の委員の定数のうち第二十五条の規定による労働組合法第十九条の三第一項の規定の改正に伴い増加した数を充当するために新たに行われる委員の任命のために必要な行為は、第二十五条の規定による改正後の労働組合法第十九条の三第二項の規定の例により、前条ただし書の法律で定める日以前においても行うことができる。この場合において、労働組合法第十九条第一項に規定する使用者委員の推薦は国営企業(新国労法第二条第一号に規定する国営企業をいう。以下同じ。)又は独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)の施行の際に同法第一条第一項に規定する個別法が成立している同法第二条第二項に規定する特定独立行政法人(以下「個別法が成立している特定独立行政法人」という。)を所管する大臣が、労働組合法第十九条第一項に規定する労働者委員の推薦は国営企業の新国労法第二条第四号に規定する職員が結成し、若しくは加入する労働組合又は個別法が成立している特定独立行政法人の職員となる者が結成し、若しくは加入する国家公務員法第百八条の三の規定により登録された職員団体が行うものとする。
4 労働組合法第十九条の三第三項及び第四項の規定は、中央労働委員会の公益委員の定数のうち同条第一項の規定の改正に伴い増加した数を充当するための公益委員の任命について準用する。
5 中央労働委員会の委員の定数のうち第二十五条の規定による労働組合法第十九条の三第一項の規定の改正に伴い増加した数を充当するため新たに任命された委員の任期は、同法第十九条の五第一項の規定にかかわらず、任命日から、その任命の際現に中央労働委員会の委員である者の任期満了の日までとする。

(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則 [平成11年12月8日法律第151号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。

(経過措置)
第三条 民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
 十 第三十五条中労働組合法第十九条の四第一項及び第十九条の七第一項の改正規定

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則 [平成11年12月22日法律第160号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。[後略]

附 則 [平成14年5月29日法律第45号] [抄]
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則 [平成14年7月31日法律第98号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、公社法の施行の日から施行する。[後略]

附 則 [平成16年6月9日法律第84号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。[後略]

附 則 [平成16年11月17日法律第140号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は平成十七年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第二十七条の四の改正規定、同条を第二十七条の二十六とする改正規定、第二十七条の三の改正規定、同条を第二十七条の二十五とする改正規定、第二十七条の二の改正規定、同条を第二十七条の二十四とする改正規定、第二十七条の次に十七条、一節、節名及び二条を加える改正規定(第二十七条の二十二及び第二十七条の二十三に係る部分に限る。)並びに次条の規定 公布の日
 二 附則第十六条の規定 行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十四号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日

(新法第二十七条の二十二等の適用に関する特例)
第二条 この法律の公布の日からこの法律の施行の日の前日までの間における改正後の労働組合法(以下「新法」という。)第二十七条の二十二から第二十七条の二十六までの規定の適用については、新法第二十七条の二十二及び第二十七条の二十三中「都道府県労働委員会」とあるのは「地方労働委員会」と、新法第二十七条の二十四中「の規定により出頭を求められた者又は第二十七条の七第一項第一号(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の証人」とあるのは「又は第二十七条第三項の規定により出頭を求められた者」と、新法第二十七条の二十五中「処分(第二十四条の二第五項の規定により公益委員がする処分及び同条第六項の規定により公益を代表する地方調整委員がする処分を含む。)」とあり、第二十七条の二十六中「処分(第二十四条の二第五項の規定により公益委員がした処分及び同条第六項の規定により公益を代表する地方調整委員がした処分を含む。)」とあるのは「処分」とする。

(地方労働委員会がした処分等に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前に法令の規定により地方労働委員会がした処分その他の行為は、この法律の施行後は、当該法令の相当規定により都道府県労働委員会がした処分その他の行為とみなす。
2 この法律の施行の際現に法令の規定により地方労働委員会に対してされている申立てその他の手続は、この法律の施行後は、当該法令の相当規定により都道府県労働委員会に対してされた申立てその他の手続とみなす。
3 この法律の施行の際現に地方労働委員会の委員である者は、この法律の施行の日に、新法第十九条の十二第三項の規定により、都道府県労働委員会の委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、同条第六項の規定において準用する新法第十九条の五第一項の規定にかかわらず、同日におけるこの法律による改正前の労働組合法第十九条の十二第三項の規定により任命された地方労働委員会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。

(罰則の適用に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 [平成16年12月1日法律第147号] [抄]
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則 [平成17年7月26日第87号] [抄]
この法律は、会社法の施行の日から施行する。[後略]

別表(第十九条の十二関係)

15人 7人
13人 6人
11人 5人
9人 4人
7人 3人
5人 2人

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