日本司法支援センター(法テラス)

概要

総合法律支援体制の中核となる運営主体として、独立行政法人の枠組みに従いつつ、最高裁判所が設立・運営に関与して手設立される新たな独立行政法人です。

総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことを目的としています。

「総合法律支援」とは、裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに、弁護士および司法書士その他の隣接法律専門職者のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援のことをいいます。

各種のトラブルの解決は、きちんとした法律やルールに則って行われることが重要ですが、一般の国民にとって、法律や司法は身近なものとなっておらず、トラブルにあってもあきらめてしまっている人がたくさんいると言われています。

そこで、司法を国民により身近なものとするため、全国どこでも、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられるよう支援センターを作ることになりました。


業務内容:法律問題の道案内役

支援センターでは、民事・刑事を問わず、法によって解決できるトラブルについての相談を受け付けます。

例えば、賃貸借に関する紛争、不動産取引上の問題、近隣紛争、消費者問題、交通事故処理、犯罪被害、労働問題、知的財産権の保護に関する問題、相続問題等が挙げられます。

なお、支援センターにおける情報提供は、専門職員が、一般国民から相談を受け、その相談内容に応じて、最も適切な相談機関・団体等の紹介や客観的な法制度に関する情報提供を行うものであり、弁護士が、紛争の内容に応じて、勝訴の見込み等も含めて法的判断を行い、採るべき手段をアドバイスするといった法律相談とは異なります。

トラブルを解決するための情報の提供や、弁護士会等の関係機関の紹介は無料です。

相談窓口業務 支援センターの専門職員が、一般国民から相談を受け、その相談内容に応じて、最も適切な相談機関・団体等(弁護士会、司法書士会、地方公共団体の相談窓口等)の紹介や客観的な法制度に関する情報提供を行う。
なお、この相談窓口業務は、弁護士が、紛争の内容に応じて、勝訴の見込み等も含めて法的判断を行い、採るべき手段をアドバイスするといった法律相談とは異なる。
司法過疎対策業務 弁護士等がその地域にいない等の事情により、法律サービスの提供を受けることが困難な地域において、支援センターのスタッフ弁護士が法律サービスを提供する。
民事法律扶助業務 資力の乏しい国民に対して、裁判に要する弁護士費用の立替え等を行う。
国選弁護関連業務 被疑者・被告人段階を通じ、一貫した刑事弁護体制を整備し、裁判の迅速化、裁判員制度の実施を支援する。
犯罪被害者支援 被害者や遺族の方が置かれている状況を十分念頭に置き、その支援のため、被害者の援助に詳しい専門機関等と連携し、個々の犯罪被害者が受けた心身のダメージ等に十分配慮しながら、その時に最も必要な援助が受けられるよう、集約した情報を速やかに、かつ、懇切丁寧に提供する。
また、各地の弁護士会や日本弁護士連合会と提携して、犯罪被害者問題に精通した弁護士を犯罪被害者に紹介し得る態勢を整備することも予定されている。
さらに、必要な場合には民事法律扶助制度をも活用しつつ、問題となっている事案に応じた適切な弁護士から、必要な法的サービスが受けられるようにして、損害賠償等の実現や、刑事手続への適切な関与が図られる。

上記の業務のほか、国、地方公共団体、公益法人その他の営利を目的としない法人等の委託を受けて、法律サービスの提供等の業務を行います。

契約弁護士

支援センターの契約弁護士等は、支援センターが取り扱わせた事務について、独立してその職務を行わなければなりません。

センター内には審査委員会(法曹三者のほか相当数の有識者で構成)が置かれ、契約弁護士等の契約違反に対する措置等についての判断にあたっては、この審査委員会の議決を経ることになっています。

隣接法律専門職

隣接法律専門職者とは、「弁護士及び弁護士法人以外の者であって、法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者」をいいます。

具体的には次のような人のことです。

  1. 司法書士・司法書士法人
  2. 弁理士・特許業務法人
  3. 行政書士・行政書士法人
  4. 社会保険労務士・社会保険労務士法人
  5. 土地家屋調査士・土地家屋調査士法人
  6. 税理士・税理士法人
  7. 公認会計士
  8. 外国法事務弁護士
  9. 外国人の利用

民事法律扶助事業については、日本国内に住所がなかったり、適法に在留していない外国人の方は利用することができません。

それ以外の業務については、外国人も日本人と同じように支援センターを利用できます。


諸外国の例

イギリス(イングランド)

憲法事項省所管の公的な団体である法律サービス委員会が、国等からの資金により、地域社会法律サービス(情報提供、民事法律扶助など)と刑事弁護サービスを運営しています。

フランス

民事、刑事ともに法律扶助制度があり、大審裁判所(我が国の地方裁判所に相当)ごとに設置されている裁判所扶助局が国の資金により業務を行っています。また、各県に設置されている法へのアクセス県評議会が国等からの資金を受け入れ、法へのアクセス実現のための活動を支援しています。

大韓民国

法務部(我が国の法務省に相当)所管の特殊法人である大韓法律救助公団が国等からの資金により民事、刑事の法律扶助事業、司法アクセスポイントの設置を行っています。


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