幹部採用の場合

幹部採用で期待に応えられなかった場合

幹部採用の場合について、裁判例は分かれています。

期待=契約内容であって、解雇が有効とされた判例

持田製薬事件 東京地裁 昭和62.8.24

債権者はマーケティング部部長という職務上の地位を特定し、その地位に相応した能力を発揮することを期待されて、債務者と雇用契約を締結したことが明らかであるが、債権者が、人材の斡旋を業とする株式会社リクルートの紹介によって採用されていること、及びその待遇を鑑みると、それは、単に、期待に止まるものではなく、契約の内容となっていたと解せられ、この見地から・・・債権者の勤務態度を検討すると、債権者は・・・マーケティング部を設立した債務者の期待に著しく反し、雇用契約の趣旨に従った履行をしていないといえるし、・・・立候補を考えたことについても、当選すれば、職業政治家に転身することになるのであるから・・・債務者が、債権者の職務遂行の意思について、疑念を抱いたとしても、債権者は、甘受すべきである。


解雇は無効であるとされた判例

津軽三年味噌販売事件 東京地裁 昭和62.3.30

東京営業所の経営不振を打開するために、当時他社の取締役副支配人であった債権者に対して入社を強く要請し、常務取締役、東京営業所長待遇、10年以上の身分保障等の条件で入社させたが、東京営業所の販売成績が期待したようには向上しなかったこと等から、債権者をその地位からはずし、末端販売店の巡回セールスをさせた末解雇した事案について、解雇は無効であるとされた。


ページの先頭へ