遺族年金を受けられる場合

遺族年金の受給要件

項目 国民年金(自営業等の世帯) 厚生年金(サラリーマン世帯)
受給できる対象者 国民年金加入者に生計を維持されていた遺族
1. 子供のいる配偶者
2. 子供
厚生年金加入者に生計を維持されていた遺族
1. 妻、子供、夫
2. 父母
3. 孫
4. 祖父母
年金の種類 遺族基礎年金 遺族基礎年金・遺族厚生年金
注意事項 ・子供のいない配偶者はもらえない
・子供が18歳(障害状態1級、2級の場合は20歳)到達年度末を過ぎるともらえない
・遺族基礎年金部分は左記と同じ
・子供の有無に関わらず妻は一生涯もらえる
・30歳未満の子供のいない妻は5年間だけもらえる

遺族年金の年金額の目安

子供については、18歳(障害状態1級、2級の場合は20歳)到達の年度末までが対象となります。

また、年金額の目安の計算には、以下の状態を仮定して計算しています。

  • 死亡したサラリーマン(故人)の平均標準報酬月額を35万円、加入期間を25年(300月(平成15年3月まで180月、平成15年4月以降120月))
  • 賞与総額を全月収の30%
  • 妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給
  • 経過的寡婦加算は含まない
対象 期間 国民年金
(自営業世帯)
厚生年金
(サラリーマン世帯)
子供のいる妻 子供3人が対象 1,303,900円/年額 1,984,448円/年額(※1)
子供2人が対象 1,229,100円/年額 1,909,648円/年額(※1)
子供1人が対象 1,004,600円/年額 1,685,148円/年額(※1)
子供の対象なし 子供のいない妻と同様
子供のいない妻 妻が40歳未満 なし 680,548円/年額
妻が40~64歳 なし 1,361,096円/年額(※2)
妻が65歳以降 780,100円/年額(※3) 1,460,648円/年額(※4)

※1 遺族基礎年金を含む金額です。
※2 中高齢寡婦加算を含む金額です。
※3 妻の老齢基礎年金の金額です。
※4 妻の老齢基礎年金を含む金額です。


遺族基礎年金の支給要件

次の(1)~(4)のいずれかに該当したとき支給されます。

ただし、(1)と(2)については死亡の前日において死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上である必要があります。

(1) 国民年金の被保険者が死亡した。
(2) かつて国民年金の被保険者で、日本国在住の人が、60歳以上65歳未満の間に死亡した。
(3) 老齢基礎年金の受給権者(受給している人)が死亡した。
(4) 老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間+免除期間)が25年以上ある人が死亡した。

老齢基礎年金の受給資格期間算出の特例

特例1 昭和5年4月1日以前に生まれた者の特例

国民年金体制が整ったのは、昭和36年4月1日であるため、昭和5年4月1日以前に生まれた者の場合、60歳までに25年の受給資格期間を満たせない可能性があるために設けられた特例です。

以下の生年月日に応じて定められた期間以上であれば、老齢基礎年金の受給資格を満たしたものとされます。

この場合、加入していた制度は問われません。

生年月日 期間
大正15.4.2~昭和2.4.1 21年
昭和2.4.2~昭和3.4.1 22年
昭和3.4.2~昭和4.4.1 23年
昭和4.4.2~昭和5.4.1 24年

特例2 被用者年金各法の期間を有する者の特例

厚生年金の被保険者期間が、以下の生年月日に応じて定められた期間以上であれば、老齢基礎年金の受給資格を満たしたものとされます。

この場合は国民年金は対象外となります。

生年月日 期間
昭和27.4.1以前 20年
昭和27.4.2~昭和28.4.1 21年
昭和28.4.2~昭和29.4.1 22年
昭和29.4.2~昭和30.4.1 23年
昭和30.4.2~昭和31.4.1 24年

特例3 厚生年金保険の中高齢者の特例

40歳(女子・坑内員・船員は35歳)に達した月以降の厚生年金の被保険者期間が、 以下の生年月日に応じて定められた期間以上であれば、老齢基礎年金の受給資格を満たしたものとされます。

ただし、女子はその期間のうち、7年6月以上は第4種被保険者または船員任意継続被保険者以外であること、坑内員・船員は10年以上は船員任意継続被保険者以外であること。

生年月日 期間
昭和22.4.1以前 15年
昭和22.4.2~昭和23.4.1 16年
昭和23.4.2~昭和24.4.1 17年
昭和24.4.2~昭和25.4.1 18年
昭和25.4.2~昭和26.4.1 19年

加入に必要な期間が25年未満に短縮される場合

(1)男性40歳、女性35歳以降の厚生年金保険の加入期間が以下の年数以上

生年月日 期間
昭和22.4.1以前 15年
昭和22.4.2~昭和23.4.1 16年
昭和23.4.2~昭和24.4.1 17年
昭和24.4.2~昭和25.4.1 18年
昭和25.4.2~昭和26.4.1 19年

(2)厚生年金保険の加入期間が以下の年数以上

生年月日 期間
昭和27.4.1以前 20年
昭和27.4.2~昭和28.4.1 21年
昭和28.4.2~昭和29.4.1 22年
昭和29.4.2~昭和30.4.1 23年
昭和30.4.2~昭和31.4.1 24年

遺族基礎年金の支給対象

遺族の範囲は、死亡当時その人により生計を維持されており、かつ次の(1)または(2)に該当する人です。

(1)の妻がいる場合、(2)の子への支給は停止されます。

つまり、子供が一定年齢に達すると、受給できなくなるということです(=ひとりでも対象年齢の子供がいれば、受給できる)。

(1) 下記(2)の子と生計を同じくする妻
(2) 18歳到達年度の末日まで(1級、2級の障害があれば20歳未満)の子

また、遺族基礎年金を受け取っていた妻が再婚したり、子供が結婚したりしたときには、受給資格や加算額の対象者の資格を失います。

遺族厚生年金の支給対象

遺族の範囲は、死亡当時その人により生計を維持されており、かつ次のいずれかに該当する人です。

支給の優先順位は、(1)>(2)>(3)>(4)です。

(1) 妻、55歳以上の夫、18歳到達年度の末日まで(1級、2級の障害があれば20歳未満)の子
(2) 55歳以上の父母
(3) 18歳到達年度の末日まで(1級、2級の障害があれば20歳未満)の孫
(4) 55歳以上の祖父母

被保険者の資格喪失後の支給

被保険者が被保険者の資格を喪失した後に、死亡した場合にも遺族厚生年金は支給されます。

ただし、死亡が被保険者期間中に初診日がある傷病によるもので、しかも死亡日が初診日から5年以内であることが必要です。

なお、いずれの場合も、保険料の滞納などで受給資格を失うことがあります。

関連事項:国民年金


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