障害給付とは

私傷病が原因で障害となったとき

国民年金または厚生年金から障害給付金が支給されます。

国民年金からは、障害基礎年金が支給され、厚生年金からは、障害厚生年金および障害手当が、それぞれ障害の程度に応じて支給されます。

障害基礎年金と障害厚生年金および障害手当

年金は障害が継続する限り、生涯受給できます。内部的な疾患も対象となります。

受給要件

(1) 初診日に厚生年金保険の被保険者であったこと※
(2) 保険料納付要件が次のいずれかであること。
  • 当該障害に係る初診日の前日において初診日に属する月の前々月までに公的年金に加入すべき期間のうち、2/3以上が保険料納付期間であったこと。
  • 初診日が平成38年4月1日前にある傷病による障害については、保険料納付期間が2/3なくても、直前の1年間に保険料滞納期間がなければ、保険料納付要件を満たしたこととされます。
(3) 障害認定日に国民年金または厚生年金保険で定める障害等級に該当していること。

※この条件から、公的年金への加入を拒否していた人が障害者になった場合は、本制度での救済が不可能になります。


給付額

障害等級1級の場合

以下の(1)~(4)の合計金額となります。

(1) 障害基礎年金1級
定額:974,125円(年額)
(2) 障害厚生年金1級
(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間月数)×1.25×スライド率
(3) 加給年金(65歳未満の配偶者)
定額:224,300円(年額)
(4) 子の加算
2人目まで・・・定額:224,300円(年額)/1人
3人目から・・・定額:74,800円(年額)/1人

(平成30年4月)

障害等級2級の場合

以下の(1)~(4)の合計金額となります。

(1) 障害基礎年金2級
定額:779,300円(年額)
(2) 障害厚生年金2級
(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間月数)×スライド率
(3) 加給年金(65歳未満の配偶者)
定額:224,300円(年額)
(4) 子の加算
2人目まで・・・定額:224,300円(年額)/1人
3人目から・・・定額:74,800円(年額)/1人

(平成30年4月)

障害等級3級の場合

障害厚生年金のみの支給となります。

障害厚生年金3級
(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間月数)×スライド率

※最低保障額 584,500円(満額の3/4)

(平成30年4月)

障害等級3級より軽い障害

一時金(障害手当金)が支給される場合があります。

最低保障は1,169,000円です(3級の障害厚生年金×200/100)。

(平成30年4月)

子の加算でいう「子」の基準

障害基礎年金を受けられる様になった時に、その人によって生計を維持されている18歳まで(18歳の誕生日後最初の3月31日が終わってない場合を含む)の子または、20歳未満で障害基礎年金に該当する程度の障害のある子です。

また障害基礎年金を受けられる様になった時に胎児であった子が出生した場合は、出生月の翌月より子の加算が行われます。


障害厚生年金は1種類しか受けられない

障害の等級が1級または2級の障害厚生年金を受けている場合に、さらに1級または2級の障害厚生年金を受けられる程度の障害が発生したときは、最初と後の障害を併せて新たに障害の程度を認定し、1つの年金として支給されます。

勤めている会社を受け持つ日本年金機構に相談し、障害厚生年金の改定請求の手続きを行ってください。


退職後に障害状態になった場合

会社を辞めた後で障害者になった場合でも、その傷病の初診日が在職中であったとしたら、障害年金が受給できます。

ですから、体調が思わしくないと自覚している場合、退職するまでに診察を受けておいた方がいいかもしれません。

たとえ、退職後に症状が重くなった場合でも、初診日が在職中であれば障害厚生年金などを受給できるかもしれないからです。


障害年金制度において「治った」状態とは

「治った」というのは、障害の程度がもとに戻ったことではなく、その原因となった疾病または傷病の症状が固定し、治療の効果が期待できない状態になったことをいいます。

たとえば、片腕を失った場合、その「治った日」とは、その傷口が治った日を指します。


障害厚生年金を受けている夫が亡くなった場合

厚生年金保険に加入中の方や、障害厚生年金の1級または2級の年金を受けている方が亡くなられたときは、亡くなられた方に生活を支えられていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。

この遺族厚生年金を受けられる遺族は、優先順位で、配偶者、子供、父母、孫、祖父母です。

妻は年齢に関係なく遺族となりますが、子供や孫は18歳に到達した以後の最初の3月31日を過ぎていないか、20歳未満で1級または2級の障害の程度であること、夫、父母、祖父母は55歳以上であることが必要です。

3級の障害年金を受けていた場合であっても、死亡の原因が障害年金を受ける原因となった傷病のときは、遺族厚生年金が支給される場合もありますので、日本年金機構へご相談ください。


学生時代に国民年金の加入手続きを怠った場合

例えば、新卒で働きはじめて数ヶ月が経った休日に、遊びに出かけた先で事故にあい、障害者になったが、学生時代に国民年金に加入していなかった場合、障害厚生年金は支給されるのでしょうか。

障害厚生年金の支給要件の一つに、障害基礎年金の保険料の納付要件を満たすことという要件があります。

そのなかに、初診日の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、その期間のうち納付済期間と免除期間が3分の2以上あること、または特例で初診日の属する日の前々月までの1年間に滞納がないことが必要です。

学生時代に国民年金の加入手続きを怠って、例えば、20歳から22歳で就職するまで保険料を納付していない(滞納している)と、就職数ヶ月後の事故では保険料納付の要件を満たさないため、障害厚生年金は支給されないことになります。


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