女性に対する前提条件

女性に対する単身赴任

女性に対する単身赴任については、そのことがただちに権利濫用にならないというだけでなく、むしろ逆に「女性は転勤させない」という扱いをすること自体、男女雇用機会均等法違反として問題にされる可能性があります(ことに昇進や職務配置に影響する場合)。


会社側の配慮も判断の分かれ目になります。

たとえば、以下のようなことなどが、裁判の判断基準のひとつになっています。

  • 転居を伴う配転の場合、社宅の提供をしている。
  • 夫婦の一方の配転によって、職を失った配偶者に対し、就職のあっせんをしている。
  • 配転に際して、会社と本人が話し合う機会を十分にとっている。

育児介護休業法による配慮義務

2002年4月1日施行の育児・介護休業法の改正により、使用者は就業場所の変更を伴う配転に関して、「就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況を配慮しなければならない(同法26条)」とされました。

また、これを受けた「指針」(平成14年厚生労働省告示第13号)は、同条に関して、養育・介護の状況の把握、労働者本人の意向の斟酌などをあげています。

従前から、重い介護負担のある労働者に対する配転を権利濫用として無効とする判例は散見されました。

今後、育児・介護休業法の改正により権利濫用とされるケースが増えると思われます。


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