訴訟の終了


訴訟手続は、判決の他、裁判上の和解、請求の放棄・認諾、訴えの取り下げなどによって終了します。

判決

判決は、裁判所が証拠調べを行った後、原告の請求が認められる、または認められないとの心証を得たときに、口頭弁論を終結して判断を下します。

判決は原則として、法廷で判決書の原本に基づいて言い渡されることになります。

判決書には、主文、当事者の主張、判断の理由等が記載され、言渡し後速やかに当事者双方に送達されます。

ただし、被告が原告の主張した事実を争わない場合など、実質的に争いがない事件については、判決書の作成に代えて、口頭弁論調書を作成することもあります。

言い渡された判決は、仮執行宣言が付された場合を除いて、確定するまでは強制執行の手続を取ることはできません。

判決書または調書判決の送達を受けてから2週間の不変期間内(送達の当日は不算入。同法第95条1項、民法第140条)に控訴しないと、判決が確定します。(民事訴訟法第285条)


和解

権利関係について原告および被告の当事者間で互いに譲り合って和解契約(民法第695条)を締結し、訴訟を終了させようとする合意で、訴訟手続中に裁判官が関与して行われるものです。

和解は訴訟手続がどの段階にあるかを問わず、確定判決と同様の効力が付与されますから(民事訴訟法第267条)、上訴は遮断され、早期の紛争解決、訴訟費用の節減などのメリットがあります。


請求の放棄・認諾

請求の放棄は、原告が自らの請求に理由がないことを認めるものであるのに対して、請求の認諾は、被告が原告の請求に理由があることを認めるものです。

請求の放棄・認諾は、口頭弁論、弁論準備手続または和解の期日で陳述しなければなりませんが、裁判所に対する意思表示なので、相手方欠席の場合でも行うことができます。

裁判所書記官が請求の放棄・認諾を口頭弁論調書に記載すると、その記載は確定判決と同一の効力を有し(民事訴訟法第267条)、給付判決における認諾調書は債務名義となります。


訴えの取り下げ

訴えの取り下げは、原告の裁判所に対する申立ての全部または一部を撤回する旨の意思表示であり、判決が確定するまで取り下げることができます。(民事訴訟法第261条1項)

訴えの取り下げによって当該訴訟は終了し、初めから訴訟が係属しなかったものとみなされ、取り下げが終局判決後になされた場合には再訴が禁止され(民事訴訟法第262条)、訴え提起による時効中断の効果も消滅します。(民法第149条)


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