セクシャルハラスメントとは

セクハラ問題はここが怖い

パワーハラスメントに性的要素が絡んだものがセクシャルハラスメントだといえます。このため、セクハラは強い者から弱い者に対して行われるケースが少なくありません。

加害者は経営者・役員等の管理職が圧倒的に多く、顧客によるセクハラもあります。

従業員間のセクハラはさほど多くありません。非正規社員や契約社員など立場の違う従業員などに対しては、正規社員からのセクハラがあります。

子供を抱えている方や退職すると就職が難しい方など、相手が弱い立場だと、セクハラの被害を受けやすくなります。

セクシャルハラスメントは、パワハラ同様、人権侵害としての要素を有しています。このため、言われた人が嫌だと感じていたことがいろいろな状況からわかるならば、セクハラであるとされます。

セクシャルハラスメントの問題が、当事者はもとより、加害者や会社にとっても深刻な結果をもたらすのは、以下の理由からです。

被害者の精神的被害が大きい

裁判を起こすと、当事者は職場に居にくくなります。それでも判決まで行くというのはよほどのことですから、かなりの件数が水面下にあるといえます。

きっかけとなったセクハラ行為がささいなものであっても、被害者の精神的なダメージが大きく、勤務継続が困難となる場合が少なからずあります。

また、そのときは一定の決着を見たとしても、次の勤務先で同じ記憶がフラッシュバックしたりして、同様に出社できない状況になる可能性もあります。

セクハラ事件の多くは、弁護士を立てての争いとなりますが、このような事情があるため、損害賠償の請求額が多大なものとならざるを得ないのです。

加害者の償いが大きい

加害者とされた人間にとっても、損害賠償の負担は重く、大きな経済的損失となります。それまでセクハラを認め、「逃げ隠れしない」と言い張っていた加害者が、賠償請求額を見せられた途端に、事実否認をするということもよくあると言います。

これに加えて、加害者の家族への精神的被害も大きいものがあり、場合によっては離婚に至ったり、そこまで行かなくても家庭内の状況が冷え切ってしまうということは容易に想像できるでしょう。

しかも、加害者とされた人は、これが原因で職を失ったり、そうでなくても遠隔地に転勤させられたりすることが、ままあります。

会社としての損失も大きい

会社は初期の段階で、問題をうやむやのまま処理しようとします。このことが事態をよりいっそう悪化させます。

被害者の弁護人は、相当額の賠償金を請求するために、会社側の対応や職場環境を問題視します。

判例には個人名は出ません(本人が実名を許可する場合を除く)が、企業名は分かってしまいます。法廷が公開なので、記録についても閲覧ができます。

会社にとっては、経済的負担以上にセクハラ判例として「○○会社事件」という名前が残ることが、大きな社会的な損失となります。

このため、多くのケースでは裁判以前の段階で和解という決着が取られると言われています。

当然のことながら、賠償金は上積みされ、会社の名誉を守るために、相当な経済的損失をこうむるわけです。

仲裁に入った者も責任が問われることもある

A市職員(セクハラ損害賠償)事件(横浜地裁 平成16.7.8)では、相談窓口の対応にも問題があるとして、慰謝料総額220万円のうち88万円(弁護士費用8万円を含む)が、苦情処理担当の課長の対応ミスの責任とされました。

こうしたことから、セクシャルハラスメントの問題については、初期の段階で適切な対応を取ることが重要になってきます。


モラルの低下とセクハラ

過剰なストレスにさらされている事業所では、いろいろな形の犯罪が起こり得ますが、メンタルヘルスの悪化した事業所でも、セクハラやパワハラなどの事例が増えてきています。

女性が安心して働けない職場は、男性にも同じことがあてはまります。

当然、生産性が低くなります。

セクハラの相談、依然高水準 企業からは減る

厚生労働省は、03年度の男女雇用機会均等法に関する相談・指導状況をまとめた。

セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)についての相談が全体の4割以上を占め、依然、職場で大きな問題になっていることがわかった。

都道府県労働局に置かれている雇用均等室への03年度の相談件数は、前年度より0.5%多い1万8,266件。

このうちセクハラに関する相談は7,403件と、3.6%減ったものの全体の40.5%を占め、最も多い。

次いで母性健康管理が18.3%、募集・採用が10.5%など。

セクハラ相談の内訳は企業からが15.9%減の1,479件と減少傾向なのに対し、女性労働者本人や家族からが5,924件とほぼ横ばい。

雇用均等室が企業に対しセクハラ防止のための対策について是正指導したのは4.3%増の5,190件に増加した。

厚労省は「セクハラ防止対策を義務付ける制度は知っていても、実際の対応はまだ追いついていない企業も多い」と話している。

(asahi.com 2004.5.29)

セクハラ行為に潜む心理

セクハラ行為を行う男性の心理には、「女はかくあるべき」「女とはこういうものだ」という性差別意識の呪縛にとらわれた上で「男と女は違う」「男はいいが、女はダメ」というダブルスタンダードに支えられる構造があります。

これと具体的に対比させると、次のようになります。

女性に対する意識 隠された心理
普通の女は派手な服装をするものではない。 だから、派手な服装は男を挑発しているのだ。
女は酒をあまり飲むべきではない。まして酔いつぶれるなどは論外である。 酒をよく飲む女はだらしがない。二次会に行くなどもってのほかだ、酔いつぶされたら何をされても仕方がない。それくらいの覚悟はあるはずだ。
女が性的な話題に関心をもつべきではない。 性的な話題に関心を示す女は、性的にふしだらだ。だから、性的な誘いをしてもいい。

※金子雅臣氏による


その行為がセクハラになるかのチェックポイント

  • その行為は、仕事を進める上で必要ですか?
  • 自分や家族が他の人からその行為をされても平気ですか?
  • 上司や家族が見ているところでその行為ができますか?
  • 自分と同性の職員に対しても、その行為をしますか?
  • 自分の家族はもちろん、上司や部下の家族にも堂々と見せられる職場環境ですか?
  • 明白な拒否はもちろん、言葉にしなくても相手の顔色や態度が変化していませんか?
  • 以前同様の行為を行い、その後相手の態度が変わったことはありませんか?

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