セクハラの対価型と環境型

対価型セクシャルハラスメント

女性労働者の意に反する性的な言動を行い、当該労働者の対応によって、当人が解雇、降格、減給など、不利益を受けること。

代償型

性的な関係を持つことを、良い成績評価等を与える条件にする。

報酬型

性的な関係を拒まれた場合、労働条件で不利益な取り扱いをする。

  • 事務所内において事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、その労働者を解雇すること。
  • 出張中の車中において上司が労働者の腰、胸等に触ったが、抵抗されたため、その女性労働者について不利益な配置転換をすること。
  • 営業所内において事業主が日頃から労働者に係る性的な事柄について公然と発言していたが、抗議されたため、その労働者を降格すること。

地位利用型

相手が断れない弱い立場であることを利用して、性的な関係を持つことをせまる。


環境型セクシャルハラスメント

労働者の意に反する性的な言動により、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その労働者が就業する上で見過ごせない程度の支障が生じること。

「平均的な労働者がどう感じるか」が、判断基準となります。

身体接触型

お尻や胸に触る、抱きつく

  • 給湯室において上司が労働者に対して抱きついてきたため、出勤するのが苦痛でつらくなっていること。
  • 事務所内において事業主が労働者の腰、胸等に度々触ったため、その労働者が苦痛に感じて、その就業意欲が低下していること。

発言型

性的な経験を尋ねる。卑猥な話をする。

  • 同僚が取引先において「性的にふしだらである」などの噂を流したため、その労働者が苦痛に感じて取引先に行くことができないこと。
  • 会社内で顔を合わせると必ず性的経験や容姿、身体に関することについて聞く労働者がおり、相手の労働者が非常に苦痛に感じていること。

視覚型

ヌードポスターの掲示。宴会で裸踊りを見せる。

  • 労働者が抗議しているにもかかわらず、事務所内にヌードポスターを掲示しているため、労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。

大阪セクハラ(S運送会社)事件 大阪地裁 平成10.12.21

職場の有志の飲み会の二次会のカラオケボックスで抱き付いたりした行為は、セクハラであり、企業が法的責任を負う。


判断が微妙なケース

いずれにせよ放置は危険

セクシャルハラスメントの形態は極めて多様で、判断が微妙な場合や、セクシャルハラスメントに至らなくても、放っておけばセクシャルハラスメントになる事例もあります。

厳密に男女雇用機会均等法上の定義にあたるか微妙な事例

  • 「職場」ではあるが、「性的言動」の面で微妙
    職場で顔をあわせる度に、「子どもはまだか。」と繰り返し尋ねる。
  • 「性的な限度」ではあるが、「職場」の面で微妙
    部下の女性を勤務時間終了後飲酒に誘い、性的な要求をする。
  • 「性的な言動」と「職場」の双方で微妙
    任意参加の歓迎会の酒席において、上司を含めた異性労働者の隣りに座ることやデュエットや、お酌の強要をする。

放置すれば就業環境が害されるおそれがあるような事例

  • 時々労働者の肩に触ったりする管理職がいる。
  • 労働者が集まると、時々異性労働者のいる前で性的な会話をすることがある。
  • 休憩時間などにしばしばヌード雑誌をこれ見よがしに読んだりする労働者がいる。

加害者が意識していないセクハラもある

加害者意識を伴わない行為、ジェンダー意識から起こるセクシャルハラスメントもあり、これに対しては職場風土の改革に地道に取り組む必要があります。

伊勢丹では、「しない・させない・みすごさない」とスローガンとして、セクシャルハラスメントを生む職場体質の改善へ向けた対応を行いました。


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