結成活動
一般的な結成活動の内容
労働組合は、経営者にとっても重要な、従業員とのコミュニケーションパイプのひとつではあるのですが、残念ながら、労働組合の結成を心から歓迎する経営者は極めてまれです。
したがって、労働組合が法人格を取得するまでは、会社には知られないように、結成活動を慎重に行うようです。
しかし、労働者の全てが労働組合の結成に賛成ということは少なく、自然と会社側に情報が入ってきたりするものです。
このため、当初の結成メンバーは、使用者側に密告しそうな従業員や、使用者から結成の動きを悟られそうな同僚に対しては、組合の結成が公表されてから加入を勧誘するなど、慎重な対応を心掛けているようです。
ただし、会社側は労働組合結成を望んでおらず、結成を阻止すべくその首謀者を特定して、労働組合結成を理由に解雇したりすると、労働組合法が禁止する不当労働行為に該当する可能性も出てきますので、対策を考えるにしても慎重に行う必要があります。
経営者が結成準備について知り、労使間のトラブルが心配される場合、労働組合の結成しようとする者は、通常以下のようなことをしてくると考えられます。
- 使用者の干渉や圧力に対して、具体的な対応策を検討する(使用者による干渉について、日時、場所、相手方、その内容などを記録される)
- 結成予定時期の再検討
- 準備会内部のコミュニケーションを強化する
- 困難を承知で、使用者に対して組合結成について要望する
- 労働相談情報センター等に相談を行う
- 地域の労働組合団体、全国組合などへ相談を行う
加入の呼びかけ
組合を結成しようとする当事者は、可能な限り多くの人を加入させようと望みますが、結成前なので表だって呼びかけができないところがあります。
したがって、あらかじめ、方法・時期・対象者等について検討し、スケジュールをたてて、慎重に事を運ぼうと努力することになります。
加入の呼びかけの手順
組合加入の呼びかけの手順としては、まず、
- 全体の従業員を把握するために、従業員名簿を作る
- 職場ごとにブロックをつくり、担当者を決める
- 友人関係を通じて勧誘する
などを行い、最終的に結成趣意書を作成し、組合加入と結成大会への参加を促してきます。
しかし、業務中に会社の資材を業務以外のことに利用したり、業務以外のことで職務に専念していないなど、服務規律に違反している可能性も出てきます。
結成趣意書
必ずしも作成しなければならないものではありませんが、企業の規模が大きいときや、職場が分散しているとき、より多くの人に加入して欲しいときなどは、結成趣意書によって参加を促すこともあります。
しかし、結成趣意書の内容や表現のしかたで、組合結成の考え方も見えてきますし、趣意書配布によって使用者は結成の動きを察知することが可能になります。