組合規約(例)
労働組合規約(例1)
第1章 総則
第1条(名称)
この組合は○○○労働組合という。
第2条(所在地)
この組合の主たる事務所を○○市○○町○○番地に置く。
第3条(目的)
この組合は組合員の労働条件の維持改善および経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする。
第4条(事業)
この組合は前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
- 団体交渉を通じて労働条件の維持改善
- 労働協約の締結、改定
- 組合員の教養、文化の向上
- 組合員並びにその家族の福利厚生共済
- 同一目的を有する他団体との協力
- その他この組合の目的達成に必要な事項
第2章 組合員
第5条(組合員の範囲)
この組合の組合員は原則として○○○会社の従業員とする。ただし、解雇する場合、係争中はこの限りではない。
また、会社の利益を代表すると認められる地位にある者などは除く。
第6条(資格の平等)
全ての組合員はいかなる場合にも、人権、宗教、性別、門地または身分により差別的取り扱いを受けることはない。
第7条(権利)
組合員は平等に、次の権利を有する。
- 組合員は全ての活動に参加し、また組合の利益を受けること。
- 組合の全ての問題に自由に意見を述べ、かつ、議決に参加すること。
- 役員に選挙され、これに就任することおよび役員を選挙すること。
- 規約に定める手続きを経ずに除名、権利停止等の処分を受けないこと。
- 会計の帳簿および組合の書類を閲覧すること。
- 役員および機関を弾劾すること。
第8条(義務)
組合員は平等に次の義務を負う。
- 規約を遵守し、機関の決定統制に従うこと。
- 所定の組合費および臨時賦課金等を納入すること。
- 組合員の資格を失ったときに組合に対する未済債務がある場合は速やかに返済すること。
第9条(加入)
この組合に加入するときは申込書に必要事項を記入し、組合に申し込み、執行委員会の承認を得なければならない。執行委員会が加入を承認したときは、書記長は速やかに組合員名簿に登録し、本人に通知しなければならない。
第10条(脱退)
組合員はこの組合を脱退するときは、その理由を明記して執行委員長に提出し、執行委員会の承認を得なければならない。
第11条(資格の喪失)
組合員は次の各項に該当した場合に、組合員たる資格を喪失する。ただし、解雇について、論争を生じた場合は、これが解決するまでその資格を失わないものとする。
- 会社と雇用関係が消滅したとき(退職)
- 第5条に規定する非組合員の地位に該当したとき
- 組合を除名されたとき
- 死亡したとき
第3章 組織
第1節 役員
第12条(種類)
この組合に次の役員を置く。
執行委員長 1 名
副執行委員長 ( )名
書記長 1 名
委員 ( )名
会計監査 ( )名
第13条(役員の権利義務)
役員は全てこの規約に定められた職務を忠実に遂行する義務を負い、その職務を他人から妨害されることなく遂行する権利を有する。
- 執行委員長
この組合を代表し、組合業務の遂行、財産の管理、その他組合に関する一切の責任を負う。 - 副執行委員長
執行委員長を補佐し、執行委員長不在時は、その職務を代行する。 - 書記長
書記長は正、副執行委員長を補佐し、会議の正確なる議事録を作成、保有し、組合の日常業務を処理する。 - 委員
委員は、常時組合員の指導に任じ、組合規約に従い組合業務を執行する。 - 会計監査
会計監査は組合の財産を監査し、必要に応じて各会議に出席して発言することができる。ただし、決議には加わらない。
第14条(役員の選挙)
組合役員は組合員の直接無記名投票によって選挙する。
第15条(役員の任期)
役員の任期は定期大会から、次期定期大会までとし、再選を妨げない。
2 役員に欠員を生じたときは補充することができる。補充役員の任期は、前任者の残任期間とする。
第2節 機関
第16条(種類)
組合に次の機関を置く。
- 大会
- 執行委員会
第17条(大会)
大会は組合の最高決議機関であって全組合員をもって構成する。
2 大会は定期大会と臨時大会とする。
3 定期大会は毎年1回○月に催し、執行委員長が期日の○日前に議案を示して召集する。
4 全組合員の3分の1以上の要求があったとき、および執行委員会が必要と認めたときは、臨時大会を召集しなければならない。
第18条(大会付議事項)
大会に付議する事項は、次のとおりとする。
- 運動方針および年度計画
- 予算案および決算報告の承認
- 役員の選挙
- 上部団体の加入および脱退
- 組合の解散
- 争議行為の開始
- 労働協約の締結および改廃
- 規約および諸規定の制定、改廃
- 組合員の懲戒
- 特設した基金の流用
- その他組合の目的達成のための必要な事項
第19条(定数)
大会は組合員の3分の2以上の出席により成立する。
第20条(議決)
大会付議事項の議決については出席組合員の過半数の賛成を要し、可否同数のときは議長が決める。
2 次の事項の議決については全組合員の直接無記名投票の過半数によって行う。
- 上部団体の加入および脱退
- 争議行為の開始
- 規約および諸規定の制定、改廃
- 組合員の懲戒
- 役員の選出および解職
3 組合の解散の議決については全組合員の直接無記名投票の4分の3によって行う。
第21条(議長の選出)
大会の議長は、そのつど役員以外の組合員より選出する。
第22条(執行委員会)
執行委員会は、組合の執行機関で会計監査を除く役員全員をもって構成し、執行業務について協議決定する。
第23条(執行委員会の召集)
執行委員会は、毎月1回執行委員長が召集して開催する。ただし、次の場合には臨時に開催することができる。
- 執行委員3分の1以上の要求があったとき。
- 執行委員長が必要と認めたとき。
第24条(緊急処理)
執行委員会は、緊急な事態が発生し、しかも大会を開催することが困難な場合は、大会の議を経ないでこれを処理することができる。ただし、次の大会においてその承認を得なければならない。
第25条(議事規則)
会議についてはこの章に定めるもののほか別に定める議事規則による。
第4章 会計
第26条(経費)
この組合の経費は組合費および寄附金その他の収入とする。寄附金を受けるときは執行委員会の承認を要する。
第27条(組合費)
この組合の組合費は月額○円とし毎月○日までに納入しなければならない。ただし、大会の決議により臨時に組合費を徴収することができる。
第28条(会計年度)
会計年度は毎年○月○日にはじまり翌年の○月○日に終わる。
第29条(闘争資金の運用)
闘争資金は大会承認を受けて運用することができる。
第30条(会計監査)
この組合の全ての会計は、会計年度ごとに書類を作成し、大会の決議によって委嘱された職業的に資格のある会計監査人の正確であるとの証明書を付して定期大会に報告し、承認を受けなければならない。
第5章 争議行為
第31条(争議)
争議行為の開始は、全組合員の直接無記名投票による過半数の賛成がなければ決定することはできない。
第6章 統制
第32条(制裁)
組合員が次の行為をしたときは、全組合員の直接無記名による過半数の決議により制裁を受ける。
- 規約および決議に違反したとき
- 組合の統制を乱した行為をしたとき
- 組合の名誉を汚したとき
- 正当な理由なく組合費を滞納したとき
2 懲戒の種類は次の三種とする。
- 戒告
- 権利停止
- 除名
第33条(弁明)
前条の決議に際して、当該組合員はあらかじめ各種機関において弁明の機会を与えられなければならない。
第34条(役員の制裁)
役員の制裁については第32条、第33条を準用する。
2 役員の制裁についての告発もしくは申請のあったときは執行委員会または大会で組合員若干名を審査委員に任命し、問題の真相を公平に審査し、その報告に基づいて制裁を決定する。
第7章 規約改正と解散
第35条(規約の改正)
規約の改正は全組合員の直接無記名投票による過半数の賛成を得なければできない。
第36条(解散)
組合の解散は全組合員の直接無記名投票による4分の3以上の賛成があったときでなければできない。
付則
第37条(細則)
この規約を実施するために必要な細則は別に作成し大会の承認を得なければ効力は生じない。
第38条(効力)
この規約は○年○月○日より施行する。
労働組合規約(例2)
第1章 総則
第1条(名称)
本組合は○○労働組合(以下「組合」という)という。
第2条(所在)
組合は事務所を東京都○○区○○町○丁目○番○号におく。
第3条(目的)
組合は団結と相互扶助の精神により組合員の労働条件を維持改善し、経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする。
第4条(事業)
組合は前条の目的を達成するために次の事業を行う。
- 組合員の労働条件の維持改善に関すること
- 組合員の福祉の増進と文化的地位の向上に関すること
- 労働協約の締結、改訂および経営民主化に関すること
- 同一の目的を有する団体との協力、提携に関すること
- その他目的達成に必要なこと
第2章 組合員
第5条(組合員)
組合員は○○会社の従業員並びに組合が承認した者によって組織する。
ただし、次の各号に該当する者は除く。
- 課長以上の職にある者
- その他組合が除外を適当と認めた者
第6条(権利)
何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地、または身分によって組合員たる資格を奪われない。
組合員は平等に次の権利を有する。
- この規約に基づき、全ての問題に参与し均等の取り扱いを受ける権利
- 組合役員その他の代表に選挙され、もしくは選挙する権利
- この規約に基づき、自由に意見を表明し議決に参加する権利
- 組合役員および機関の活動の報告を求め、または批判し解任を請求する権利
- 懲戒処分について弁明し得る権利
第7条(義務)
組合員は全て次の義務を負う。
- 規約および大会の決議に従い、機関の統制に服する義務
- 組合費および機関で決定したその他賦課金を納める義務
- 規約に基づく各会議に出席する義務
- 組合の機密をもらさない義務
第8条(加入の手続)
組合に加入するときは、所定の加入申込書に必要事項を記載のうえ、執行委員長に提出し、執行委員会の承認を得るものとする。
第9条(資格喪失)
組合員は次の場合にその資格を失う。
- 退職したとき
- 解雇されたとき
ただし、組合が解雇を正当と認めていない被解雇者については、その資格を失わない。 - 除名されたとき
- 脱退が認められたとき
- 第5条のただし書きに該当したとき
第10条(脱退の手続)
組合を脱退するときは所定の脱退届に必要な事項を記載のうえ執行委員長に提出し、執行委員会の承認を得るものとする。
脱退後は組合に対する一切の権利を失い、既納の金品は返却しない。
ただし、組合に対し債務がある場合は、それを完済した後でなければ脱退は認められない。
第3章 機関
第11条(機関の種類)
組合に次の機関をおく。
- 議決機関
ア.定期大会
イ.臨時大会
ウ.職場委員会 - 執行機関
ア.執行委員会 - 監査機関
ア.会計監事
第1節 議決機関
第12条(大会)
大会は組合の最高議決機関であって組合員全員をもって構成する。
第13条(定期大会)
定期大会は年1回○月に開催するものとし、執行委員長がこれを召集する。
第14条(臨時大会)
臨時大会は次の場合○日以内に開催するものとし、執行委員長がこれを召集する。
- 執行委員会または職場委員会が必要と認めたとき
- 組合員の3分の1以上からの連署により理由を明らかにした要求があったとき
第15条(告示)
大会の日時、場所、議題等は、開催の日から7日前に告示しなければならない。
ただし、緊急の場合はこの限りではない。
第16条(付議事項)
大会の付議事項は次のとおりとする。
- 運動方針の決定と経過報告の承認
- 綱領および規約の改廃
- 予算の決定および決算の承認
- 労働協約の締結、改正、期間の延長
- 争議行為の開始およびその終結
- 闘争資金の積立ておよび制裁
- 上部組織への加盟、脱退
- 組合員の表彰および制裁
- 役員の選任および解任
- 組合の統合および解散
- その他以上の事項に準ずる重要な事項
第17条(定足数と議決)
大会の定足数は組合員の3分の2とし、この規約の定める事項の他は出席者の過半数をもって議決する。
ただし、前条2、5の場合は、組合員の直接無記名投票を行い、2については、全組合員の、5については、有効投票数の過半数を持って決定する。
第18条(議長)
大会の議長は、組合員の中から立候補または推薦により選出する。
第19条(職場委員会)
(1)職場委員会は、大会に次ぐ議決機関であり、役員および職場単位に(5名に1名の割合で)選出された職場委員をもって構成する。
(2)職場委員会の議長は、職場委員の互選により選出する。
(3)職場委員会は、必要に応じて執行委員長が召集し、次の事項を討議する。
- 大会から次期大会までの日常活動の方針決定と経過報告
- 会計の中間報告
- 疑義を生じた規約の解釈
- 規約に基づく諸規定の決定と改廃
- その他、執行委員会が必要と認めた事項
(4)職場委員会の定足数、議決等については、大会に準ずる。
第2節 執行機関
第20条(執行委員会)
執行委員会は、大会において決定された事項および規約に定められた組合業務を執行する。
第21条(構成と招集)
執行委員会は、正副執行委員長、書記長、会計、執行委員をもって構成し、執行委員長はこれを招集する。
第22条(定足数と議決)
執行委員会は、過半数をもって成立し、出席者の3分の2をもって議決する。
第23条(専門部)
執行委員会のもとに次の専門部を置く。
- 組織部
- 教育宣伝部
- 調査部
- 文化厚生部
第4章 役員
第24条(役員)
本組合に次の役員を置く。
- 執行委員長 1名
- 副執行委員長 1名
- 書記長 1名
- 会 計 1名
- 執行委員 若干名
- 会計監査 2名
第25条(職務)
役員の職務は次のとおりとする。
- 執行委員長
本組合を代表し、業務を統轄する - 副執行委員長
委員長を補佐し、委員長不在時はその職務を代行する - 書記長
日常の業務を処理し、文書および記録の整理、保管にあたる - 会計
組合財政を司る - 執行委員
各専門部を担当し、組合業務を執行する - 会計監査
執行機関と独立して、本組合の会計業務を監査し、定期大会に報告する
第26条(任期)
各役員の任期は、大会から次期大会までとし再選を妨げない。ただし、役員中に欠員が生じたときには原則として補充選挙を行う。この場合、後任者の任期は前任者の残任期間とする。
第27条(解任)
役員が任務を怠りまたは機関の決定に反する行為をした場合は、大会において出席者の3分の2以上の賛成により解任することができる。
第5章 選挙
第28条(選挙監理委員の選出および職務)
選挙の公正を期するため選挙管理委員会を置く。この委員は○名とし、執行委員会が委嘱する。選挙監理委員は選挙に関する一切の職務を行う。
第29条(投票の方法)
各役員の選挙は、組合員の直接無記名投票によって選出する。
第6章 会計
第30条(経費)
本組合の経費は、加入金、組合費、臨時組合費、寄付金およびその他の収入をもって充てる。
第31条(組合費)
組合費は1ヶ月○○円とする。
なお、大会で必要と認められたときは臨時に組合費と徴収することができる。
第32条(会計年度)
- 全ての財産および使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人による性格であることの証明書とともに、少なくとも毎年1回組合員に公表されなければならない。
- 会計帳簿は組合員の請求があれば、いつでも公開しなければならない。
※(注)第33条として例示された文中のうち、職業的に資格がある会計監査人とは、公認会計士等のことをいいますが、小規模組合で、この規約例のとおりに履行することは無理と思われます。しかし、労働組合法で決められた要件をそなえた労働組合として資格審査をうけようとするためには、このような規約が存在していることが要求されます。
第7章 争議
第34条(同盟罷業権の行使)
同盟罷業権の行使は、組合員の直接無記名投票の過半数による決定による。
第35条(闘争委員会)
執行委員会は、職場委員会にはかり必要に応じて闘争委員会を置くことができる。
第8章 賞罰
第36条(表彰)
組合員で、組合発展のため功労があった者又は他の模範となると認められる者は、大会の決議によりこれを表彰することができる。
第37条(制裁)
組合員で次の各号に該当する者は、その情状によって大会に決議により制裁を加えることができる。
- 組合の規約又は決議に違反した者
- 組合の統制を乱し又は運営を妨げた者
- 組合の名誉をき損した者
- 組合員の義務を怠った者
- その他各号に準ずる不適当な行為のあった者
第39条(制裁の手続)
前条の制裁は、戒告および権利停止は大会出席者の過半数の賛成をもって、除名は3分の2以上の賛成をもって決定する。ただし、制裁の決定の前に必ず本人に弁明の機会を与えなければならない。
第9章 解散
第40条(解散)
本組合の解散は、全組合員の直接無記名投票を行い、全組合員の4分の3以上の賛成をもって決定する。
第10章 規約の改廃
第41条(規約の改廃)
本規約は全組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改廃することができない。
附則
本規約は、○年○月○日より施行する。