労働組合の対応
妥決する場合
交渉委員は、交渉に際して妥結する権限を与えられて交渉に臨んでいますが、この場合であっても妥結の内容について、組合大会等で十分討議して賛成を得るのが民主的な労働組合の運営だと思われます。
労働組合が使用者との交渉により、その内容に一致をみたときは、後日に紛争が生じることのないように労働協約書を作成することが重要です。
交渉が決裂した場合
労働組合は、使用者との交渉を通じて労働条件の維持改善等を図っていく課程において、自らの主張を貫徹するために、同盟罷業(ストライキ)等の圧力手段を用いて争議行為を行おうとします。
これは、正当な争議行為であれば、労働者・労働組合の権利として認められているからです。
使用者が合同労組の交渉を拒否したら
合同労働組合が手順を踏んで交渉を申し込んできたときに、正当な理由なく使用者が交渉を拒否すれば不当労働行為となる可能性があります。
この場合、労働委員会への斡旋や不当労働行為救済申立をしてくることが考えられます。
争議に当たっての心構え
労働組合が、ストライキ等の争議行為を行うことになった場合でも、双方にとって紛争は早期に解決することが望まれます。
以下のような紛争を解決するための心構えが大切と思われます。
(1) | 争議中でも、問題解決の糸口を見つけるために、団体交渉を続ける努力が必要。 |
(2) | 労使の団交連絡窓口を明確にし、接触を保っておくことが大切。 こうすることにより、進展状況によって団交を再開し、あるいは第三者の調整による解決の道も開けます。 |
(3) | 労使とも相手を過度に刺激するようなことはしないこと。 争議解決後、早急に正常な状態に戻ることができるからです。もちろんどんな場合でも、暴力行為は双方ともに絶対にいけません。 |
(4) | 事前に労使間で争議行為のルールを労働協約であらかじめ決めておくことが重要。 争議行為を決行するについて、相手方への事前通告の配慮、人命に対する危害予防、もしくは衛生上必要な施設維持のための方策を決めておくことが、争議時はもとより、争議解決後の無用なトラブルを回避する上で大切だからです。 |
労使間の紛争は、自主的に解決することが原則ですが、労使だけでは解決できない場合には、労働委員会のあっせん、調停、仲裁や労働行政機関等の協力で解決を図るという方法もあります。