未払賃金立替払制度
未払賃金立替払制度の概要
企業が「倒産」したために、賃金が支払われないまま退職した労働者に対し、未払賃金の一定範囲(総額の80%限度)を、労働者健康安全機構が事業主に代わって支払う制度。
立替払の額
未払額の8割を立て替える
立替払をする額は、「未払賃金の総額」の100分の80(非課税です)。
限度額は以下の通り。(平成14.1.1 より適用)
退職日の年齢 | 未払賃金の限度額 | 立替払の上限額 |
---|---|---|
45歳以上 | 370万円 | 296万円 |
30歳以上45歳未満 | 220万円 | 176万円 |
30歳未満 | 110万円 | 88万円 |
退職日の年齢によって、限度額に大きな差が出ることになります。
立替払を受けることができる人
倒産等の日と退職日との関係がポイントになります。
条件1:事業所が労災適用事業所で開業後1年以上
労災保険の適用事業で1年以上事業活動を行ってきた企業に「労働者」として雇用されてきている企業の倒産に伴い退職していること。
会社または法人の登記簿に役員として登記されていた人は基本的に該当しません。
また、労災保険の適用事業所であるということは、実際に労災保険の支払いが行われていたかどうかとは無関係です。
対象に該当し、1年以上事業活動を続けていればいいということになりますから、ほとんどの事業所はこれに該当します。
しかし、企業を起こして、すぐ突然に倒産という場合は、対象となりません。
条件2:未払賃金は2万円以上
「未払賃金(2万円以上)」が残っている人。
条件3:退職日から6ケ月以内に申請
中小企業ならば、「事実上倒産している」と労働基準監督署長が判断すれば、本制度の適用を受けますが、その際の基準となるのが申請日です。
1日でも遅くなれば、対象となりません。したがって、申請をきちんとしておくことが、非常に重要になります。
条件4:退職日が申請日の6ヶ月前から2年以内
破産の申立日・倒産の事実認定申請日の6ヶ月前の日を起算日として2年以内にその企業を退職した人。
期日内に申請を忘れると、立て替え払いしてもらえなくなります。

※例えば、3月31日に退職した労働者の場合、9月30日までに申請する必要があります。
この6ヶ月間を排斥期間といいます。
早くもらいたいばかりに、申請日を前倒ししようとすれば、不正受給となります。
倒産が確実視されることを会社が認めない場合
その段階であっても、労基署に相談に行く方が、後々の事務処理がスムーズに行くことがあります。
倒産してから申請したら、対象期間を過ぎていたということもありえます。
認定決定から2年以内に確認申請をする
認定が決定されると認定通知が申請者に送付されます。同時に労働者健康安全機構に向けても、この企業は認定したという連絡が行われます。
破産宣告等(事実上の倒産の認定)の日から2年以内に立替を請求しなければならなりません。
外国人実習生の場合
海外送金も可能ですので、まずは労基署に相談してください。