外国人と脱退一時金
帰国前に手続きを行う
6ヶ月以上保険料等を納めていた外国人は、国民年金もしくは厚生年金から脱退一時金を受給できます。
受給のための条件
(1) | 日本国籍を有していない |
(2) | 国民年金の第1号被保険者としての保険料を納めた月数(4分の3納付月数は4分の3月、半額納付月数は2分の1月、4分の1納付月数は4分の1月として計算)の合算が6月以上、又は厚生年金の被保険者期間の月数が6月以上ある |
(3) | 日本に住所を有していない |
(4) | 老齢基礎年金の受給期間を満たしておらず、また障害基礎年金その他の障害給付の受給権も有したことがない |
脱退一時金の支給を希望される方は、帰国後2年以内に請求書に必要書類を添付して、日本年金機構に郵送してください。
最後の被保険者資格喪失から2年を経過してしまうと、受けられなくなります。
日本年金機構
〒168-8505
東京都杉並区高井戸西3-5-24
「ねんきんダイヤル」
tel.0570-05-1165
Fax.03-3335-6304
具体的には、裁定請求書に必要事項を記入し、年金手帳、出国証印の押されたパスポートの写し、銀行名、口座名が確認できるものを添付して、日本年金機構あてに送ります。
添付書類は、以下の通りです。
- パスポート(旅券)の写し(最後に日本を出国した年月日、氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格が確認できるページ)
- 「銀行名」、「支店名」、「支店の所在地」、「口座番号」及び「請求者本人の口座名義」であることが確認できる書類(銀行が発行した証明書等。または、「銀行の口座証明印」の欄に銀行の証明を受けてください。)
- 年金手帳
手続きは、帰国前に日本年金機構から脱退一時金請求用紙を受け取り、資格喪失届を会社から日本年金機構に出します(帰国後2年以内)。
ただし、支払った保険料のごく一部しか戻らないことに注意する必要があります。
請求に必要な用紙は日本年金機構または社会保険事務局の事務所、市町村及び各自治体の国際化協会などに用意されています。
支給額
国民年金
国民年金の場合、保険料納付済期間の区分によって、定額です。
保険料納付済期間 | 受給金額 |
---|---|
6ヶ月以上12ヶ月未満 | 46,770円 |
12ヶ月以上18ヶ月未満 | 93,540円 |
18ヶ月以上24ヶ月未満 | 140,310円 |
24ヶ月以上30ヶ月未満 | 187,080円 |
30ヶ月以上36ヶ月未満 | 233,850円 |
36ヶ月以上 | 280,620円 |
(注)平成28年度価格
厚生年金
厚生年金の場合の脱退一時金は、基準となる標準報酬額(賞与分を加味)を算定した上で、次の表の係数を乗じて計算します。
平成15年4月から総報酬制が導入されたため、報酬月額の乗率が異なります。
保険料納付済期間 | 受給金額 |
---|---|
6ヶ月以上12ヶ月未満 | 平均標準報酬月額×支給率(対象保険料率×0.5×6) |
12ヶ月以上18ヶ月未満 | 平均標準報酬月額×支給率(対象保険料率×0.5×12) |
18ヶ月以上24ヶ月未満 | 平均標準報酬月額×支給率(対象保険料率×0.5×18) |
24ヶ月以上30ヶ月未満 | 平均標準報酬月額×支給率(対象保険料率×0.5×24) |
30ヶ月以上36ヶ月未満 | 平均標準報酬月額×支給率(対象保険料率×0.5×30) |
36ヶ月以上 | 平均標準報酬月額×支給率(対象保険料率×0.5×36) |
※対象保険料率は、被保険者の資格を喪失した日の属する前月(最終月)によって異なります。
- 最終月が1月~8月のとき→前々年の10月の保険料率
- 最終月が9月~12月のとき→前年10月の保険料率
2国間協定がある国もある
年金の掛け捨てや二重加入の問題に対処するため、ドイツやイギリスと日本との間には2国間協定が結ばれ、一定期間滞在するだけの者については年金加入を免除されることが可能となっています(通算規定が適用されることもあります)。
このような協定を結ぶ国は今後増加が見込まれます。
現在の各国との協定締結状況は次の通りです。
発行済 | ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー |
署名済(準備中) | イタリア、インド、ルクセンブルグ、フィリピン |
交渉中 | スウェーデン、中国、トルコ、スロバキア |
交渉準備中 | フィンランド、オーストリア |