留学生・就学生の場合の在留資格

留学・就学生の稼働時間

種別 対象 1週間の稼働時間 長期休暇期間の稼働時間
留学生 大学生・大学院生 28時間 1日8時間以内
聴講生・研究生・履修生 28時間 1日8時間以内
専門学校・高等専門学校生 28時間 1日8時間以内

資格外活動の許可を得れば、「留学」の在留資格をもって在留する外国人の方については、原則として1週28時間まで就労することが可能となります。

また、「留学」の在留資格をもって在留する外国人の方は、その方が在籍する教育機関が夏休み等の長期休業期間中については、1日8時間まで就労することが可能となります。これらの就労は包括的に許可されますが、教育機関の長期休業期間等、具体的な許可の範囲については、「資格外活動許可書」により確認することができます。

事業主の方は、これらの在留資格を有する方を雇用する際には、事前に「資格外活動許可書」により就労の可否及び就労可能な時間数を確認してください。

資格外活動の許可を受けずにアルバイトに従事した場合は、不法就労となりますので注意が必要です。

会社が就労資格のない外国人留学生を雇入れ、就労させると、会社にも罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が課せられることがあります。

なお、「資格外活動許可」は、風俗営業等では認められません。実際の業務が皿洗い等であっても、事業所が風俗関係だと、許可されません。


「留学」と「就学」の一本化

入管法の改正により、在留資格の「留学」と「就学」の区分をなくし、「留学」の在留資格に一本化されました。

なお、活動内容に変更がなければ、現在「就学」の在留資格を有する学生の方が「留学」に変更する必要はありません。


資格外活動許可を得るための手続き

外国人が現に有する在留資格の活動のほかに、収入を伴う活動を行おうとする場合には、あらかじめ法務大臣の資格外活動の許可を受ける必要があります。

この許可は、本来の在留資格に属する活動を阻害しない範囲で付与されます。

平成2年6月の出入国管理及び難民認定法の改訂により、留学生がアルバイトをする場合には「資格外活動」の許可が必要となりました。

資格外活動許可書の交付を受けるためには、次の手続きが必要です。

  1. 各地方入国管理官署で、「資格外活動許可申請書」(用紙)を入手する。
    入国管理局のホームページからも入手可能です。
    http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-8.html
  2. 留学生が在籍する大学・短期大学の窓口で「資格外活動許可申請書」の提出と、「在留カード」の提示を行い、在籍大学・短期大学の許可を得る。
  3. 居住地を管轄する地方入国管理官署へ行き、「資格外活動許可申請書」と「雇用契約書」などの仕事の内容が分かる書類を提出し、「在留カード」やパスポートを提示し、許可を申請する。
  4. 後日、入国管理局が発行する「資格外活動許可書」を大学で受け取る。

なお、この資格外活動許可は、留学生・就学生については、勤務先等を特定することなく事前に申請することができますが、「家族滞在」等の就労できない在留資格の外国人は、就労先が内定した段階で申請することになります。

この場合の「資格外活動許可」は留学生・就学生とは異なり、事前に勤務先や仕事内容を届けた上で審査され、許可または不許可となります。

資格外許可を受けるための条件

留学生の資格外活動が許可されるためには、以下の条件がつけられています。

(1) 本来の活動(学業)を阻害しないものであること
(2) 留学中の学費その他必要経費を補う目的で行うこと
(3) 風俗営業または風俗関連営業が営まれている営業所で行うものでないこと
(4) 学生のアルバイトとしてふさわしい、健全な業務(単純労働を含む)であること

外国人留学生をアルバイトとして雇用するためには

外国人留学生をアルバイトとして雇用するためのポイントは以下の通りです。

  1. 「旅券(パスポート)」または「在留カード」にて、在留資格および在留期間を確認する
  2. 「資格外活動許可書」を確認して、資格外活動許可の就労時間および許可期限を確認する
  3. 資格外活動許可の就労時間の範囲で就労させること

制限時間を超えると

上記の制限時間を超えると、処罰の対象となり、最悪の場合、強制退去の対象となります。

雇用主が資格外許可を得ていない外国人を就労させた、あるいは許可されている時間以上に就労させた場合は、出入国管理及び難民認定法73条の2によって、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

中国人女子留学生の収容停止 ~東京地裁が異例の決定~

飲食店で無届けのアルバイトをして東京入国管理局に身柄を拘束され強制退去処分を受けた中国人女子留学生(25)について、東京地裁の藤山雅行裁判長は17日、「処分を受ければ学業を断念せざるを得ず、収容を解く必要性が高い」として強制送還と収容を停止する異例の決定をした。

留学生は、学費を得るためのアルバイトなのに「偽装留学生」扱いされたとして、法相を相手に裁決の取り消しを求める訴えを同地裁に起こしている。

藤山裁判長は、1審判決が出るまでの国外退去などの執行を停止した外国人に、日本での生活を続けながら裁判を受けることを保障する判断として注目される。

決定は、「強制送還すれば本裁判で勝訴しても元の留学生には戻れない」と指摘。

「勝訴した場合には金銭賠償を受ければいいとの従来の考え方は、個人の人格の尊厳を基調とする憲法の理念に反する」と踏み込んだ。

決定によると、留学生は東京都内に住んで首都圏の大学に通う2年生。入学成績が良く、大学の奨学生になり、今年から文科省の奨学金も決まっていた。

学費を稼ごうと一時的に新宿・歌舞伎町の飲食店でアルバイトをした際、接客もしている店だったため働くには届け出が必要だったが怠っていた。

東京入管側は「留学の必要経費を日本での労働に頼っていれば、留学の在留資格外の活動だ」と主張したが、決定は「留学生の多い東アジア諸国の所得水準に照らすと厳し過ぎる」と指摘。「専ら資格外の活動をしていたかどうかは現段階で明らかでなく、逃亡の恐れもない」として、後期の授業が始まる前に収容停止を決定した。

茨城県牛久市の東日本入国管理センターを約3ヶ月半ぶりに出た留学生は「後期の授業に間に合って本当に良かった」と話した。

法務省のまとめでは、昨年1年間で強制退去処分を受けた外国人は4万1935人。このうち無届けアルバイトなど資格外活動が理由になったのは850人。

法務省入国管理局の話

主張が認められず残念だ。即時抗告するかどうか検討したい。

(.asahi.com 2003.9.18)

不法入国の罰金上限300万円に 抑止狙い10倍増検討

法務省は外国人の不法滞在や不法入国に厳しく臨むため、罰金刑の上限を大幅に引き上げる方針を固めた。不法滞在の抑止効果が狙い。

現行の30万円を10倍の300万円にする案を軸に検討しており、19日に召集する通常国会に出入国管理法改正案を提出する。

同省は、不法滞在の外国人が約25万人と推計。

昨年末に決定した政府の「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」で、こうした外国人の存在がピッキング盗などの犯罪の温床になっていると指摘し、今後5年間で半減させると掲げた。

現行の入管法では、不法入国や不法残留、在留資格外活動などをすると3年以下の懲役・禁固、30万円以下の罰金を科される。

罰金の上限は81年に10万円から30万円に引き上げられて以降据え置かれ、「低すぎて、不法滞在をして金を稼ぐことの抑止になっていない」との指摘がある。

このほか、留学生として在留が認められたのに学校に行かず盛り場で働いているなど、在留資格とかけ離れた生活をしている場合は、在留期間内でも在留資格を取り消せる制度を新設する。

(asahi.com 2004.1.15)

不法滞在外国人の情報提供、メールで受け付け 法務省

約25万人と推定される不法滞在外国人の摘発を進めるため、法務省入国管理局は16日から電子メールによる情報提供を受け付ける。

同局のホームページ上にある情報受け付け用の書式に、超過滞在や密入国の疑いがある人の名前や働いている場所、本人を特定できる情報などを書き込むと、電子メールとして自動的に管轄の地方入国管理局に送信される。

情報提供者の名前などを記載する場所もあるが、匿名でもよい。

入管当局はこれまで情報提供を積極的に市民に求めてこなかったが、5年間で不法滞在者を半減させる政策を掲げたこともあり、方針転換した。

(asahi.com 2004.2.15)


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