在留資格の更新と変更
在留資格の更新
状況に変化がなければ認められる
日本に在留している外国人が在留期間を経過した後も日本に同一目的をもって滞在することを希望する場合には、在留資格の更新を申請することができます。(入管法21条)
最初に在留資格が与えられたとき、あるいは以前の更新時と申請者の事情が大きな変更がない場合は、更新はおおむね認められます。
在留資格の更新を許可する場合には、パスポートに在留期間・在留資格・許可年月日などを記載した「在留資格更新許可」の認証がなされます。
出入国管理及び難民認定法上、在留期間の更新申請は在留期間内に行えばよいことになっており、在留期間内に許可するか否かの結果がでない場合もあるようです。
この場合、結果がでるまでの間は従来の在留資格が継続しているものと考えて、引き続き雇用しても不法就労とは扱われません。更新申請をしている場合は、旅券に「申請APPLICATION」の旨の入国管理局のスタンプが押されています。
なお、更新が許可されなかった場合は、それ以降は就労(雇用)できませんのでご注意ください。
更新申請の必要書類(立証資料)例
(在留資格「人文知識・国際業務」の場合)
活動の内容、期間及び地位を証する文書
イ 前回の申請から活動の内容、地位が継続している場合・・・・在職証明書等
ロ 前回の申請から活動の内容、地位が変更している場合・・・・新たな契約書の写し等(内容、期間、地位、報酬の記載のあるもの)
年間の収入及び納税額に関する証明書・・・・源泉徴収票又は確定申告書の写し等
認められた事例
- (1) 技術→技術
- 「留学」から「技術」への在留資格が許可され、コンピュータ技術者としてA会社に就職していた。
在留期間更新を申請したところ、A会社は本人の退職を希望し給与も月額25万円未満で低額であるため、更新許可が困難であると判断し、いったん取り下げた。
申請人は5月に出産予定で担当官から就労不能でないかと指摘されたが、B会社にコンピュータ技術者として就職し在留するため、再度「技術」の在留期間の更新申請をしたところ許可された。 - (2) 就学→就学
- 「短期滞在」資格で妻とともに入国。
妻が妊娠中で夫も妻の面倒を見るため滞在の必要があり両名の在留期間更新を申請。
妻は90日の更新許可取得。夫は2週間の更新許可しかされなかった。
しかし、その後夫が重症の糖尿病になり入院。「短期滞在」資格の期間更新が認められた。 - 「就学」の資格で就学中、更新のため出頭した際、飲食店でアルバイトしていたとの理由で帰国するように担当官からいわれた。
「アルバイトは他人に勧められて行ったもので、不法就労に該当するようなものではなく、現在はやめてもっぱら就学している」旨説明し、再考を申し入れたところ更新が認められた。 - 「就学」の資格で在留期間更新申請をしたところ売春行為があるということで不許可とされた。
そのような事実はなく、それは離婚を求めている夫からの中傷の情報であること、申請者がまじめな生活歴をもっており、日本で勉学の成績を着実に上げていること、保証人の収入・家計などについて説明して、更新許可を得た。
在留資格の変更
短期滞在から他の在留資格への変更は、原則、認められない
短期滞在から他の在留資格への変更は、できません。
どうしても変更したい場合には、いったん出国し、外国にある日本の大使館や領事館等の在外公館に入国目的に対応する査証の発給申請を行い、その発給(旅券に認印の押印)を受けた上で日本に入国しなければなりません。
短期滞在中に、本人または雇用主が「在留資格認定証明書」の交付を申請することは可能ですが、滞在期間を超えて滞在することはできません。
他の就労資格への変更も簡単には認められない
「技術」としての在留資格を持つ国人を、当初予定していた以外の仕事につけることは、原則としては許されません。 在留資格の変更が必要です。
変更できるときの手続き
在留資格の変更のためには、以下の書類を添えて、地方入国管理局の審査を受ける必要があります(変更は簡単には認められません)。
- 旅券・外国人登録証明書
- 在留資格変更許可申請書
- 申請理由書
- 新しく行おうとする活動など具体的に証明する文書(雇用契約書、会社の経歴書・登記簿謄本、外国人の雇用を必要とする具体的な理由を証明する文書等)
- 身元保証書等
在留資格変更許可申請の必要書類(立証資料)例
●在留資格「人文知識・国際業務」へ変更の場合
- 商業・法人登記簿謄本及び損益計算書の写し
- 会社案内等事業内容を明らかにする資料
- 履歴書及び卒業証明書、職歴証明書等
- 雇用契約書等(活動の内容、期間、地位及び報酬の記載のあるもの)
変更手続きは誰がするのか
外国人の在留資格の変更や在留期間の更新申請の手続きは、原則として、本人が地方入国管理局等に出頭して申請する必要があります。
本人が16歳未満の年少者である場合や身体の疾病その他の事由のため自ら出頭できない場合には、父母、配偶者、監護者又はその他の同居人が本人に代わって申請をすることができます。
なお、出入国管理行政に通暁している職員がいる企業、学校等で法務大臣が適当と認める機関は、所属する外国人に代わって申請を行うことができます。
また、法務大臣が認める行政書士を通じて申請を行うことも可能です。
詳細については地方入国管理局へおたずねください。
参考:東京都行政書士会 tel. 03(3477)2881
その他
なお、一時的なアルバイト等は、資格外活動として認められることがあります。
また、就労を目的とした在留資格ではありませんが、日本人と結婚したため、「日本人の配偶者等」に変更される等身身分変更に基づく在留資格の変更については、「やむを得ない特別の事情」があると判断される場合には、許可される場合があります。
変更が認められた事例
- (1) 就学→留学
- 「留学先の専門学校は学校設備についての認可届出はしているけれども、コンピュータ履修専門課程としての認可は受けていない。また、外国人の数が日本人に比べて多すぎる」などの理由でいったんは不許可になった事例。
(1)留学の必要性、(2)学習に必要な日本語能力を備えている、(3)本国の親族からの仕送りにより生活費を支えることができるなどの上申書を提出し、許可。 - (2) 日本人の配偶者→定住者
- 日本での生活27年、子供たちは日本国籍で、日本で独立して生活しており、中国に家族も家もなく、婚姻関係は破綻し約18年間別居しているが離婚はしていない。
「日本人の配偶者等」の在留期間更新は認められなかったが、「定住者」資格への更新が認められた。 - 日本での生活8年余り、3年半実質的婚姻生活、その後離婚し1人で生活を維持、生活の基盤は日本にあり支えとなる日本人男性がいる。子供はいない。「定住者」資格が認められた。
- (3) 日本人の配偶者等→短期滞在→定住者
- 当初「日本人の配偶者等」として更新手続。この申請時点で在日歴は8年。日本生まれの日本国籍の子供が小学校在学中。
その後、「日本人の配偶者等」の更新手続に、夫の協力が得られず必要書類の追加ができないため更新は難しいので取り下げて短期滞在を2回更新。
子供の親権者を申請人とする離婚が成立。「定住者」資格(期間1年間)を取得した。 - (4) 日本人の配偶者等→留学生
- 「日本人の配偶者等」の資格を有していたが、日本人女性と離婚。
その後、専門学校に留学し「留学」への在留資格変更を申請し、その手続中母国の母が死亡し、父が危篤状態となったので、早期に帰国するする必要性が生じた。
手続きのまま帰国すると再入国が困難となるので、早期に「留学」への変更許可を求め交渉したところ、速やかに変更が認められ再入国許可も得ることができた。
手続一覧
(1) | 一時的に出国したい | 再入国許可 |
(2) | 留学生だが、アルバイトがしたい | 資格外活動許可 |
(3) | 許可された在留期間を延長したい | 在留期間更新 |
(4) | 日本人と結婚した | 在留資格変更 |
(5) | 外国人夫婦に子どもが生まれた | 在留資格を取得 |
(6) | このまま一生、日本にいたい | 永住許可 |
(7) | 就職先から働く許可を明示しろといわれた | 就労資格証明書 |