労働者性判断の基本原則

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労働者性判断の基本原則


実態に注目

(1) 労働基準法は、契約の形式にとらわれず、労働関係の実態に則して判断して適用される。
(2) 実態として事業に「使用され」かつ賃金を支払われていると認められれば、労基法上の「労働者」である。

労働者性

保険会社外務員、セールスマン、傭車運転手やバイク便の運転手、俳優・楽団員などの芸能関係者、翻訳・ワープロなどの在宅勤務者などの契約は、「雇傭」ではなく「委任」または「請負」形式の契約がとられていることが多いようです。

そこでは、報酬は少額の保障給部分があるほかは成績に比例して歩合給や出来高払いによって支払われ、労働時間や就業場所の拘束が少なく、就業規則の適用が排除され、労働保険にも加入しないという取扱いがなされています。

こうした契約形態にある労務提供者が「労働者」にあたるかは、契約の形式(形態)によって決められるのではなく、労働関係の実態において事業に「使用」されかつ賃金を支払われているか否かによって決められます。

また、労働基準法上の「労働者」概念は、どのような者に労働基準法による保護を及ぼすべきかという観点から定義されたもので、最低賃金法・労働安全衛生法・労災保険法などの労基法関連法の「労働者概念」ともなっています。

また、労働契約法理の摘要を受ける労働者は、労基法上の労働者と原則として同一と考えられています。

なお、労働組合法上の「労働者」概念は、団体交渉助成のため労組法の保護を及ぼすべき者はいかなる者かという観点から定められた概念で、労基法のそれとは異なっています(労組法の労働者には失業者が含まれますが、労基法には含まれません)。


雇用契約と労働契約

民法上の雇用契約とは、雇われる者が雇い主に対して労務に従うことを約束し、雇い主がその対価として報酬を支払うことを約束することによって成立する契約をいいます(民法第623条)。

一方、労働契約は、必ずしもこの民法上の契約分類にはよらず、労働基準法第9条に規定する「労働者」と締結する契約をいうと解されているため、契約の形式に関係なく、相手が「労働者」に該当するときは、その契約は労働契約と見なされることになります。

ちなみに、労働基準法第9条でいう労働者は、「事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義しています。

そのため労働契約の概念は広く、民法でいう雇用契約はもちろん、表面上請負契約や業務委託契約(準委任契約)であっても、相手方が労働者としての実態を備えているときは、労働契約とされます。


「事業に使用されている者」であるか否かの判断基準

(1) 仕事の依頼、業務従事の指示などに対する許諾の自由の有無
(2) 業務遂行上の指揮監督の有無
(3) 拘束性の有無
(4) 代替性の有無

(労働基準研究会報告 昭和60.12.10)


「賃金を支払われる者」であるか否かの判断基準

(1) 報酬の性格が使用者の指揮監督の下に一定時間、労務を提供していることに対する対価と判断される
(例)
(1)報酬が時間給を基礎として計算されるなど、労働の結果による格差が少ない
(2)欠勤した場合は応分の報酬が控除され、残業などした場合には、通常の報酬とは別の手当てが支給される

(労働基準研究会報告 昭和60.12.10)


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