辞めた社員の私物の処理について

辞めた社員が私物を持ち帰らない場合は文書で警告

社員が退職または解雇された場合に、いつまでも私物を持ち帰らないということがあります。

会社には施設を管理する権限がありますので、社員が退職後いつまでも会社の机やロッカーを占拠している状態を放置しておくことはできません。

まずは、その社員に対し、私物が残っている旨、さらにいつまでに引き取りに来てほしい旨、文書で(トラブルが予測される場合は内容証明が好ましい)通知すべきです。

引き取りに来た場合は、「私は会社内の私物をすべて引き取りました。会社内に私の私物は他にありません」という確認のための覚え書きを交わしておくと確実です。

社員が私物を自宅に送ってほしい旨を要望した場合は、その費用はその者の負担でかまいません。

この場合も、社員から私物が残存しない旨の確認する文書を別途郵送して返送してもらうなどの方法で、取り交わしておくのが確実といえます。

私物とはいえ、いきなり本人宅に送付することは問題があります。文書により再三の警告を繰り返すことが肝要といえます。

再三にわたり要求したにもかかわらず、取りに来ない場合は、再度「いつまでに私物を引き取ってほしい。いつまでに来ない場合には、あなたの承認があったものとみなして貴宅に送付する」という文書を送付し、この文書にもかかわらず返答しない場合は、その自宅に私物を送付することになります。

元従業員が、あくまでも私物の引き取りを拒んだ場合は、私物を執行官に保管させるなどの仮処分を実施するか、会社施設の所有権ないし施設管理権に基づく妨害排除請求の訴訟を提起することとなります。


入社時に指定させておく

入社時に従業員から清算金等の受取りの使者=代行者として、同居の親族等を指定させておき、これを書面で残しておけば、このような場合に、供託等の手続や保管責任の問題の発生を予防することができます。


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