複数の労働組合があった場合の昇格差別

昇任については労働委員会の救済にも限界がある

組合が並立する場合、あるいは、組合員と非組合員が並立する場合に、昇進昇格に関して、行ったり行われなかったりすることは、労働組合法7条1号の不利益取扱として、不当労働行為であると主張される可能性があります。

組合員を昇進させないことが不当労働行為に該当するというためには、「当該組合員が他の昇任した者と比較して、前記昇任資格の具備につき劣っていないことが積極的に認められなければならない」とされています。

また、仮にこれが認められたとしても、その救済として労働委員会が救済命令として出せるのは、「組合員であることを理由に昇任につき差別をしてはならないことを一般的に命じるのが限度」です。

これを超えて、各個人について、一定の地位に昇任させるべきかどうかを云々することは、企業の人事権を侵害し、労働委員会の裁量の限度を超えるとされています。


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