中小企業退職金共済制度の特色について
企業に掛け金は戻らない
国の出資する「独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部」が運営していますので、比較的安心です。
確定給付型の企業年金のように、資産運用が悪化しても掛け金の増額は発生しません。
退職金は直接従業員に支払われ、企業に掛け金は戻りません。
ただし、従業員の同意があれば、掛け金の減額変更はできます。
掛金の1/2を1年間、国が助成
新しく中退共制度に加入する事業主に対しては、掛金の1/2(上限5,000円)を、加入後4か月目から1年間、国が助成します。
※適格年金からの移行の場合は、新規加入掛金助成の対象にはなりません。
掛金月額が18,000円以下の従業員の掛金を増額する事業主には、増額分の1/3を、増額月から1年間、国が助成します。
パートタイマー等短時間労働者の特例掛金(2,000円、3,000円、4,000円)には、掛金の1/2の額にそれぞれ300円、400円、500円が上乗せされます。
※適格年金からの移行の場合は、新規加入掛金助成の対象にはなりません。
損金扱いで全額非課税
中退共制度の掛金は、法人企業の場合は損金(法人税法施行令第135条第1号)として、また、個人企業の場合は必要経費(所得税法施行令第64条第2項)として、全額非課税扱いとなります。
退職給付債務が発生しないので、会計上の引当金を計上する必要もありません。
※資本金または出資金が1億円を超える法人事業税には、平成16年4月1日より外形標準課税が導入されましたので、ご留意ください。
転職しても期間を通算
加入企業から他の企業に転職した場合、転職先企業が中退共制度に加入していれば、加入期間を通算することができます。また、特定退職金共済制度、特定業種退職金共済制度とも通算できます。
従業員の企業間移動の頻度が高くなった今日、優秀な人材確保のためには有利な制度となっています。
新たに加入する場合は、条件付で加入前の勤務期間もさかのぼって通算できます。
※適格年金のからの移行する従業員については、過去の通算はできません。
管理が簡単
加入後も面倒な手続きや事務処理がなく、管理が簡単です。
また、掛金は口座振替で納付するので手間もかかりません。
管理が簡単
確定給付企業年金法の施行に伴い、適格年金制度は、平成24年3月末までに他の制度に移行するなどの対応が必要となりました。
中退共もその移行先のひとつとなっています。