退職金規定の作成例について
社内準備制度の例
退職金規程
(目的)
第1条
この規程は就業規則第○条にもとづき、従業員の退職金に関する支給条件及び支給基準を定めることを目的とする。
(適用範囲)
第2条
この規程の適用をうける従業員とは、会社と所定の手続きを経て労働契約を締結した者をいう。
ただし、次の者には適用しない。
(1) 定年退職後に再雇用される者
(2) 日々雇入れられる者
(3) 期間を限って臨時に雇入れられる者
2 1年以上継続雇用されるパートタイマーについては、この規程によらず、パートタイマー退職金規程の定めるところによる。
(退職金の支給額)
第3条
支給する退職金は、退職金算定基礎額に次の各項による支給率を乗じて得た額とする。
2 勤続年数1年以上の者が次の各号の一に該当し、退職する場合には別表(a)欄の支給率を乗じて得た額とする。
(1) 就業規則第○条の規定にもとづく定年退職
(2) 就業規則第○条の規定にもとづく業務外の死傷病による退職
(3) 就業規則第○条の規定にもとづく休職期間満了による退職
(4) 役員に就任するとき
3 勤続年数1年以上の者が次の各号の一に該当し、退職する場合には、別表(a)欄の支給率を乗じて得た額の3割増しとする。
(1) 就業規則第○条の規定にもとづく会社の都合による退職
(2) 就業規則○条の規定に基づく業務上の死傷病による退職
4 勤続年数1年以上の者が次の各号の一に該当し、退職する場合には別表(b)の支給率を乗じて得た額とする。
就業規則第○条の規定にもとづく自己都合による退職
(退職金算定基礎額)
第4条
退職金の算定基礎額は、退職発令の日における当該従業員の基本給とする。
(退職金の特別加算)
第5条
在職期間中に特に功労があったと会社が認めた者については、第3条により算出して金額に○○万円を限度として退職金を特別に加算することがある。なお、加算額はその都度別途会社が決定する。
(退職金の減額又は不支給)
第6条
就業規則○条の規定により、所轄の労働基準監督署長の認定を受けて懲戒解雇された者には、この規程による退職金を支給しない。ただし、情状によって第3条第4項の支給額を減じて支給することがある。
(端数処理)
第7条
退職金の計算において100円未満の端数が生じたときは100円単位に切り上げる。
(退職金の支払先)
第8条
この規程による退職金は直接本人に支払う。ただし、本人が死亡した場合にはその遺族で、会社が正当と認めた者とする。
2 前項の遺族は、労働基準法施行規則第42条・第43条に定める遺族補償支給順位により支払う。
(支払方法及び支払時期)
第9条
退職金は一時金をもって支給し、退職の日から7日以内にその全額を通貨で支給する。
(勤続年数の計算方法)
第10条
勤続年数は入社の日から起算し、退職発令の日(死亡退職は死亡日)までとする。
2 従業員から会社役員になった場合は、役員に選任された日をもって退職したものとする。
3 前1項及び2項の期間には次の各号の期間は算入しない。
(1) 就業規則第○条の規定にもとづく自己の都合による連続1ヶ月以上の欠勤
(2) 就業規則第○条の規定にもとづく業務外の疾病による連続6ヶ月以上の休職期間
4 前1項及び2項の勤続年数は年単位で行い、12ヶ月をもって1年とする。なお、1年未満の月数は6ヶ月以上を1年に繰り上げ、5ヶ月以下を切り捨て、1ヶ月未満の日数は16日以上を1ヶ月に繰り上げ、15日以下を切り捨てる。
(規程の解釈)
第11条
この規程について疑義が生じたときは、従業員代表と協議のうえで決定する。
(規程の改廃)
第12条
この規程は、社会経済情勢その他の状況の変化などにより、必要がある場合には従業員代表と協議のうえ、改廃することができる。
付則
この規程は、平成○年○月○日から実施する。
(別表)
勤続年数 | 支給率 | 勤続年数 | 支給率 | 勤続年数 | 支給率 | |||
(a) | (b) | (a) | (b) | (a) | (b) | |||
1 | 1.5 | 1.0 | 16 | 28.8 | 18.25 | 31 | 61.1 | 43.15 |
2 | 3.0 | 2.0 | 17 | 31.1 | 19.75 | 32 | 62.2 | 44.80 |
3 | 4.5 | 3.0 | 18 | 33.4 | 21.25 | 33 | 62.7 | 46.45 |
4 | 6.0 | 4.0 | 19 | 35.7 | 22.75 | 34 | 62.7 | 48.10 |
5 | 7.5 | 5.0 | 20 | 38.0 | 24.25 | 35 | 62.7 | 49.75 |
6 | 9.0 | 6.0 | 21 | 40.4 | 25.90 | 36 | 62.7 | 50.00 |
7 | 10.5 | 7.0 | 22 | 42.8 | 27.55 | 37 | 62.7 | 50.00 |
8 | 12.0 | 8.0 | 23 | 45.2 | 29.20 | 38 | 62.7 | 50.00 |
9 | 13.5 | 9.0 | 23 | 47.6 | 30.85 | 39 | 62.7 | 50.00 |
10 | 15.0 | 10.0 | 25 | 50.0 | 32.50 | 40 | 62.7 | 50.00 |
11 | 17.3 | 11.35 | 26 | 52.0 | 34.30 | |||
12 | 19.6 | 12.70 | 27 | 54.0 | 36.10 | |||
13 | 21.9 | 14.05 | 28 | 56.0 | 37.90 | |||
14 | 24.2 | 15.40 | 29 | 58.0 | 39.70 | |||
15 | 26.5 | 16.75 | 30 | 60.0 | 41.50 |
退職金規程
(総則)
第1条
この規程は、社員の退職金について定める。
(支給条件)
第2条
退職金は、勤続満3年以上の社員が、次の各号のいずれかで退職するときに支給する。
- 定年
- 役員への就任
- 死亡
- 会社都合
- 自己の都合
- 休職期間が満了しても復職できないとき
(算定方法)
第3条
退職金は、退職時の基本給に支給率を掛けることによって算出する。
2 支給率は、勤続年数と退職事由によって定めるものとし、別表のとおりとする。
(端数処理)
第4条
勤続年数の算定において1年未満は月割とし、1ヶ月未満は15日以上を1ヶ月とし、14日以下は切り捨てる。
(解雇者の取扱い)
第5条
懲戒処分によって解雇された者の退職金の取扱いは、次のとおりとする。
- 懲戒解雇のとき―支給しない
- 諭旨退職のとき―情状により第3条の算定式で算出された額の50%以上を減額する
(功労金)
第6条
在職中とくに功労があった者に対しては、退職金のほかに功労金を支給する。
2 功労金は、第3条の算定式で算出された退職金の30%を上限とする。
(支払方法)
第7条
退職金は、その全額を一時金として支払う。
(支払手段)
第8条
退職金は、通貨によって直接本人に支払う。ただし、本人が口座振込みに同意したときは、口座へ振り込むことによって支払う。
(支払時期)
第9条
退職金は、退職日から2週間以内に支払う。
(支払遅延)
第10条
前項に規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者については一定期間支払いを遅らせることがある。
- 後任者との業務引き継ぎを十分に行わないとき
- 会社の貸与品を返還しないとき
- 会社の貸付金を返済しないとき
- その他退職にあたり会社に指示命令に従わないとき
(死亡退職のときの取扱い)
第11条
社員が死亡したときは、退職金は遺族に対して支給する。遺族の範囲および順位については、労働基準法施行規則第42条から第45条までを準用する。
(受給権の処分禁止)
第12条
この規定により退職金を受ける権利は、譲渡し、または担保に供することはできない。
(付則)
この規定は、平成○年○月○日から施行する。
(別表)
勤続年数 | 会社都合 | 自己都合 | 勤続年数 | 会社都合 | 自己都合 | 勤続年数 | 会社都合 | 自己都合 |
1 | - | - | 11 | 12.0 | 14.4 | 21 | 24.0 | 24.0 |
2 | - | - | 12 | 13.5 | 12.15 | 22 | 25.0 | 25.0 |
3 | 2.0 | 1.7 | 13 | 15.0 | 14.25 | 23 | 26.0 | 26.0 |
4 | 3.0 | 2.55 | 14 | 16.5 | 15.68 | 24 | 27.0 | 27.0 |
5 | 4.0 | 3.6 | 15 | 18.0 | 18.0 | 25 | 28.0 | 28.0 |
6 | 5.0 | 4.5 | 16 | 19.0 | 19.0 | 26 | 28.5 | 28.5 |
7 | 6.0 | 5.4 | 17 | 20.0 | 20.0 | 27 | 29.0 | 29.0 |
8 | 7.5 | 6.75 | 18 | 21.0 | 21.0 | 28 | 29.5 | 29.5 |
9 | 9.0 | 8.1 | 19 | 22.0 | 22.0 | 29 | 30.0 | 30.0 |
10 | 10.5 | 9.45 | 20 | 23.0 | 23.0 | 30以上 | 30.5 | 30.5 |
退職金の支給対象規定
(支給対象)
第○条
勤続5年以上の従業員が退職し、または解雇された場合においては、この規定に定めるところにより退職金を支給する。
ただし、就業規則第○条の定めにより懲戒解雇された者及び退職後に懲戒解雇に相当する事由が発見された者に対しては、退職金の全部又は一部は支給しないことがある。
(死亡退職の場合に受取人)
第○条
- 遺言によって退職金の受取人の指定がある場合はこれに従う。指定がない場合は、民法に定める支給順位により支払うものとする。
- 会社は、第1項により退職金を受け取る者に対して、会社が必要と認める証明書類を提出させることがある。
退職金規程(ポイント制)
(退職金計算方法)
第○条
退職金の計算は、原則として次の算式によって行う。
(勤続ポイント累計+職務・役職ポイント累計)×算定基礎単価×退職事由別支給率
(勤続ポイントの計算)
第○条
勤続ポイントは、勤続3年を経たものに○ポイントを付与し、以降1ヶ月ごとに1ポイントを付与するものとする。
2 勤続年数の計算は、入社の日より退職の日(本人死亡の場合は死亡に日)までとし、1ヶ月に満たない部分は15日以上を1ヶ月に繰り上げ、15日未満を切り捨てて計算する。
3 前項の計算期間には、就業規則第○条で定める試用期間および育児・介護のための勤務時間短縮の適用を受けた期間を算入し、休職期間を控除するものとする。
4 前項の休職期間には、産前産後の休業期間、育児休業期間(子が1歳に達するまでの期間)及び介護休業期間(最大3ヶ月)を含まないものとする。
(職務・役職ポイントの計算)
第○条
従業員が在職中に次の各号に定める職務・役職に就いた場合、在職1年ごとにそれぞれ次に掲げるポイントを付与する。
- 主任・・・○ポイント
- 係長・・・○ポイント
- 課長・・・○ポイント
- 部長・・・○ポイント
- 部門長・・○ポイント
2 職務・役職ポイントの計算は、毎年6月1日から5月31日までを基準として、6月1日現在の職務・役職によって計算するものとする。
6月1日以降、退職日までの期間が1年に満たない場合は、6ヶ月未満はゼロ、6ヶ月以上9ヶ月未満は前項で定めた当該ポイントの半分、9ヶ月以上は当該ポイントのすべてを、職務・役職ポイントに算入する。
(算定基礎単価)
第○条
算定基礎単価は○万円とし、社会経済情勢により適宜見直しを行うものとする。
2 前項の規定に関わりなく、経営環境及び経済状況の著しい変化がある場合は、即座にこれを見直すものとする。
(退職事由別支給率)
第○条
退職事由別支給率は、次の各号に定めるところにより、それぞれ次に掲げるものとする。
(1) | 会社都合による場合 | 勤続年数に関わらず | 100% |
(2) | 自己都合による場合 | 勤続3年~5年未満 | ○% |
勤続5年~10年未満 | ○% | ||
勤続10年~20年未満 | ○% | ||
勤続20年~25年未満 | ○% | ||
勤続25年以上 | ○% |
前項において会社都合による場合とは、次の各号とする。
- 定年に達したとき
- 本人が死亡したとき
- 会社都合により解雇したとき
- 業務上の傷病により退職したとき
- 転籍出向となったとき
- 役員に就任したとき
3 第1項において事項都合による場合とは、次の各号とする。
- 就業規則第○条に基づき会社に退職届を提出しこれを認められたとき
- 私傷病により退職を余儀なくされたとき
- 休職期間満了により退職したとき