ADR法と認証制度

ADR法(裁判外紛争解決手段の利用の促進に関する法律)

紛争の調停・あっせんを行う民間事業者に、国の「認証」を与え、裁判外での紛争解決の促進を図るために通称ADR法(ADRとは選択的紛争解決Alternative Dispute Resolutionの略)が、 平成16年12月1日に公布、平成19年4月1日に施行されました。

ADRの認証事業者による紛争解決は、強制力を持たないものですが、これを利用することにより当事者の和解による紛争解決の促進が期待されています。


認証制度

認証事業者は、紛争の当事者双方からの依頼を受け、弁護士または弁護士法人でなくとも、報酬を得て、和解の仲介ができます。(弁護士法第72条の例外)

法務大臣は認証を受けている事業者を公表し、利用者の選択の利便を図ります。

認証を受けるためには、次の事項を定めた上で、業務に必要な知識・能力、経理的基礎を有することが求められています。

(1) 紛争の範囲
(2) ふさわしい者を手続実施者に選任
(3) 手続実施者が当事者と利害関係があるとわかったときに、その者を排除
(4) 認定者と支配・従属関係にある者(株主などの実質的支配者、子会社など)の紛争解決に当たる場合、その関係者から影響を排除
(5) 弁護士の助言を得るためのしくみ
(6) 解決手続の通知方法
(7) 手続開始から終了に至る標準的進行手続
(8) 当事者が解決を依頼する場合の方法
(9) 一方の当事者の依頼で、他方の意向確認をする手続
(10) 資料の保管・返還等の方法
(11) 紛争当事者の秘密の保持
(12) 当事者が解決手続を終了させる方法
(13) 和解の見込みがないと判断した場合の終了手続
(14) 紛争解決手続業務に関し知り得た秘密の保持
(15) 報酬・費用の額、算定方法、支払方法等
(16) 苦情の取扱い

利用者たる紛争の当事者に対しては、手続の実施者(調停人、あっせん人)に関する事柄や手続の進め方などをあらかじめ書面で説明することが義務付けられています。

また、法務大臣は、認証紛争解決事業者の名称・所在地、業務の内容や実施方法に関する一定の事項を公表することができます。

これらにより、国民に対して選択の目安となる十分な情報が提供されるようになっているのです。


暴力団の排除

暴力団員(暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者を含む)は、認証を受けることができません。

補助者として暴力団員等を使用することもできません。


認証審査参与員

認証にあたっては、認証審査参与員(法務大臣が任命)から意見聴取が行われます。


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