従業員の交通事故と通勤災害
通勤災害を請求できるか
例えば、従業員がオートバイで通勤中に自動車に信号無視で突っ込まれ、全治6ヶ月の重傷を負ったとします。
従業員は電車で通勤する旨を会社に申告していたため、会社は従業員に対して電車通勤分の交通費を支払っていたとします。
この場合、従業員は通勤災害で請求できるかというと、電車代の交通費が支給されていても、オートバイ通勤していることを会社側が黙認しており、かつ、通勤手段として経路が合理的なものであれば、通勤災害として請求が可能です。
また、通勤災害で申請するべきなのか自賠責で進めるべきかというと、どちらを優先するかは、あくまで自由です。
たとえ自賠責を優先しても労基署には第三者行為災害届を提出しましょう。
マイカー通勤時の事故と会社責任
通勤途中の事故の場合、従業員所有の自動車が、会社の業務と関係のないことに使用されており、そのときに発生した事故については、原則として会社の責任を問われることはありません。
しかし、会社がマイカーを積極的に提供させ、業務にも使用させている場合や、使用することを黙認していたような場合は、たとえ通勤時の事故であっても、会社の責任を問われる可能性があります。
ただ、黙認していただけというような場合は、以下のように、通勤車と会社業務との関連性を総合的に勘案して、判断されることになります。
- 業務への使用の反復継続の程度
- 会社の黙認の程度
- 業務使用に対するガソリン代の利益供与の有無