雇用契約のその他の更新拒否

非違行為を理由とする雇止め

労働者の非違行為を理由とする雇止めを有効とした判例

太平ビルサービス大阪事件 大阪地裁 平成11.2.12

有期契約の警備員に対する勤務中の飲食を理由とする更新拒絶は有効。

高齢を理由とする雇止め

労働者が高齢であることを理由とした雇止めを有効とした判例

雪印ビジネスサービス事件 浦和地裁川越支部 平成12.9.27

雇止めの時点で、原告は、67歳及び68歳であった。

最終更新である旨を明示した後に、会社方針(高齢者は作業能率が低下し労災事故などが増加することから65歳以上を順次雇止めする)に基づき、契約を更新しなかったことが有効とされた。

逆に、労働者が高齢であることを理由とした雇止めを無効とした判例

協栄テックス事件 盛岡地裁 平成10.4.24

1年契約のパートに対し、正社員の定年年齢(60歳)を理由に雇止めしたことにつき、雇止めは組合加入を理由とするものだとして、無効とされた。


日々雇用を理由とする雇止め

日々雇用を理由とした雇止めを有効とした判例

札幌西郵便局事件 札幌高裁 平成14.4.11

任期1日の郵便局の非常勤職員として採用された原告の職員としての地位は、予定雇用期間満了による当然退職により失われた、と判断した一審を維持。

郵便局における任期1日の非常勤職員の任免につき、当事者双方の合理的意思解釈によってその内容を定めることが予定されていない行政処分(公務員の任用)に解雇法理の類推適用を否定した(慰謝料請求を一部認容)。

大阪大学上告事件 最高裁 平成6.7.14

大学図書館の事務補佐員として4年半勤務した日々雇用職員が、再任用されなかった事案。

最高裁は、日々雇用であることを明示して代替的事務(カウンター業務)に従事することを予定して任用したことは、国公法の趣旨に照らし違法とはいえないとした原審を維持。

任命権者が、日々雇用職員に対して、任用予定期間終了後も任用を続けることを確約ないし保障するなど、右期間満了後も任用が継続されると期待することが無理からぬものとみられる行為をしたというような特別な事情がある場合には、職員がそのような誤った期待を抱いたことによる損害につき、国家賠償法に基づく賠償を求める余地があり得るとしても、原審の適法に確定して事実関係の下においては、右のような特別な事情があるということはできないとした。


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