法改正(平成15)の附帯決議
職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
(参議院厚生労働委員会 平成15.6.5)
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
(1) | 1年を超え3年以内の期間を継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合には、派遣先において労働者の過半数で組織する労働組合等からの意見聴取が確実に行われ、意見が尊重されるよう派遣先に対する指導に努めること。 |
(2) | いわゆる「リストラ」等の雇用調整を実施中及び実施直後に、当該雇用調整で解雇した労働者が就いていたポストに労働者派遣を受け入れる場合には、派遣先は受入れ期間の設定など適切な措置を講じ、労働者の理解を得られるよう努めなければならない旨指針で明記し、この周知に努めること。 |
(3) | 派遣先事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、その雇用期間に関し、当該労働者の希望及び当該労働者に係る労働者派遣契約の労働者派遣の期間を勘案して、当該労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をするよう努めなければならない旨指針で明記し、その中地に努めること。 |
(4) | 派遣先は、3年までの間で派遣可能期間を定めることが可能となったことを勘案し、労働者派遣契約の労働者派遣の期間に関し、派遣元事業主と協力しつつ、派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をするよう努めなければならない旨指針で明記し、その周知に努めること。 |
(5) | 物の製造の業務等への労働者派遣事業の拡大に当たっては、請負等を偽装した労働者派遣事業に対し、その解消に向け労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準等の周知徹底、厳正な指導監督等により、適切に対処するとともに、派遣労働者に対する安全衛生対策に万全を期すること。また、請負に係る労働者の保護のため、請負により行われる事業に対し、労働基準法等労働諸法令が遵守される取組を強力に進めること。 |
(6) | 派遣労働者を含む短期雇用労働者が、労働条件や待遇において、不合理な差別を受けることがないよう、必要な措置を講ずること。 |
(7) | 派遣労働者の保護の実効性については、使用者責任の遵守の観点から、都道府県労働局において、職業安定行政と労働基準行政との連携を基に、指導・監督体制の強化に努めること。 |
(8) | 紹介予定派遣について事前面接等労働者を特定することを目的とする行為に係る規定を適用しないこととするに当たっては、濫用防止を図るための措置を指針で定め、適正な運用の確保に努めること。 |
(9) | 労働者派遣事業適正運営協力員制度については、制度の趣旨が生かされるよう、国民への周知と必要な体制整備を図ること。 |
(10) | 地域における雇用の確保を図り、国、地方公共団体、民間職業紹介事業者、学校及び商工会議所等が連携して職業紹介できるよう、その体制整備の在り方について、早急に検討を行うこと。 |
(11) | 職業紹介事業の兼業禁止規定を撤廃するに当たっては、事実上の強制労働や中間搾取等た発生することがないよう、許可基準において厳正な対応を図ること。 |
過去の派遣労働法改正記録
平成11の改正(平成11.12.1施行)
(1) | 派遣対象業務の原則自由化 |
(2) | 受け入れ期間の1年制限 |
(3) | 1年を超える派遣受入時の雇用努力義務 |
(4) | 派遣労働者の適切な就業環境の維持 |