臨時工・臨時職員の採用時・契約更新時の留意点
一律に機械的な更新を繰り返せば、常用労働者と見なされる
裁判例を参考にして考えると、次のような点に留意すべきです。
(1) | 雇用契約書等に雇用契約期間を明記する。 |
(2) | 採用時等に、長期継続雇用を期待させるような言動を行わない。 |
(3) | 採用手続は、正規従業員より簡易なものにする。 |
(4) | 従事させる仕事の内容を正規従業員と同等にしない。 |
(5) | 契約更新時には、その都度臨時従業員の意思を確認し、きちんと更新手続を行う。 |
(6) | 契約の更新があまりに多数回にわたらないようにする。 |
臨時工・臨時職員の賃金・賞与・退職金
賃金
臨時従業員の賃金の計算方法・賃金の支払方法、昇給等について、一般従業員と異なる取り扱いをするためには、就業規則にその旨を明記しておく必要があります。(労基法89条)
そうしなければ、一般従業員の就業規則によって同様に規律されてしまうおそれがあるのです。
賞与・退職金
一般従業員に対して賞与・退職金を支払う旨を就業規則に明記してある場合に、これを臨時従業員に支払わないよう取り扱うときには、支払わない旨を就業規則に明記すべきです。
労働時間
所定労働時間が一般従業員と異なる場合には、臨時従業員の始業時刻・終業時刻・休憩時間等を就業規則に明記すべきです。
年次有給休暇
臨時従業員についても、一般従業員と同様に年次有給休暇の権利が発生することに注意が必要です。(労基法39条)
年次有給休暇の発生要件である「継続勤務」について、行政通達(昭63.3.14 基発150号)は、「継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきもの」として、「臨時工が一定月ごとに雇用契約を更新され、1年以上に及んでいる場合であって、その実態より見て引き続き使用されていると認められる場合」をあげています。
臨時従業員の契約を更新する場合は、通常、「継続勤務」と見られることに留意することが必要でしょう。