派遣労働のリスク

派遣は継続するという幻想

一つの会社にしばられるのを嫌って"派遣"という働き方を選ぶ人は多いようです。

しかし、「契約を更新してくれるだろうか」という心配から、現実には、派遣先で必要以上の人間関係に気を配らなければならない状況が生じているといわれます。

派遣という働き方には、将来にわたって仕事が継続し、収入が入り続けるという保障はどこにもありません。

待っているのは、一定の年齢を超えるとなかなか仕事を紹介してもらえないという現実です。

今後の働き方について(登録型派遣労働者調査)

派遣に対する今後の考え方 2014年 2006年 2002年 1998年
派遣の仕事をずっと続けていきたい 19.0% 18.6% 26.1% 29.0%
できれば正社員として働きたい 41.2% 44.2% 37.2% 30.3%
独立して自営業や企業経営をやりたい 6.7% 4.2% 5.6% 6.8%
今のところはっきりしない 25.7% 28.8% 29.4% 31.0%

派遣労働に関する実態調査 東京都産業労働局


派遣労働者の苦情

派遣元事業所に雇用されている登録型派遣労働者(n=374)を対象とした調査によれば、19.0%の人が、過去3年間に苦情を申し出た経験があります。

申出経験なし 申出経験あり 苦情の内容(複数回答、n=74) 割合
7.4% 19.0% (1) 職場の人間関係について 38.0%
(2) 賃金への不満 36.6%
(3) 技量を超えた仕事をさせられる 31.0%
(4) 契約内容の相違 29.6%
(5) 職場での差別や嫌がらせ 18.3%
(6) 安全衛生等の職場環境について 16.9%
(7) 業務契約以外の雑用 15.5%
(8) 労働時間、残業等が契約と違う 15.5%
(9) 指揮命令者の対応 12.7%
(10) 有給休暇がとれない 12.7%
(11) セクシャル・ハラスメント 11.3%
(12) 個人情報が派遣先に漏れている 5.6%
(13) 派遣先に就業を断られた 2.8%
(14) その他・無回答 8.4%

派遣労働に関する実態調査2014(東京都産業労働局 平成26年度)

派遣先での問題発生行為

  • 派遣社員に「給料はいくらもらっているの?」「通勤手当は出てるの?」といった労働条件を探るような内容を聞く。
  • 派遣社員が「私の時間給はこれくらいで残業もきっちり割増が出るのよ。サービス残業なんて、ありえない・・・」「気を遣う会社の飲み会に参加したくないから派遣で働くのよ」などと、派遣の方がいいという自慢話を派遣先社員にする。
  • 「今日は全員が出払うから、業務室の鍵をかけてから帰ってくれる?」といい、派遣社員1人だけで業務をさせたうえに、オフィスの戸締まりをさせるなど、使用者としての責任を全うしない。
  • 契約にない仕事が山積みにされていて、これでは困ると言ったら「これも仕事だ」と一喝された。
  • 「あなたもどうせ辞めるのだから・・・」を連発されて、気が滅入る。

※出典「賃金実務」(No979 2005.10.15)


派遣契約の中途打ち切り

派遣元事業所に雇用されている登録型派遣労働者(n=374)を対象とした調査によれば、約1割が、過去3年間に派遣契約の途中で仕事の変更、打ち切りを経験したことがあります。

仕事の変更、
打ち切りない
仕事の変更、
打ち切りある
理由
(複数回答、n=36)
割合
87.7% 9.6% (1) 事業計画の変更・中止 55.6%
(2) 欠員補充・新規採用 16.7%
(3) 技術等の能力 11.1%
(4) 自身の苦情の申し出 8.3%
(5) よく分からない 5.6%
(6) 派遣元の対応に問題 2.8%
(7) その他・無回答 16.7%

派遣労働に関する実態調査2014(東京都産業労働局 平成26年度)

大手企業なら、派遣でもいいと考える傾向がある。しかし、いざ会社に入ってみると"派遣"という肩書きにコンプレックスを感じたり、どのタイミングで正社員になったらいいか悩み始める。24~25歳で、"何のために働くのか"という壁にぶつかる。それが早期離職につながっている。

(エコノミスト 2005.5.31)

派遣社員の不安、5割超が「安心な老後もてない」

「派遣」でも仕事にやりがいを感じている半面、収入の低さから生活設計が描けず、「結婚できない」「子どもを育てられない」と不安を抱いている人も多い――。派遣社員を対象にした労働組合のアンケートで、派遣社員たちのそんな姿が浮き彫りになった。

派遣社員の労組を04年に立ち上げた連合傘下のUIゼンセン同盟(組合員86万4,000人)が昨年3月、加盟企業で働く派遣社員らに実態調査を実施。男女計約600人の回答を分析した。

平均年齢は男性35.5歳、女性32.7歳。男女とも8割近くが正社員として働いた経験があったが、うち男性の3割が倒産・解雇で、女性の2割が結婚・出産を理由に正社員をやめていた。

平均時給は男性1,285円、女性1,247円。ほとんどが1日8時間、週5日勤務だったが、年収ベース(年1,900時間、残業除く)で計算すると、男性は244万円、女性は237万円にとどまる。

このため将来に対する不安(複数回答)ではほとんどが経済問題をあげ、「経済的に安心な老後がもてない」が男女とも5割を超えてトップ。「生活費をまかなえない」(男性45.4%、女性39.5%)が続いた。

年齢別では、34歳以下の男性の41.5%が「今の状態では結婚できない」とし、20代の女性の20.7%が「子どもを産み育てることができない」と答えた。

一方で、今の仕事に「やりがいを感じる」人は男性81.5%、女性72.2%にのぼった。「派遣という働き方に期待すること」は、「自分への評価」(32.0%)、「能力発揮」(30.4%)が高かった。

UIゼンセンは「収入は男女とも生計をまかなえる水準ではなく、将来に夢が持てなくなっている。仕事が正当に評価されるよう、待遇改善をはかっていかなければならない」としている。

(asahi.com 2006.1.6)


派遣元事業所への要望内容

要望内容(2つまで回答) 割合
(1) 賃金制度の改善・アップ 58.6%
(2) 継続した仕事の確保 49.7%
(3) 年次有給休暇のとりやすさ 7.5%
(4) 福利厚生制度の充実 6.7%
(5) 派遣先労働者との均衡待遇 6.1%
(6) 教育訓練の充実 4.3%
(7) 健康管理制度の充実 3.7%
(8) 派遣スタッフ相互の交流 2.7%
(9) 苦情・要望等への迅速な対応 2.4%
(10) 労働・社会保険への加入 1.9%
(11) 特にない・その他・無回答 18.7%

派遣労働に関する実態調査2014(東京都産業労働局 平成26年度)


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