基本給の諸類型
基本給はいくつかの類型(またはその組み合わせ)で構成される
年功給 | 職能給 | 職務給 | 能率給 |
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性格 | 性格 | 性格 | 性格 |
◆年齢・勤続年数といった属人的要素を中心にして決定する賃金 | ◆社員個々の職務遂行能力を基準にして決定する賃金 | ◆職務の煩雑困難さと責任の大きさなど職務の価値によって決定する賃金 | ◆仕事の出来高や成績に応じて支払う賃金 |
成立の前提条件 | 成立の前提条件 | 成立の前提条件 | 成立の前提条件 |
◆年功と職務遂行能力の間に正相関の関係が認められること ◆年功序列を尊重する意識が存在すること |
◆職務遂行能力の開発を重視し実行していく考えが人事制度の中に組み込まれていること ◆自社の実態にマッチした具体的な職能資格基準が整備されていること |
◆職務が標準化されていること(担当者の能力によって職務の価値が変わらないこと) ◆適性配置が行われていること、また流動的に行える体制下にあること |
◆個人別、グループ別に出来高を確実に把握できること ◆社員の努力と出来高の間に安定的な相関関係が認められること |
メリット | メリット | メリット | メリット |
◆定昇の実施により組織への信頼感と一体感を醸成できる ◆日本の社会に根強く残存する年功序列意識に適合する面がある |
◆職能開発への努力は職能資格等級のランクアップとなり、やる気ある従業員の励みとなる ◆職能資格基準にコンピテンシーを組み込み、賃金決定に反映できる |
◆賃金は労働の対価であるという大原則に適合している ◆職能給にくらべ年功色を払拭しやすい |
◆能率のみとリンクする、曖昧さのないわかりやすい賃金である ◆条件さえ整えば、力の発揮が最も期待できる賃金体系である |
デメリット | デメリット | デメリット | デメリット |
◆職能・職務・業績とのつながりが弱い ◆技術革新のテンポが速い分野では適合しない |
◆「積み方式」を取る限りどうしても年功色が強くなる ◆職能資格等級別の社会横断的賃金水準がつかめない |
◆職務内容の見直しが進まず、市場環境の変化に柔軟に対応できない ◆配置転換が制約を受けるなど、人事指導の柔軟な運用が制約を受ける |
◆賃金額の変動が大きく安定的でない ◆設備投資、技術革新による能率アップなのか、社員の努力によるそれなのかが、わからない |