通勤手当・家族手当

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通勤手当・家族手当


通勤手当


通勤手当の非課税限度額

区分 課税されない金額
1.交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 1か月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度 100,000円)
2.自転車や自動車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当
(1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額は給与として加算されます。)
片道2km未満 (全額課税)
片道2km以上
10km未満
4,200円
片道10km以上
15km未満
7,100円
片道15km以上
25km未満
12,900円
片道25km以上
35km未満
18,700円
片道35km以上
45km未満
24,400円
片道45km以上
55km未満
28,000円
片道55km以上 31,600円
3.交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度 100,000円)
4.交通機関又は有料道路を利用するほか交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額と(2)の金額との合計額
(最高限度 100,000円)

※平成28年現在

(注1)「合理的な運賃等の額」とは、通勤のための運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法による運賃又は料金の額をいいます。この「合理的な運賃等の額」には、新幹線鉄道を利用した場合の特別急行料金は含まれますが、グリーン料金は含まれません(所基通9-6の3)。

(注2)2.の「運賃相当額」とは、交通用具を使用している人が交通機関を利用したとしたならば負担することとなる1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額に相当する金額をいいます(所令20の2)

(注3)この運賃相当額は、現にその人が通勤のため交通機関を利用した場合に負担することとなる運賃等の額によることになりますが、通勤のために利用する交通機関がないことなどにより、その運賃等の額によることができない場合には、その人の交通用具を使用する通勤距離に相当する距離につきいわゆるJR各社の鉄道を利用した場合に負担することとなる地方交通線の通用期間1か月の通勤定期旅客運賃の額によって差し支えありません(所基通9-6の2)。

(注4)「運賃等の額」には、消費税及び地方消費税相当額が含まれます。したがって、消費税及び地方消費税込みの運賃等の額が、上記の「課税されない金額」以下であれば、課税される金額はないことになりますが、消費税及び地方消費税込みの運賃等の額が、上記の「課税されない金額」を超える場合には、その超える部分の金額が課税の対象となります(平元直法6-1、平9課法8-1改正)。

(注5)「交通用具」とは、自動車その他の原動機付き自転車のことを指します。

(注6)通勤手当などの非課税となる限度額は、パートやアルバイトなど、短期間雇い入れる人についても、月を単位として計算します。また、派遣社員が自腹で通勤交通費を支払う場合は非課税となりません。

(注7)労働保険や社会保険では、通勤手当も賃金(報酬)に該当するものとして保険料の計算の基礎に算入されます。また、通勤手当は労働基準法の「平均賃金」の算定の基礎の中に含まれます。解雇予告手当や休業手当などを支払う必要が出た場合、減給の制裁などを行う場合には「平均賃金」を求めることになりますが、この平均賃金の算定の基礎には通勤手当が含まれると規定されています。

関連事項:平均賃金とは


マイカーの会社業務使用

通勤用のマイカーを会社の業務にも使用することを許可し、会社業務として使用した部分に対して「借上料」とか「ガソリン代補助」等の名目で使用料を支払うことがあります。

このような場合の使用料に対する課税上の取扱いについては、たとえば、セールスに従事する給与所得者がそのセールスのためにマイカーを使用した実績(走行キロ数)を確認し、自動車の減価償却や修繕費、ガソリン代等の費用を基礎として合理的に計算した走行キロ数あたりの費用を会社業務の走行キロ数に乗じて旅費として支給した事例においては、これを旅費に準ずるものとして非課税として認められた例があります。


マイカーの保険料

マイカー通勤者が支払う自動車損害保険等の保険料は、損害保険料控除の対象とはなりません(障害者の場合、例外あり)。


家族手当


共稼ぎの場合の取扱いをめぐる問題

夫婦が双方とも働いている場合、家族手当をいずれかに支払うかが問題となるケースがあります。

次の日産自動車事件で裁判所は、「夫と妻のいずれか収入の多い方」を支払い先として会社の取扱いを支持しました。

日産自動車事件 東京地裁 平成1.1.26

家族手当支給規程において、「家族手当は第3条に掲げる親族を実際に扶養している世帯主である従業員に対し支給する。ただし、独身の従業員が両親、兄弟姉妹を扶養する場合には必ずしも世帯主であることを要さない」と定めていたところ、原告女性従業員(4名)から、それぞれ自己を住民票の世帯主に変更して会社に支給を申請した。

会社はこれに対し、世帯主を「夫と妻のいずれか収入の多い方」として、原告等のうち妻の方が収入の多い1人については家族手当を支給し、他は拒否した。

裁判所は、原告女性従業員の請求を次の理由により棄却している。

本件家族手当が設けられた目的及びその法的性質即ち本件家族手当が扶養家族の員数によって算出されるなど、家族数の増加によって生ずる生計費等の不足を補うための生活補助的性質が強い事実に鑑みると、家族手当を実質的意味の世帯主に支給する被告会社の運用は強ち不合理なものとはいい得ない。

さらにまた右の基準を夫又は妻のいずれか収入の多い方に支給することは、一家の生計の主たる担い手が何人であるかを判定する具体的運用としては明確かつ一義的であり、前記のように分割申請を認めないことに合理的理由がある以上、これまた必ずしも不合理なものとはいい難い。

これとは逆に、次の岩手銀行事件では、裁判所は家族手当の支払いを命じています。

給与規程そのものが「妻が夫を扶養する」こと自体を想定していなかったため、男女差別により法違反とされたケースです。

岩手銀行事件 仙台高裁 平成4.1.10

給与規程には「扶養親族を有する世帯主たる行員に対しては、別表基準により家族手当を支給する」「前項の世帯主たる行員とは、自己の収入をもって、一家の生計を維持する者をいい、その配偶者が所得税法に規定されている扶養控除対象限度額を超える所得を有する場合は、夫たる行員とする」と定められていた。

これにより、原告は、夫に収入がないときには家族手当を支給されていたが、夫が扶養控除限度額を超える収入を得るようになった際、家族手当の支給を打ち切られた。

原告は、給与規定の「その配偶者が所得税法に規定されている扶養控除対象限度額を超える所得を有する場合は、夫たる行員とする」という部分は、労働基準法第4条に違反するとして、家族手当の支払いを求めた。

裁判所は、次の理由により、家族手当の支給を命じている。

控訴人銀行は本件規定36条2項本文後段を根拠にして、男子行員に対しては、妻に収入(所得税法上の扶養控除対象限度額を超える所得)があっても、本件手当は支給してきたが、被控訴人のような共働きの女子行員に対しては、生計維持者であるかどうかにかかわらず、実際に子を扶養するなどしていても夫に収入(右限度額を超える所得)があると本件手当等の支給をしないというのだから、このような取扱いは男女の差別のみによる賃金の差別扱いであると認めざるを得ない。・・・・

本件手当等の男女差別扱いをして、合理性があるとするような特別の事情も見あたらないので、結局右条項及びこれによる控訴人銀行と被控訴人間の労働契約の本件手当等の給付関係条項は強行規定である労基法4条に違反し、民法90条(1条ノ2)により無効であるといわなければならない。


労働基準法第4条 (男女同一賃金の原則)

使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

関連事項:男女差別


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