改正育児介護休業法解説レポート
令和4年4月1日、同10月1日、令和5年4月1日に改正育児介護休業法が段階的に施行されます。
法改正による新制度の導入方法について、詳しく解説したマニュアルを無料提供しています。
サンプル条文や改訂例を参考に、就業規則の改訂を行ってください。
育児休業の制度運営上の問題点
会社の労務担当のホンネ
会社の労務担当は、以下のような実態を本制度の問題としています(労政時報3439号、平成12.4.7より)。
(1) | 休職前は復帰の意思表示をしているにもかかわらず、復職せずに退職してしまう。産前産後休業→育児休業→退職、というパターンが定着して復帰する者がいない。 |
(2) | 復帰しても、「子どもの病気」などを免罪符にして、遅刻・早退・欠勤を繰り返す。復職者の意識が「家庭中心」であると、その者を受け入れたくないという動きが生じる。 |
(3) | 休職中の戦力補強として契約した派遣社員の方が仕事をよくこなすので、社員の職場復帰が待たれるよりも、派遣社員の契約切れが惜しまれる。 小売業では、休職中、店頭に代替要員を配置しているため、復帰後、その者の処遇との関係で、ただちに原職復帰とはいかない。 |
(4) | 休職者の業務を他の社員にフォローしてもらう場合、それに対する理解と同意が得られにくい。 |
(5) | 休職中は職場に補充がないので、休職者は肩身の狭い思いをする。 |
(6) | 原職復帰が原則だが、復職時点でその職場がなくなっていることも珍しくない。 |
(7) | 技術職だと、休職期間によって技術の空白期間が生じ、復帰後も長時間労働から除外されるため、事業運営の足かせになる。このため、その他の従業員が、妊娠即退職の形を採ることを望むようになる。 |