勤務時間の短縮等

事業主の講じるべき措置

事業主は、介護休業のほかに、労働者が就業しながら要介護状態にある家族を介護することを容易にするために、次のいずれかの措置を講じなければならないと定められています(日々雇用される者を除く)。

勤務時間の短縮等

(1) 短時間勤務制度
  • 1日の所定労働時間を短縮
  • 週又は月の所定労働時間を短縮
  • 週又は月の所定労働日数を短縮
  • 労働者が個々に勤務しない日又は時間を請求する制度
(2) フレックスタイム制度
(3) 勤務時間の繰り上げ・繰り下げ(時差出勤)
(4) 介護サービス費用の助成等

勤務時間の短縮期間は、介護休業とあわせて93日です。

後日のトラブルを避けるために、介護休業と勤務時間短縮措置を併せて使う場合は、その適用期間についてよく確認しておく必要があります。事業主がこれを怠った場合、短縮措置期間は介護休業等日数に算入されないことにもなります。

なお、短縮時間は、所定労働時間が8時間の場合は2時間以上、7時間の場合は1時間以上の短縮が望まれます(通達)。

これらの制度は、期間を定めて雇用されている人も対象となります。


時間外労働の制限(平成14年4月1日施行)

要介護状態の家族を介護する労働者は、1ヶ月24時間、1年150時間を超える時間外労働の免除を請求できます。

ただし、以下の労働者は適用除外になっています。

(1) 日々雇用労働者
(2) 雇用期間が1年未満の労働者
(3) 労働日が週2日以下の労働者

請求は、開始予定・終了予定日(1ヶ月以上1年以内)を明らかにして、開始予定日の1ヶ月前までにしなければなりません。


深夜業の制限

女性の深夜業規制が解消されたことに伴い、育児や家族介護を行う一定範囲の男女労働者を対象として、深夜業を制限する制度が新たに設けられました。(育児・介護休業法第16条

事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者が、その対象家族を介護するために請求した場合、「事業の正常な運営を妨げる場合を除き」(下記参照)、午後10時から午前5時までの間、労働させてはなりません。

制限期間は、1回につき、1ヶ月以上6ヶ月以内です。請求は、何回もすることができます。

深夜業の制限対象となるのは、要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者とされており、育児の場合とは異なって、措置の適用を受けられる期間が一定期間に限定されていません。

ただし、次の労働者は原則として深夜業制限の対象とはなりません。

(1) 日々雇用労働者
(2) 雇用期間が1年未満の者
(3) 深夜において、その対象家族を常態として介護することができる同居の家族その他の労働省令で定める者がいる者
※次の3要件のすべてを満たす16歳以上の同居の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)がいる労働者が該当します。
ア. 深夜に就業していない、または深夜に就業している日数が月3日以下であること
イ. 負傷、疾病、身体上若しくは精神上の障害により、対象家族の介護が困難でないこと
ウ. 6週間以内に出産する予定か、または産後8週間を経過していない者でないこと
(4) その他合理的な理由があると労働省令で定められている者
ア. 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
イ. 所定労働日数の全部が深夜にある労働者

事業の正常な運営を妨げる場合

「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かは、当該労働者の所属する事業所を基準として、当該労働者の担当する作業の内容、作業の繁閑、代行者の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきものであること。

事業主は、労働者が深夜業の制限を請求した場合においては、当該労働者が請求どおりに深夜業の制限を受けることができるように、通常考えられる相当の努力をすべきものであること。

業務遂行上不可欠な人員について、通常考えられる相当の努力をしたとしてもなお、代替者が確保出来ない場合は、「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するものであること。

(平10.6.11 女発171号)

この制限措置を労働者が請求する場合は、希望する制限措置の開始予定日の1ヶ月前までに、事業主に対して、所定の事項を記載した書面を提出しなければなりません。

この場合、1回の請求は1ヶ月以上、6ヶ月以下の連続した一の期間でなければなりません。

ただし、請求回数に制限がないので、何度でも繰り返し請求することができます。


その他、検討すべき事項

家族介護はその対象家族の状況によって左右されますので、次のような場合どうするか、あらかじめ検討しておく必要があります。

  1. 93日を超えても、対象家族の症状が安定しないこともある。
  2. 介護サービス等の利用を考えているが、その開始が介護休業終了日に間に合わないこともある。
  3. 要介護者が回復しても、再度介護が必要になることがある。
  4. 要介護までいかない状態であっても、介護のために就業が困難になる場合がある。
  5. 介護の必要性の変化に対応して、制度の弾力的な運用が望まれる場合がある。

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