採用内定とは

解約権を留保した労働契約

中途採用の場合は、労働契約成立と同時ないしは接近した時期に従業員の入社が開始するのが普通です。

しかし、新卒の高校生あるいは大学生の採用については、在学中に採用を内定し卒業後入社するという採用方法が採られています。採用内定と現実の仕事の開始時期までには数ヶ月の間隔があるのが通常です。

手順としては、以下の流れが一般的です。

  1. 労働者の募集とそれへの応募(必要書類の提出)
  2. 採用試験の実施と合格決定
  3. 採用内定通知書の送付と労働者からの誓約書・身元保証書の提出
  4. 健康診断の実施、レポート提出などの過程を経て
  5. 入社式と辞令の交付

採用内定後学生は、就職活動を中止しますので入社直前になって採用内定を取り消されると、事実上新しい就職先を確保するのは困難となり、その被害は計り知れないものとなります。

使用者が、当該従業員として採用する旨の確定的意思を表示(たとえば、入社誓約書や身元保証書の異議なき受領とか、入社日その他の細部通知や入社前教育の開始など、いわゆる内定式を行い正式採用を通知した場合も該当)したことにより、労働契約が締結されたと認められた後の取り消しは、「労働契約の解約」となります。

この場合は、原則として「解雇」に該当し、合理的と認められる正当な理由がなければ、無効となります。


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