採用後14日が過ぎれば、解雇予告が必要
解雇予告制度が適用されない場合
- 日々雇い入れられる者(1ヶ月を超えて引き続き使用される場合を除く)
- 契約期間が2ヶ月以内の者(所定契約期間を超えて引き続き使用される場合を除く)
- 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者(所定契約期間を超えて引き続き使用される場合を除く)
- 試用期間中の者(14日を超えて引き続き使用される場合を除く)
就業規則中、解雇(試用期間中)に関する定めがあるときは、その規定の制約を受けるとされ、14日経過後の解雇の場合、会社は労働基準法第20条の手続き(30日以上前の予告または30日分以上の平均賃金の支払い)をとることが必要です。
就業規則で、試用期間が「1ヶ月」と定められていても、14日を超えて雇用された者に対しては、解雇の予告が必要になります。(労働基準法21条)
これは、試用期間の解約の容易性を解雇手続の面でも認めると同時に、解雇手続における解雇の容易性は14日に限定する趣旨だと考えられます。
したがって、14日以内に試用期間中の者を解雇する場合、予告は必要ではなくとも、職業的能力・適性がないこと若しくは一般の解雇事由があることが必要となります。
試用期間中の普通解雇
試用期間中に正規従業員に関する普通解雇事由が生じた場合にも、留保解雇権のほかに、試用労働者の解雇が認められます。
〔次のような少数説があります〕
試用期間制度は、契約の締結に際して労働者の提示した職業能力・適性が現実にあるかどうかを確認するものだから、その職業能力、適性は「試用」=実験・観察によって確認できる職業能力・適性、すなわち具体的に職務を遂行する能力・適性でなければならない。
とすれば、試用に付すことが合理性を持つと思われる労働契約は、特殊な技能や熟練、経験などが前提となる職種の労働者を採用する場合に限定されるといってよい。
単純作業の労働者を採用するような場合、新規学卒者の定期採用の場合などは、試用に付す合理性は少ない。
この説の場合には、試用に付すことが合理性を持つと思われる労働契約のみ、解雇権留保付労働契約として考えればよい。