建築物解体等に係る対策
事前調査(石綿則第3条、第8条)
(1)事業者は、建築物等の解体等の作業を行うときは、あらかじめ、石綿の使用の有無を目視、設計図書等により調査し、その結果を記録しておかなければなりません。調査の結果、石綿の使用の有無が明らかとならなかったときは、分析調査し、その結果を記録しておかなければなりません。
ただし、石綿等が吹き付けられていないことが明らかで、石綿が使用されているとみなして対策を講ずる場合、分析調査の必要はありません。
(2)建築物等の解体等の工事の発注者は、工事の請負人に対し、当該建築物等における石綿の使用状況(設計図書等)を通知するよう努めなければなりません。
作業計画(石綿則第4条)
事業者は、石綿が使用されている建築物等の解体等を行うときは、あらかじめ次の事項が示された作業計画を定め、当該作業計画により作業を行わなければなりません。
- 作業の方法及び順序
- 石綿粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法
- 労働者への石綿粉じんのばく露を防止する方法
届け出(安衛則第90条、石綿則第5条)
(1)耐火建築物又は準耐火建築物における吹付けの石綿の除去作業については、工事開始の14日前までに所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
(2)次の作業について、工事開始前までに所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
ア 石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材の解体等の作業
イ ア以外の吹付け石綿の除去作業
特別教育(安衛則第36条、石綿則第27条)
事業者は、石綿が使用されている建築物等の解体等の作業に従事する労働者に特別教育を行わなければなりません。
科目:石綿等の有害性/石綿等の使用状況/石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置/保護具の資料状況/その他石綿等のばく露の防止に関し必要な事項
作業主任者(石綿則第19条、第20条)
石綿作業主任者を選任し、次の事項を行わせなければなりません。
(1)作業に従事する労働者が石綿粉じんにより汚染され、又はこららを吸入しないように、作業法方法を決定し、労働者を指揮すること。
(2)局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除塵装置、その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。
(3)保護具の使用状況を監視すること。
保護具等(石綿則第14条、第44条から第46条)
(1)石綿を含む建材等の解体等をするときは、労働者に呼吸用保護具(防じんマスク)、作業衣又は保護衣を使用させなければなりません。
(2)保護具等は、他の衣料から隔離して保管し、廃棄のために容器等に梱包したとき以外は、付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出してはなりません。
湿潤化(石綿則第13条)
石綿を含む建材等の解体等をするときは、それらを湿潤なものとしなければなりません。
隔離・立入禁止等(石綿則第6条、第7条、第15条)
(1)吹付け石綿の除去を行うときは、当該作業場所をそれ以外の作業場所から隔離しなければなりません。
(2)石綿含有の保温材、耐火被覆材、断熱材の解体等の作業を行うときは、当該作業に従事する労働者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければなりません。
また、特定元方事業者は、関係請負人への通知、作業の時間帯の調整等必要な措置を講じなければなりません。
(3)その他石綿を使用した建築物等の解体等においても、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければなりません。
注文者の配慮(石綿則第9条)
建築物の解体工事等の注文者は、作業を請け負った事業者が、契約条件等により必要な措置を講ずることができなくなることのないよう、解体方法、費用等について、法令の規定の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないよう配慮しなければなりません。