個人情報としての取り扱い

健康診断結果は事業主にも提供される

健康診断の結果は、事業主に提供されます。

厚生労働省通達(平成16.10.29 基発1029009)、特に事業者が留意する必要があるとして、以下の取り扱いを求めています。

(1) 健康診断の結果のうち、診断名、検査値等のいわゆる生データの取り扱いについては、産業医や保健師等の看護職員に行わせることが望ましい
(2) 産業保健業務従事者以外の者に健康情報を取り扱わせる時は、これらの者が取り扱う健康情報が利用目的の達成に必要な範囲に限定されるよう、必要に応じて健康情報を適切に加工した上で提供する等の措置を講ずる

なお、労働安全衛生法104条は、以下の規程があり、この罰則は「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」(同法第119条1号)となっています。

労働安全衛生法

第104条 (健康診断等に関する秘密の保持)

第65条の2第1項及び第66条第1項から第4項までの規定による健康診断並びに第66条の8第1項の規定による面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。

本人が希望しない場合は、事業主が指定した医師以外の医師等が行う健康診断を受けることも可能です(費用負担は本人)。

事業主は、健康診断の個人票を作成し、5年間保存する義務があります。(労働安全衛生規則第51条)

また、定期健康診断結果報告書を、労働基準監督署長に提出しなければなりません。(労働安全衛生規則第52条)

健康診断の項目に異常の所見があると診断された場合、事業主は医師の意見を聞き(労働安全衛生法第66条の3)、適切な措置を取ることが必要です(同法第66条の5)。

こうしたことから、健康診断結果は、労働者の同意がなくても、事業主に伝えられることになります。

なお、この場合の措置は、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業回数の減少などのほか、作業環境測定の実施、施設または設備の設置・整備などが該当します。


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