愁訴・痴呆

愁訴

ストレスは、身体や心に様々な影響を及ぼしますが、そうした漠然とした不調を「愁訴」と呼びます。

身体的愁訴の例

(1) 高血圧気味でなんとなく調子が悪い
(2) 心臓の調子が悪くて不安
(3) 糖尿気味で体調が心配
(4) 胃痛、腹痛で仕事に差し支える
(5) 慢性的に頭痛があってすぐれない
(6) ちょっとしたことがあるとすぐに下痢をしてしまう
(7) ちょっと緊張する場面になると胸が苦しくなってうまく呼吸ができなくなる

不定愁訴(特定の訴えとはいえない)の例

(1) 夜、眠ろうと思っても寝入りにくい
(2) いつもイライラして落ち着いて仕事に取り組めない
(3) 何事にも自身が持てなくなって仕事が怖い
(4) 人間関係が怖くて、できれば関わらないで生活したい
(5) ちょっとしたことで猛烈に腹が立って自分が抑えられなくなる
(6) 酒を飲み過ぎるが、飲んでも酔わなくなってきてしまった
(7) 食欲不振で、味も感じられなくなってきた
(8) 些細なこととわかっていても、気になって仕方がないことがある

認知症

老人の認知症については次のような発現形態があります。

知能障害

以前は「物忘れ」程度の記憶障害であったのが、重要なことを忘れたり、健忘の頻度が頻繁になり、日常生活に支障をきたすようになると、"病的"な認知が疑われます。

記憶障害がさらに進むと、「自分が物忘れをしたこと」すら忘れてしまい、さらに作話と呼ばれる症状をきたすことがあります。

作話は決して意図的にウソをつこうとして作り話をしているのではありません。記憶障害を補おうとして「でたらめ」をいうのです。

見当識障害(失見当識)

認知症の老人は、意識レベルの変動を起こしやすいといわれています。

その中でもしばしばみられるのが「夜間せん妄」です。

天井や壁のしみが動物や人の顔に見えたり、人が部屋の中に入ってくるといって怯え、逃げだそうとしたりします。

落ち着かずに歩き回ったり、大声で泣き叫んだりすることもあります。

幻覚、妄想

自分が物をどこかに置き忘れたのに、誰かに盗まれた、隠されたといった幻覚を訴える場合があります。

情動および人格の変化

傾向としては、多少とも意欲の低下、無関心、感情の軽度鈍麻がみられることがしばしばあり、以下のような症状が現れます。

  1. その人らしい個性が失われ、平凡化する
  2. 若い頃の人柄が極端になり、社会にマイナス方向に先鋭化する
  3. 抑制力の低下により、欲求がむき出しになる

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