併給調整
遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整
妻が60歳以上65歳未満の場合
遺族厚生年金か特別支給の老齢厚生年金か、どちらかを選択します。
妻が65歳以降の場合
遺族自身が厚生年金保険の被保険者期間を持っていて、これに基づく老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、以下の3つのうち、いずれか有利なものを選択できます。
- (1) 妻の老齢基礎年金+妻の老齢厚生年金
- (2) 妻の老齢基礎年金+遺族厚生年金
- (3) 妻の老齢基礎年金+妻の老齢厚生年金の1/2の額+遺族厚生年金の2/3
平成19年4月の改正以降は、上記により算出した一番有利なものから、妻の老齢厚生年金を全額受給した上で、従来の遺族給付との差額を遺族厚生年金として支給する仕組みに改められました。
以下に、具体的に例を挙げて解説します。
夫の老齢厚生年金が10万円、妻の老齢厚生年金が4万円の場合
3つうち一番有利な(2)で計算した7.5万円から、妻の老齢厚生年金の全額である4万円を差引いた3.5万円が遺族厚生年金として支払われます。
夫の老齢厚生年金が10万円、妻の老齢厚生年金が6万円の場合
3つうち一番有利な(3)で計算した8万円から、妻の老齢厚生年金の全額である6万円を差引いた2万円が遺族厚生年金として支払われます。
詳しくはお近くの年金事務所又は街角年金相談センターへご確認ください。
厚生年金等の遺族年金と労災の遺族年金の併給の場合
労災保険の遺族年金額が減額されます。
遺族給付(厚生年金等)の種類 | 減額率(労災の遺族年金) |
---|---|
遺族基礎年金+遺族厚生年金 | 20% |
遺族厚生年金 | 16% |
遺族基礎年金 | 12% |
遺族年金と雇用保険の調整はない
遺族厚生年金や障害厚生年金と、雇用保険との併給調整はありません。
労働基準法第79条による遺族補償との調整
労働基準法第79条による遺族補償が行われる場合は、遺族厚生年金は死亡から6年間支給停止されます。
労働基準法第79条
労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の1,000日分の遺族補償を行わなければならない。
税金の取り扱い
厚生年金や国民年金からの遺族年金
所得税も相続税もかかりません。