在職老齢年金
60歳以上65歳未満の在職老齢年金
60歳~64歳の間の年金支給額は、受給権者の在職中は、一部または全部の支給停止が行われます。
平成17年4月までは年金の一律2割が減額されていましたが、現在は以下のように支給停止されます。
在職老齢年金による調整後の年金支給月額について
- 基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円以下の場合
→年金が全額支給されます - 基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万を超える場合
→基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2
令和4年3月以前の65歳未満の方の在職老齢年金による年金支給月額について
以下の割合で年金が減額(支給停止)されます。
総報酬月額 相当額 |
年金の基本月額28万円以下 | 年金の基本月額28万円超 |
---|---|---|
47万円以下 | (総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2 | 総報酬月額相当額×1/2 |
47万円超 | (47万円+基本月額-28万円)×1/2+(総報酬月額相当額-47万円) | 47万円×1/2+(総報酬月額相当額-47万円) |
(令和6年4月)
65歳以上70歳未満の在職老齢年金
65歳以上の人が厚生年金保険の被保険者であるときは、賃金(総報酬月額)に応じて老齢厚生年金の全部または一部が支給停止される場合があります。
総報酬月額相当額とは、毎月の賃金に相当する標準報酬月額と、その月以前1年間の標準賞与額の総額を12で割った額の合計です。
分かりやすくいうと、賞与も含めた年収の1ヶ月相当額といえます。
総報酬月額相当額+基本月額≦50万円の場合
賃金(総報酬月額相当額)と老齢厚生年金の月額(基本月額)の合計額が50万円に達するまでは、老齢厚生年金は全額支給されます。
(令和6年4月)
総報酬月額相当額+基本月額>50万円の場合
賃金(総報酬月額相当額)と老齢厚生年金の月額(基本月額)の合計額が50万円に超えるときは、超過部分の1/2の額の老齢厚生年金が支給停止されます。
支給停止額が老齢厚生年金の総額を超えるときは、老齢厚生年金は全額支給停止されます。
支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-50万円)×1/2
※昭和12年4月1日以前に生まれた者は支給停止されません。
※上記の支給調整が行われる者でも、老齢基礎年金は全額支給されます。
(令和6年4月)
60歳以後、厚生年金をもらえる働き方があるか
厚生年金保険の被保険者とならない働き方であれば、賃金と年金の調整をされることはありません。
自営業、また会社に雇用されていても厚生年金保険の適用事業所でない事業所で働くとか、適用事業所であってもパートタイマーなど常用と認められない働き方(社会保険の加入要件を満たさない勤務時間・給与額等にとどめる)が考えられます。